【感想】あした、弁当を作る。

ひこ・田中 / 講談社
(26件のレビュー)

総合評価:

平均 3.6
3
11
8
2
0

ブクログレビュー

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  • May

    May

    自立とは何か
    変化から始まる主人公タツの成長
    愛と支配、男と女、役目と趣味……似たようで、全然違う、大切なことに気づける中高生に一番読んでほしい物語
    きっと読み終えた後はお弁当を作ってみたい、洗濯物をしてみたい、と家事に対する興味が少しだけ湧く……かもしれない続きを読む

    投稿日:2024.05.08

  • 湖永

    湖永

    学校に行く日には、「行ってらっしゃい。タッちゃん」と母親が背中を触る。
    それが、ゾクッとしてしまい…
    その日から母親が作ってくれたお弁当を目の前にして箸が動かない、隣りの女子は冷凍食品オンリーで自分で弁当を作っていると言う。

    弁当を自分で作ることから始まり、母親が学校へ行っている間に部屋を掃除していることも嫌になり、洗濯も自分ですることに…。

    父親が外で働き稼いで来ること、母親は家事をするのが仕事で中学生は勉強していればいいというのに反発を覚える中学生男子。
    さて、彼はどこまで納得して自分のやりたいようにやれるのか…。


    思春期男子には、あれこれと世話を焼く母親が重い、と感じるのかもしれない。
    放っておいてほしいのに、どうしてそんなにかまうのか…。
    自立したくてもできないジレンマがわかる。

    いつかは、自分でやらなければならないのなら、やりたいと思うときにした方がいいと思う。
    義務じゃなければ楽しいと思うのかもしれないが、それが毎日となると億劫に感じたりもする。
    やりたくなくてもやってくれる人がなけりゃ、自分がやるしかないと思うと気が重いし、もっと他のことをしたいのに…と思う人もいるだろう。
    ヤングケアラーの場合はそうだと思う。

    どのような家庭なのかによって見方も変わってくるが、今はこんなふうに専業主婦で子どもにかまう母親は少なくなってきてるのでは…と思うのだが。

    黙って反抗的な態度をとるよりも、やりたいことを宣言している中学生男子のタツキの今後が気になる。



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    投稿日:2024.04.18

  • ayamaron

    ayamaron

    このレビューはネタバレを含みます

    思春期の少年が親からの自立に目覚めるまでの話。少年の心のうちが描かれていて、自分にもそんな時期があったなあと懐かしく思う。また、息子を溺愛する母親や家事を見下してあたかも自分だけが偉いかのように家で振る舞う父親など、今まで当たり前と思っていた狭い世界が広がった時、何かおかしいと気づく。
    それまで立派だと思っていた両親や周りの大人の言うことに矛盾を感じたり、実は子供っぽいのでは?と気付いてしまうあの感じ。そこから離れたいけど未成年という経済的弱者ゆえ動くことができないもどかしさ。そういった少年の心情にフォーカスした小説は初めてだったので新鮮で面白かった。

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    投稿日:2024.04.06

  • えんじぇる

    えんじぇる

    弁当を作る
    誰が?何のために?表紙の男性に見えるこの人?何歳?

    など疑問たっぷりで読み始めた。主人公は中学生龍樹。=タッちゃん。

    亭主関白モラハラな父と、専業主婦の母に重く世話されることに違和感を覚え、背中を触られるのもゾクっと不快になるお年頃。
    本人はうっすらとした自覚を哲学者の様に考え自問自答。表情に出てしまうので、幼馴染のカホや友人のアヤとマモルに問われるがままに答え、悩み相談をする。

    友人達との淡々とコミカルな会話とは真逆の家庭での父親と母親と息子の会話。サスペンスホラーの様でとても怖い。

    自立のキッカケのツールとして弁当作りがあったわけね。
    個人的には龍樹の気持ちがよく理解できる。なぜならば、私の母も同タイプであったから。

    悩める中学生に読んでほしい。
    #中学生
    続きを読む

    投稿日:2024.03.25

  • finger0217

    finger0217

    中学1年生の龍樹は、仕事が忙しくてあまり家にいない父親と、専業主婦の母親との三人家族。ある日、いつもと同じように母そやから「行ってらっしゃい」と背中を触れられた瞬間、悪寒が走ります。母親には触ってほしくない…。それ以降、母親の「重たい」愛情から逃れたいという気持ちと、母親を邪険にしては申し訳ないという気持ちの間で悩む龍樹。

    その「成長期」とも「反抗期」ともつかない自分探しの手段が、母親に頼りきりであった家事(特にお弁当づくりや洗濯)を自分でやる(=それにより母親の過干渉を減らす)という平和的な手段であることが、ほほえましく、またリアリティがあると感じます。

    親にとってはいつまでも「かわいい子ども」でいてほしいところですが、実際には子供は成長して親の影響下から抜け出していくものですから、龍樹の良心のようにそのことを無視して「子ども扱い」を続けようとすればどうしても軋轢が生じるだろうと思います。一方で龍樹は「自分のことは自分でやる」と強がりつつも、お金を稼ぐことはできませんし、弁当と洗濯以外の家事は母親に頼らざるを得ません。ただ、その状況をきちんと認識して、自分の「いたらなさ」を考えているところは、とても中学1年生とは思えないくらい大人びていると思います。

    龍樹のように深く考えてはいなくとも、「親がウゼエ」と感じている男子中学生・高校生は少なくないと思います。親の愛情(干渉)が嫌だ、と思ったときに罵詈雑言を浴びせて攻撃的になるのではなく、「自分の事は自分でやるから放っておいてほしい」という龍樹のような「平和的かつ建設的」な方法もあるのだ、というアドバイスの意味も込めて、ぜひ中高生に読んでもらいたい作品です。
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    投稿日:2024.03.04

  • まるまるまるこ

    まるまるまるこ

    思春期なのになんてちゃんとしてるんだ。お弁当作ってえらい!こんな思春期もあるのか?と思ってしまった。
    お母さんの気持ちもわからないでもないが、子離れって必要だなと思った。

    投稿日:2024.02.24

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