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ちろりん, 緒花 / ソーニャ文庫 (1件のレビュー)
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総合評価:
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いこ
このレビューはネタバレを含みます
まさにタイトル通りの物語。 ローレンの敵方の人間ながら護衛につき、それすらも偽りだった筈なのに、予想より早く彼の方が堕ちてしまってびっくり。 このまま彼女に堕ち続けて敵方を裏切るのか、それとも彼女を裏切り、本来の使命を果たすのか。 どう転がるのかハラハラしながら読んでいたら、彼は一途である意味ぶれなかった。 まさか、ああなるとは! 終盤に種明かしされて、そんな彼の行動の意味も読み終わると納得できた。 ローレンもシリウスも、結局は父親に道具として扱われ続けた、そういう意味で似た者同士だった。 父親が本当にどうしようもない奴らで……そういう輩は作中でまとめて報いを受けるのでご安心を(他にもいるのだ、そういうキャラ) そんな中でも、ローレンもぶれなかった。 寧ろ鍛えられて純度は上がった気もする。 利用され続けた似た者同士の二人が父親の呪縛から解き放たれて、他人本位ではなく自分本位の欲に目覚め、新しい生き方へと踏み出すラスト。 それまでに互いに手を汚すことはあったけれども(ローレンの場合は正当防衛ではある)ラストはこれまた予想していたより余程明るく幸せなものだったので本当によかった。 互いに唯一の人を愛し愛される関係になれて本当によかったとしみじみ感じた。
投稿日:2022.12.04
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