【感想】日本の進む道 成長とは何だったのか

養老孟司, 藻谷浩介 / 毎日新聞出版
(11件のレビュー)

総合評価:

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ブクログレビュー

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  • shosho

    shosho

    説明して分かってもらいたい藻谷浩介と、聞かれれば自分の考えを話すことはできるけど自分からはあまり能動的に発信しない養老孟司の対談本。2038年の南海トラフ巨大地震の話、循環再生で自足する話、教育の話。どれも単独で完結する話ではなくて、互いに関連している。その根っこには日本人の特性みたいなものがあって、理論と実践、中枢と現場の間にはいつまで経ってもチグハグさが残っている。日本は一度ご破産にしないと変われない国だから、南海トラフ地震に来てもらって、ご破産にするしかない、という養老孟司がたどり着いた説は少し逆説的だけど、きっとそうなのだろう。自分で対応するしかないと考えよ、ということなんだろうな。とても勉強になる。
    この本の中に引用された本で、いくつか読みたくなるものがあったのも楽しみだ。
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    投稿日:2024.04.18

  • a0019447

    a0019447

    養老さんと藻谷さんの興味深い対話の本。
    直近のテーマなどが取り扱われているが広い視野で語られておりおもしろい。興味深い内容であることに変わりはないが、藻谷さんの主張割合が多く、養老さんの意見は?と勘繰ってしまう

    メモ
    ・見てわからないことは測ってもわからない。測ってわかることは見たらわかる
    ・火山灰は小さいガラスのかけら
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    投稿日:2024.03.20

  • yokkie

    yokkie

    自然と付き合うとは!?

    自然と付き合うとはどういうことを忘れてはいけないですね。コントロールできないもの。努力しても報われない。そんな相手に無理をしてはいけない。
    全体を見て適当なところで収める知恵、という表現が個人的にすごくよかったです。完璧やより成長する、という常に上を目指すのではなく、どこかで、これで十分、というところを見極めて、心を落ち着けるタイミングが欲しいですね。これが高原社会なのかな

    あと自然農法の話が出てきたのも個人的には嬉しかったです。何かをしないといけない、という固定観念からの解放としての自然農、というのもありますね。放ったらかしでよい、というのは語弊があって、環境をどう整えるかが大事だと思っているのですが、環境を整えるだけで、それ以上はやらなくても良い。この線引きがとても大事だと思っていて、俺がやった、ではなく、最終的には相手が勝手にやった、という理解することで、循環の精神が育つと私は思っています。

    持続的な社会って環境の話もあるけど、人間としての持続的はこの循環精神だと私は思っています

    さて、循環精神を育てる場所としての自然農を続けていこう

    (私は政府批判とか、何でお前はやらないのか、みたいな相手を見下す話があまり好きじゃないので、言いたいことはわかるけど、なんかモヤモヤが残る本でもありました。これがコントロール思考への違和感なのかな)
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    投稿日:2024.02.11

  • 1989447番目の読書家

    1989447番目の読書家

    世界から見た日本、日本人の変わったところを客観視して具体的に伝えてくれる。
    しかも包み隠さず率直に。
    とても考えさせる問いでした。

    2038年に大震災が来るとなん度も紹介されていましたが、来ることがわかっているのに備えないのはおかしい。まさにその通り。
    東日本大震災を間近で経験したわたしは、あのような経験は2度としたくないと思いますが災害大国日本に住んでいる限りは対策しないといけないと感じます。

    もう一つ感じたのは日本人の同調主義です。
    皆と同じでなければダメとか、あいつは考え方が皆と違うからおかしいとか、そんなくだらない考えは排除したいと感じた。
    子どもを育てる環境から改善していきたいと思いました。
    皆で考えようは考えているうちに入らない。
    考えるのは1人でいい。
    議論は皆でするもの。

    自分の考えがいかに日本人的だったかを思い知らされる本でした。
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    投稿日:2024.02.10

  • M.K

    M.K

    <読書中>


    書評より
    第1章 経済と政治の戦い
    成長とは何だったのか/経済成長という強迫観念/盧溝橋事件/お金と権力/誰が政治を動かすのか/経世済民/意味と解釈/外に出る脳/違和感の正体/自民党は日本そのもの/他人を働かせる/固定された階級/見てわからないことは

    第2章 大地震に備える
    必ず起こる/リニア中央新幹線/何が起こるのか/噴火の可能性/生き残ったほうが大変/ライフライン/横浜の問題/復興資金/田舎で暮らす/人口減少への覚悟/日本への移民問題/島根の人口密度/次は東海道/原発の憂鬱

    第3章 循環再生で自足する地域
    新しい資本主義/お金に変わった人間関係/「自足できない」は本当か/政治の出番/封建的なるもの/変化を阻むもの/変化の予感/人格分裂/農薬と発達障害/完全な自然農法/自然に対するには

    第4章 教育問題の奥へ
    明治から続く問題/文化は「接合」できるか/和は乱れたまま/日本とロシア/大地震の後に/英語教育/個性の教育/親と先生が変わると/教育の何が変わったか/旧統一教会/あなたが行けばいいのに/「みんなで考える」がわからない/みんなで考える/若者を自殺させる社会/日本人は生きていない/身体について考える/のんきに生きる

    第5章 日本人の生き方
    瓦礫はどこへ/山を削る/地主の声/踏み込んで考えてみる/戦争の形/大切なのは災害後/なぜそう思うのか/事実に興味を持たない人/アリを極める/現場を見ること/理屈と膏薬/空気は切れない/常識を磨く/混んでいる銭湯
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    投稿日:2024.01.31

  • 雷竜

    雷竜

     養老孟司と藻谷浩介の対談本であるが、二人とも大勢に流される人ではないためにとてもいい対談となっている。毎年のように「景気対策」という名目で借金を重ねて大型予算を組んでいるが、予算を増やし続けているのに国内消費が減っている。また、現在の日本では半分以上の人が働いていない人である。このような社会であるにもかかわらず、経済成長を目指して、リフレ経済学者やMMT(現代貨幣理論)を主張して、湯水のように税金をばら撒けという無責任な主張が罷り通っている。
     
     そもそも、半分以上働いていない社会において、働いている人に「もっと働け」というモチベーションは湧いてこない。またむやみに経済成長すれば地球環境の崩壊を早める。経済成長すれば解決する問題はかなりあるのであろうが、だからといってできない経済成長のために巨額の財政支出を繰り返すことはもうやめよう。って思いました。
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    投稿日:2024.01.30

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