【感想】どんがら トヨタエンジニアの反骨

清武英利 / 講談社
(14件のレビュー)

総合評価:

平均 3.6
0
8
3
1
0

ブクログレビュー

"powered by"

  • aaaamino

    aaaamino

    TOYOTAでスポーツカーを開発する話

    自分のやりたい事と会社の目指す事が合致すると、やりがいが最大化される
    その反面、家庭が犠牲となる

    ハチロク、スープラの開発
    スバル、BMWとの共同開発

    投稿日:2023.12.18

  • kojirok1222

    kojirok1222

    SUBARUと共同開発した86/BRZのトヨタ側開発責任者の奮闘記。

    大衆車メーカーと自らを規定するトヨタで、市場規模のわからないスポーツカーを開発するのは想像以上に内部調整が難しい。

    悩んだ主人公が相談に行ったMAZDAのロードスター開発の重鎮とのやり取りには、会社の枠を超えてスポーツカー開発に賭ける者に共通する心情が見える。

    仕事の作法から手続き、用語まで異なる共同開発をやり遂げたのは、リーダーの力量に加えて、メンバーたちの情熱があったことに間違いない。

    その後BMWとのスープラ共同開発にも駆り出された主人公の行く末には、勤め人の悲哀を感じざるを得ない。
    続きを読む

    投稿日:2023.11.07

  • kanetaya

    kanetaya

    世の中には、暖かな日の当たる場所もある。
    どのように苦しい過程を経てであれ、最終的に、そう受け止められる職業生活を送ることができるというのは、素晴らしい星の下に生まれ、生きてこれた、ということだと思う
    清武さんの筆力もあるのだろうが、羨ましい、というだけのこと。

    印象的なフレーズは以下。

    ー俺はこのドンガラを見るために頑張ってきた。
    多田は思った。
    それは出世するとか、表彰を受けるとか、会社の業績の一端を支えるとか、定年後には泡のように消えてしまうものではなく、数寄者の魂をがらんどうの車に吹き込む、夢の実現だった。
    (P222)
    続きを読む

    投稿日:2023.10.10

  • mp_qm

    mp_qm

    86復活までは長かったなぁ〜

    トヨタは一般大衆車で、デカくなったイメージでしたが、昔は結構、尖った車、沢山あったなぁっと感慨深く…。

    絶対に売れない、儲からないと言われたスポーツカーを、命がけで造り上げた男がいた。

    技術者やその家族の苦闘と人生の喜び、トヨタを世界企業に押し上げた仕組み、独特の企業風土と文化、緻密に細部まで描かれており、驚きも多かった。
    続きを読む

    投稿日:2023.09.23

  • フミ

    フミ

    このレビューはネタバレを含みます

    自動車業界で、販売台数世界No.1、つまり、大衆向けの車を作っているトヨタで、
    「売れない」「儲からない」と言われながらも、若者の車離れを食い止めるために、採算性を超えて再挑戦したプロジェクト=スポーツカー「86」やスープラの復活に賭けたトヨタチーフエンジニアとその部下たちの心震わす物語。

    技術者はときに、自己実現や「自分がこういう車を作りたい」という情熱を原動力にしているため、営業部門や役員から理解されないことも多くあっただろう。
    トヨタの核や強み、本分とは異なり、社内からの軋轢は多かったことだろう。
    ただし、そこには単なるスポーツカーの復活を遂げ、大きな壁を乗り越えた熱い物語というだけでなく、自動運転やカーシェアリングの時代、百年に一度の大変革期に、スポーツカーを作ることの意義を考えさせられるものだった。
    特に、
    「自動運転やカーシェアリングの時代に、スポーツカーは生き残れるのか」とスポーツカーの定義を問われたときに、多田は「スポーツカーとは本質的に、日常の役に立たないものです」と断言した。
    車は通勤から運送、レジャーに至るまで幅広くちゃんと役に立つものである一方、スポーツカーは心を満たす趣味の領域のもの。その世界はいつまでも残るだろうが、これからの時代はどんな車好きも体験したことのない驚きや感動を与える付加価値を、スポーツカーを使った新しい遊び方(例えば、ゲームやメタバースに絡めて)を同時に提供していくことなどが求められている。
    このプロジェクトは、まさに赤字でも取り組む価値(これまでとは異なるプロダクトやサービスの可能性)に満ちていることを痛感させられた。

    私たちは「トヨタの10年後」には、
    ほんの数十年前の携帯市場の(現在は1位韓国・サムスン、2位米国・アップル、3位中国・シャオミだが)1位フィンランド・ノキアや2位米国・モトローラなどトップシェアを誇っていた企業が「スマホの台頭」によって軒並み消えてしまったように、
    トヨタも消えてしまっていることもあり得ない話ではないし、ゲームチェンジは突然訪れるもの。
    しかしながら、トヨタもスポーツカーの開発・製造・販売・サービスを通して、新しい価値を生み出すことの意義を見出だせたと思うし、土台は着実に作れているんじゃないか、と感じた。

    レビューの続きを読む

    投稿日:2023.08.13

  • wake

    wake

    車に全く興味がなく、スポーツカー「86」「スープラ」も全く知らない私が読んでも胸が熱くなるノンフィクション仕立て小説(読後にネットで写真確認したが流石に「86」も「スープラ」もカッコイイ)。というのが半分で、意外に世界のトヨタも普通の大企業にありがちな官僚的会社であることがわかって少しホッとした。スケールが大きいだけあって、特異な人材も豊富で、異能を活かす素地があるところは流石ではある。週刊現代連載だそうだが、会社員であれば共感できるところ多数で、処世のヒントが色々見つかる。続きを読む

    投稿日:2023.06.30

Loading...

クーポンコード登録

登録

Reader Storeをご利用のお客様へ

ご利用ありがとうございます!

エラー(エラーコード: )

本棚に以下の作品が追加されました

追加された作品は本棚から読むことが出来ます

本棚を開くには、画面右上にある「本棚」ボタンをクリック

スマートフォンの場合

パソコンの場合

このレビューを不適切なレビューとして報告します。よろしいですか?

ご協力ありがとうございました
参考にさせていただきます。

レビューを削除してもよろしいですか?
削除すると元に戻すことはできません。