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有吉佐和子 / 河出文庫 (28件のレビュー)
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メメ
1985年に朝日文庫から刊行された『女二人のニューギニア』の再文庫化になります。 著者の有吉佐和子さん(1931-1984)が、 ご友人で文化人類学者の畑中幸子さん(1930-)(当時、東京大学院文…化人類学在籍、現在は中部大学 名誉教授)のフィールドワークを訪れた際の、壮絶だけども笑えてしまう滞在記になっています。 「ニューギニアは、ほんまにええとこやで、有吉さん」という畑中さんのお誘いに「じぁあ、行くわ。案内してくれる?」と大層気楽な気持ちでスタートしてしまったこの旅は、大変なものになります。 悲惨な状況が続くんですが、文章が面白すぎて何度も何度も笑ってしまいます。 のっけから、ニューギニア行きを止めてくれなかった周囲への不満がたらたらと。笑 道中・滞在記では、お二人のやりとりが生き生きとして伝わってきて、本当に面白いです。 とにかく大変極まりないんですが。 現地に行くため二日間ジャングルを歩き、疲れて三日目に「こわれてしまった」有吉さんを、迎えにきてくれたシシミン族の人たちが運んでくれる描写など、最高に笑ってしまいますよ。 考えさせられることもしばしばです。 戦地だった傷跡も描写の中に出てきます。 また、白人はネイティブをバカにし、その白人から文明を取り入れた者が、また新たなヒエラルキーの頂点に立つようなところは、植民地時代から繰り返されているであろう人のエゴが感じられます。 「山野を自由自在に駆け巡っていた彼らが、文明という眼鏡をかけ、文化という靴をはき、贅沢というシャツやパンツを身につけるようになるのが、幸福といえるかどうか、難しいところだ。」と記されています。(ケン・リュウ氏の「紙の動物園」に収められた「結縄」にも感じた想いです。) 色々ありますが、たくましいに尽きます。 仕事などで疲れている時に読むと「まだ頑張れる!」という気持ちになれるかもです!笑続きを読む
投稿日:2024.05.17
ぽむ
面白く読ませていただきました。大きな出来事は起きず、一方で、とても大変な状況のはずなのに、そう思わせない所が良いです。
投稿日:2024.05.15
アキ
ウチのおばあちゃんが私と同年代の頃?? という時代のものであるが、なんて読みやすくおもしろいんだ。 壮絶すぎるのに軽快な読み口で、ついにやにやしてしまう。 いやもう、有吉さんよく帰ってこられたな。 そ…して畑中さんのパワフルさというかもう強くなければこんな凄いことはできないわ。 凄まじいもの読んだ。パワーもらった。続きを読む
NORIS
今年も始まった河出文庫グランドフェア、すてきなブックカバー&トートバッグを入手するための2冊目はちょっと前から気になっていた有吉佐和子のニューギニア滞在記。
投稿日:2024.04.26
かい
スピン創刊号で絶版本書店で取り上げられていた 壮絶で愉快 マラリア恐ろしーー 外国へ行くときはワクチン、虫、動物に注意 ニューギニア、すごいところ、人文学者の研究もすごい。言葉を知るためにすごい労力…が必要。 「文明」が価値観を変えていきつつある土地と人々を冷静に観察している 現地に行かないとわからないことがたくさん書かれている 果たして文明開花はその土地に住む人にとって良いことなのか??と投げかけている パンツとシャツを与えられて温厚なテアテアがどんどん偉そうになっていく描写、現地の人には上下関係をちゃんとしておかないと〜という描写、猫?犬?と似てる?と思った続きを読む
投稿日:2024.04.18
norainu
有吉佐和子さんの紀行文(と言ってもただの旅行などではない)です。恥ずかしながら、有吉佐和子さんのお名前だけは聞いた事がありましたが、読んだこともご本人のことも情報を持ち合わせておらず、、女友達との旅物…語かなと思って読みはじめたら、すごく前の時代のお話で、しかもニューギニアかなりの未開の地であったようで…ジャングル3日かけて訪れるとか。 何もかもが知らない事だらけで、当時の背景、現地の暮らし、有吉さんの心持ち、びっくりするやらハラハラするやら。読みやすい文章であっという間に読了でした。 続きを読む
投稿日:2024.03.03
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