【感想】国鉄―「日本最大の企業」の栄光と崩壊

石井幸孝 / 中公新書
(13件のレビュー)

総合評価:

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ブクログレビュー

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  • わっさん

    わっさん

    ●=引用

    ●(略)20年も経つと、世界中が注目する「新幹線」を作った。ただそこには国鉄マンの「勤勉」と技術の「日進月歩」はあっても、「経営者感覚」はなかったといえる。そういう風土は変わりようがない集団だった。
    ●国鉄貨物輸送は「貨車」を運ぶのが仕事という観念で、「モノ」を運ぶのが仕事という使命感がなかった。前述のように車両・コンテナの構造や荷役機械・設備などのハード開発・提案に知恵を出さなければならない技術屋にも大いに責任がある。要するに「経営」と「ビジネス」がわかっていなかったのである。
    ●国鉄後半の22年間、最終2年間を除いて、実に20年間、国も国鉄も取り組みの意識は変わらなかったといわれても、申し開きができない。(略)国鉄のシェア低下、経営の硬直化が進むなか、利用客を増やす総合施策が抜けていた。経営が傾いても、設備投資の予算確保ばかり考える体質は変わらなかった。それは、今だから言えることだが、そこには、それぞれ「仕組みづくり」「クニづくり」「モノづくり」が優秀な人材集団はあったが、この3つをまとめる「経営」と「ビジネス」そして「哲学」がなかった。
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    投稿日:2024.02.17

  • shinano

    shinano

    【星4.0】
    国鉄→JR→現在と今後の課題、という感じで国家の鉄道網でについて語っている。

    「国鉄」という響きの懐かしさからなんとなく手に取ってみたのだが、国鉄が抱えていた超ド級の問題、現状のJRの問題など、身近な鉄道について知らないことが多々あるという気付きに繋がった。続きを読む

    投稿日:2024.01.21

  • こーせー

    こーせー

    国鉄の俯瞰史というよりは、筆者の社歴に沿った国鉄史という趣。それはそれで価値があるのだが、ディーゼル車の開発などはマニアック…好きな人は好きそうだ

    投稿日:2023.06.05

  • matsum40

    matsum40

    中の人の回顧録だけではなく、今後の提言もあってバランスのいい展開だった。
    提言が的を得ているかはかなり怪しいが。

    投稿日:2023.03.27

  • akamasaboom

    akamasaboom

    230314016

    国鉄〜JRの歴史を踏まえて、これからの鉄道の未来を語る。国が関わってきたからこそ今のJRがあるのだから、地域と鉄道の未来について国や地公体自身がより深く考えることが必要。

    投稿日:2023.03.14

  • horinagaumezo

    horinagaumezo

    国鉄の技術系職員出身でJR九州初代社長を務めた著者が、自身の経験も踏まえて約半世紀の国鉄の歴史を振り返り、JRの将来に向けて提言。
    官僚主義的で中央集権・セクショナリズムが蔓延り、人を生かせなかった国鉄の組織経営的問題は、他の組織にも教訓になると感じた。
    また、鉄道政策は、誰もが思いつきレベルのことは言えるが、そう簡単にはいかない、なかなか奥が深いものであるということを感じた。
    「新幹線物流」の推進など、著者の提言にも納得感があった。
    車両の話なども豊富で、鉄道ファンなら一層楽しめると思った。
    続きを読む

    投稿日:2023.01.19

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