【感想】旦那様は妻の私より幼馴染の方が大切なようです

雨野六月, 双葉はづき / レジーナブックス
(1件のレビュー)

総合評価:

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ブクログレビュー

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  • いこ

    いこ

    このレビューはネタバレを含みます

    裁判の結果が想像ついているとはいえ、そこにたどり着くまでの、特に前半の展開が読んでいてしんどかった。
    分かっていても、しんどい、というか気持ち悪い。
    ラルフとアンジェラの関係性の異常さというか不気味さというか。
    セシリア、味方が一人もいない状況で、よくぞあの前半戦を耐えた!

    ラルフの無自覚の無神経さと馬鹿さはさておき、アンジェラがただ病弱を演じ恋に溺れる馬鹿女ではなかったことも怖かった。
    ラルフの家が借金まみれなこと、セシリアの実家からの援助がないと楽して暮らせないことを十分に理解していた。
    だからラルフとセシリアの結婚を容認したし、最終的に二人の子作りも許可した。
    彼女が欲しいのは、自分を甘やかしてくれて楽して暮らせる環境。
    その相手がイケメンなら尚よしという。
    言葉が悪いのを自覚して言うが、屑キャラである。

    誰が見てもセシリアが置かれた状況は異常で離婚を認めるのも当然なので、離婚裁判の結果は火を見るより明らかである。
    この裁判のシーンがスカッとできるので、前半の苦しさを払拭するために何度も読み直した。
    いやもう何度読んでも癒される。
    ここでセシリアに全く非がないという展開にもっていってないのもよかった。
    白い結婚を貫くために、脱出までの二週間は夜の営み回避に挑発を使用していたので。
    ここを裁判官がどう判断するのか、詳しくは本編にて。

    勿論、ざまあ展開はそのあと訪れる。
    一番ざまあを食らったのは、ラルフの家の使用人たちだったかもしれない。
    残念ながら同情の余地はないが。
    ラルフの家の財政事情とパワーバランスを知らなかったとはいえ、女主人を総じていじめるからそうなるのだ。

    アンジェラに対してセシリアが与えた「温情」がアンジェラにしてみれば最恐の「おしおき」になったのもスカッとできてよかった。
    セシリアとしては、良かれと思ってやったのに……本人の預かりしならないところで最大限の効果を発揮したのがもう、申し訳ないけれど笑えた。

    印象的だったのは、セシリアの裁判後の幸せな時間よりも、ラルフたちの後日談の方に本編ではページ数を割かれていた件。
    セシリアの未来はさらっとの紹介に止め、ラルフとアンジェラの改心の違いを描いていたので。
    このラルフとアンジェラが対照的だった。
    ラルフは自分がセシリアにしてきたことを身をもって知り、きっちり罪を自覚し、最終的には晴れ晴れした気持ちで未来を見据えるようになる。
    一方で結局成長しなかったアンジェラの未来は……それも詳しくは本編にて。

    でも、流石にセシリアの未来の話があれだけでは、一応頑張ったヒーローが可哀そう……だったせいかは分からないが、セシリアサイドのより詳しい話は番外編に。
    一応ピンチになると助けに来てくれたヒーローではあるけれども、本編中はどうにも影が薄かったので。
    凄腕さんの筈なのに、セシリアを前にするとヘタレというか、残念ぶりが酷くて。
    やっぱり番外編はヒーローに対してのご褒美だったのだろうなあ。

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    投稿日:2023.02.05

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