【感想】ジェンダーで読み解く男性の働き方・暮らし方 −ワーク・ライフバランスと持続可能な社会の発展のために

多賀太 / 時事通信社
(4件のレビュー)

総合評価:

平均 4.3
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ブクログレビュー

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  • No Book No Life

    No Book No Life

    このレビューはネタバレを含みます

    ジェンダーというと、女性差別を連想し、身構えてしまう人も多いと思う。特に男性。

    この本は男性視点で書かれているので、男性にもとても自然に内容を受け入れられると思う。もちろん女性が読んでも不自然なことは何もない。

    子育てを終えた筆者がその経験と、コロナ禍で急速に進んだ在宅勤務などの環境変化、オーストラリアはじめとした海外の男性に関する考え方などを踏まえて、とても分かりやすく書かれている。

    家庭の中においては、家事分担はもとより、中学受験など教育サポートにおける父親の役割。介護やDV問題。
    仕事においては、仕事人間の期待に応えようとして、地域や家庭での居場所をなくす悲哀や健康の問題、パワハラについてなど。
    これらの話題について、関心をもつ鼻緒ともなる良書。

    個人的に刺さったフレーズは
    「理想の男性像がインフレ状態」ではないかという問題提起。
    稼ぎ手としての役割が軽減されないまま、家事育児教育が理想の父親のすべきリストに加わり、このような役割を全うできる人が理想の男性像として確立してしまってはいないか。
    そうすると、独身の人、子どもを持たない人などに疎外感を与えないかと書かれている。

    前半部分は、今まで働く女性が担ってきたところを、淡々と分担してくれよと鼻白む感覚もあったが、確かに男性の理想像とは何かを考えた。
    家庭や社会に男性が参加することは、楽しいことも多く悪いことではない。そのような活動と仕事が両立できるような社会にするためには、いったん理想像として設定することは必要だが、数年後には理想像を含めて多様性が認められるようになっていくのだろうと思う。期待を込めて。

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    投稿日:2023.03.04

  • uDo

    uDo

    ジェンダー問題、フェミニズム
    男性のいきづらさ、女性のいきづらさ
    を扱った本の中で、最もよくまとまっていると思う

    投稿日:2023.01.27

  • Leitor

    Leitor

    大学の先生が引用・参照元を示しながら、現代日本社会におけるジェンダー問題等を分かりやすく丁寧に考察した良書。

    南米と欧州に計10年近く暮らした自分の経験からも、この本を読んで、改めて日本社会にはまだ「無理ゲー」に近い、かつ、暗黙の「○○はこうであるべき」の考えが根強く蔓延っていることを感じる。生き方や表現等についても多様性や寛容さが残念ながら乏しい社会に感じる。著者が冒頭で示しているアンコンシャス・バイアスがいたるところにあり、息苦しさにつながっている。

    日本は、男が体を動かして、工場での生産のように、時間に比例して経済価値を生み出すことで「成功」したのかもしれないが、いまの世界で生み出される生産性の高い価値は時間に必ずしも比例しない、ひらめきや発想、独創性に基づくチャレンジによる部分も大きいのではないか。無駄にエネルギーの消耗著しい、耐久レース的ないまの日本社会のありかた、働き方で、世界に伍する生産性、新たな価値やアイデアは生み出されるのだろうか。

    80点から100 点を目指す過程は、学校のテストと同じで、60点から80点に引き上げる努力より何倍、何十倍もの時間と労力を要すると思うが、日本社会はその100点を優先、重視するマインドが強すぎると感じる。そのあるかどうかもわからない、100点実現に注ぎ込んでいるエネルギーを、違う価値創造に使うこと、0から1を生み出すチャレンジに向けられないのだろうか。そちらのほうが、例えばずっと停滞している日本経済、GDPも伸びる可能性が広がるのでないか。みな失敗を出さず、時間通りに今あるものを回しきるプレッシャーで疲れきっている。もっと多様性や寛容さ、ルーズさも認めて、人間らしい生活を送ること(それには日本の過剰なサービスはやめて、寛容さも必要だろうか)があたりまえになれば、もう少し前向きな雰囲気が生まれてくるのではないだろうか。

    日本に久々に戻ってきて、元気のなさ、なんとなくも暗い雰囲気が社会を覆っているように感じられる。もちろんそうした社会であっても、それにとらわれず、個々であらたな道を切り開き、活躍している人もたくさんいると思う。ただ、ジェンダーの問題しかり、日本は世界の変化からも大きく取り残されている印象が拭えない(もちろん世界に誇れるところもあるだろうけれど)
    自分の見方が穿っているところも多分にあるだろうけれど
    、この本を読んで、改めてそんなことを考えさせられた。
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    投稿日:2022.07.06

  • 国立女性教育会館 女性教育情報センター

    国立女性教育会館 女性教育情報センター

    国立女性教育会館 女性教育情報センターOPACへ→https://winet2.nwec.go.jp/bunken/opac_link/bibid/BB11516410

    投稿日:2022.03.16

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