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五十嵐律人 / 講談社文庫 (20件のレビュー)
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すぎっち
このレビューはネタバレを含みます
【内容】 13歳?の少女が、大人3人と自らの姉を監禁して殺す(姉は未遂)フォックス事件から物語は始まる。 被害者家族である茉莉と、砂と漠の兄弟、被害者本人である奏乃は同じ学校に通う生徒だった。 父親に指を潰され夢だった美容師の道を断たれかけてしまった砂は覚醒剤に手を出し、電車に乗る女子高校生の髪を切る事件を起こしてしまう。 茉莉と漠は覚醒剤から抜け出させようと砂を拘束して二人が世話をして生活をする。 そんなある日、奏乃の仕組みで茉莉が警察に拘束され、その間に奏乃が砂を殺害する。 奏乃が殺害したことを知らない茉莉となんとなく察しているが茉莉を守りたい漠は死体を隠蔽する。 茉莉の告白によって事件は真相を向かえ、フォックス事件も実は奏乃と詩緒による共犯だったことが分かる。 日本にはない神経犯罪学の観点から見る可塑性のない不可逆少年という考え方について問う作品。 【感想】 五十嵐さんらしい、司法への問いかけが込められた作品。 冒頭の詩緒のシンプルな残虐性と奏乃の感情の抜け落ちた残虐性のコントラストが鮮やかで恐ろしかった。 また、茉莉と砂、漠の恋心や様々な要素が混ざり合った心情変化や行動が生々しく感じられた。 「不可逆少年」という考え方に理解を示しつつも、どうしても子供の未来を信じたいという主人公の想いもシンプルで非常によかった。
投稿日:2024.05.13
shiyu ow
半ばまでは面白くてサクサク読み進めていたけれど途中でおいてかれた。 事前知識があった方がもっと最後まで楽しめたと思う
投稿日:2024.05.04
やました
衝撃的な事件から始まり、これが続くと少しきついかもな…と思いましたが、杞憂でした。 主人公が日々少年と向き合う様子や、それぞれが考える調査官のあり方なども丁寧に描かれ手織り、また別の深い事件が描かれ…という感じで、場面転換が多かったため、私的にはすらすらと読めました。 そして、最後には最初の事件の真相へ近づくという流れが良かったです。 タイトルへの主人公の向き合い方が最後のセリフで締め括られてるのが響きました。 続きを読む
投稿日:2024.02.26
おたこさん
冒頭からなかなか衝撃的なシーン 終始鬱々とした気持ちになりながら読了 誰にも頼ることができない少年たちが追い込まれていく展開は読んでいてつらかった
投稿日:2024.02.21
runyuho
少年裁判で裁かれるのは14歳以上であり、13歳は裁かれることがないという事実をはじめて知った。 そもそも責任能力や、今後更生するする可能性を見込んだ少年法は、本当に少年と言われる者たちを救うための法なのだろうか。 「不可逆少年」今後社会に出るための更生が見込めない少年犯罪者。 「ケーキの切れない非行少年たち」を読んだ時にも思ったことだが、確率でラベリングすることで私たちは分かったような気になるが、本質と向き合うことはできていないのではないだろうか。ただ、現行のさまざまな制度や立場では深く追及することは良しとされていない。形式的に物事を推し進めることに私たちは危機感を持つべきだ。
投稿日:2024.02.16
☁️
「不可逆少年」とは何なのか。 多くの少年犯罪の加害者と面談をしてきた主人公。 「やり直せるから、少年なんだよ」 この一言に最初、心が揺れ動きました。やり直せる時間や期間、自分と向き合える、事件と向き合えることが大人の協力を得てできるのが少年なのかと、知りました。 小説を読み進めていく中で、この一言の意味を改めて考えていきました。 表紙にもある狐の面の意味を知って、驚愕しました。少年事件、法律の在り方についても考えさせられる作品でした。
投稿日:2024.01.17
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