【感想】アリババの猫がきいている

新藤悦子, 佐竹美保 / ポプラ社
(6件のレビュー)

総合評価:

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ブクログレビュー

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  • ある

    ある

    主人公は人間ではなく亡命イラン人アリババの飼うペルシャ猫シャイフ。飼主の海外出張中民芸品店へ預けられ、毎晩異国の民芸品の身上話を聞く事になる。ファンタジーを通してイランやアフガニスタンの情勢に気付かされる。続きを読む

    投稿日:2022.09.20

  • 司書KODOMOブックリスト(注:「司書になるため勉強中」のアカウントです)

    司書KODOMOブックリスト(注:「司書になるため勉強中」のアカウントです)

    東京で一人でくらすイラン出身の言語学者アリババが飼い始めたペルシャ猫の子猫シャイフは、イランのバザールで福を招くと言われる長老族の猫で、人の言葉を解する猫だった。
    あるとき、アリババは海外出張のため、友人で民芸品店を営む男性、石塚さんにシャイフを1週間あずけることに……。そして、初めて石塚さんの部屋にとまった夜、シャイフは民芸品たちと話ができることに気づく。
    アフガニスタンで遊牧民の花嫁を乗せるラクダを飾るひも(ひも姉さん)、アフガニスタンの古都ヘラートで作られている吹きガラス(青いグラスくん)、イランのハチ飼いが使っていたミツバチの巣箱のふた(タイルばあさん)、ペルーのアマゾンの学校の先生が作った動物の人形たち(アマゾンのやんちゃたち)――遠い国からやってきた民芸品たちは、毎晩、順番に驚くべき身の上話を語っていく。
    そして店にはイラン出身の少女ナグメや、日系ペルー人の少年タケルがやってきて……。

    民芸品たちの波乱万丈の物語をきいた子猫シャイフが、彼らにつながる遠い国の人々を思い、民芸品たちに託された願いをかなえようとする姿が胸を打つ、異色のファンタジー!
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    投稿日:2022.08.03

  • 祥

    外国で産まれた物の身の上話を通して、その国をのぞいたような気持ちにさせてもらいました。
    アフガニスタンは依然、混乱が続いています。古都ヘラートで作られるヘラートグラスの工房も次々閉まっていく中で、作中のグラスは外の世界へと送り出されました。グラス工房の娘さんが、グラスに語りかける言葉が印象的でした。その身を以って、まだヘラートグラスを作っている職人がいるのだと、世界中に伝えておいで、というのです。世界中で苦しむ人にとって、職人が力を尽くして作った美しいヘラートグラスの存在は、希望を届ける存在でもありました。

    目の前にある物の向こうに、それを作った人たちの存在を感じ、作られた場所へ関心を持ったり、敬意を持つこと、自分がその産物と出合えた偶然を喜ぶこと。それらは、物質的に物を保持するだけより、より豊かなことだと感じました。

    野良猫のミケが合理的な視点からシャイフに、物の話を聞いて願いを叶えることがシャイフにどんなメリットがあるか尋ねるのですが、それに対して「楽しかった」と答えているのが、スッキリしていて心地よかったです。長々とした大義名分などなく、知らない国について聞いて、行った気分を味わい、その国の人にあってみたくなる、そんな楽しさを、心から喜べる過ごし方をしたいです。
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    投稿日:2022.03.05

  • ゆきなし

    ゆきなし

    難民問題や言語・見た目の違いなどを盛り込みながらも、視線が優しいので穏やかに読める。ストーリーはもちろん面白いんだけど、異文化や他国の事情に興味を持つきっかけになる本だと思った。ゆっくり誰かの何かの物語に思いを馳せること、忘れないで生きていきたい。続きを読む

    投稿日:2021.09.30

  • barubarusan

    barubarusan

    東京で暮らすイランの言語学者アリババさんは、ふとした縁で生後4ヶ月のペルシャ猫シャリフを飼うことになりました。実はその猫はイランのバザールで「長老族」と呼ばれている猫の末裔で、人間の言葉を理解することができました。また、アリババさんは子どもの頃猫の言葉を理解していたことを思い出し、シャリフと話すことできるようになりました。さて、アリババさんが海外出張で留守にする間、シャリフは知り合いの民芸雑貨の店に預けられました。そこでシャリフは、人だけでなくモノの話も理解できることがわかり、店のモノたちが語る物語を聞くようになりました。それこそ「バザールの猫」の力だったのです。続きを読む

    投稿日:2020.03.22

  • 灰猫☆

    灰猫☆

    現代ニッポンが舞台ですが、アラビアンナイトのよう。
    民芸品店のモノ達が、猫のシャイフに語る物語。その中から、難民の少女の想いなど、今の時代が垣間見える児童書ですね。

    投稿日:2020.03.13

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