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桃春花, 凪かすみ / アイリスNEO (1件のレビュー)
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いこ
このレビューはネタバレを含みます
自分も高校時代ぼっちだったので、千歳の考え方や生き方には身に覚えがありすぎた。 ありすぎて、中盤のユユとの仲違いの件が千歳と同じように本気で理解できなかったという。 何が悪かったんだと。 こういうところが自分の悪いところなのだろうなと読んでいて自戒した。 勉強になる。 ただ同じぼっち経験者の側から言わせてもらうと、やはり異世界に巻き込まれ事故みたいな形で一人飛ばされた千歳は、本質的には「独り」だと思う。 この世界の人間ではないのだから、真の意味で理解はされない。 他に同じ立場の人間がいたなら違っただろうけれど、彼女にはそういう意味での仲間がいない。 自分はどうやっても「他所者」だということを千歳は意識的にか無意識的にかは置いておいて理解はしていたから、余計に他者には頼れなかったのではないだろうか。 とフォローさせていただきたい。 千歳は自分と違って羨ましいほど逞しくはあったけれども。 特に何の肩書きもなく異世界にきてしまった十代にしては、かなり過酷な物語。 何せ最初は遭難者で今の状況を受け入れるにも時間がかかったし、中盤では異世界でもいじめを受け、終盤では文字通りの満身創痍状態に。 普通の子なら何処かで絶対心折れてる。 彼女を拾った人たちも、それを心配していたのに、千歳が変に逞しかったので乗り越えちゃうんだよなあ。 他人から期待されなかったから、自分も他人を最初から当てにしない。 これも身に覚えがありすぎる。 ただ千歳は異世界に来て、ちゃんと心配してくれる人たちも、間違いを指摘してくれる人たちにも出会えたのだから、その点は救いだ。 まだ若いのだから、これからどうにでもなる。 物語は彼女がようやく諸々を受け入れて、彼らと新しい関係性を築いていく、そんなところで終わるが、希望のあるラストだった。 千歳にとっても、そしてかつての十代の自分にとっても。
投稿日:2022.11.27
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