【感想】プエルトリコ行き477便

ジュリー・クラーク, 久賀美緒 / 二見文庫ザ・ミステリ・コレクション
(21件のレビュー)

総合評価:

平均 4.4
11
6
3
0
0

ブクログレビュー

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  • pedarun

    pedarun

    このレビューはネタバレを含みます

    【人間不信になる現実、でも誰かを信じたい】
    アメリカの小説、新鮮でした。

    各章短く、テンポよく、
    2人の女性、クレアとエヴァのシーンがほぼ交互に綴られる。

    プエルトリコゆきの477便のチケットを持ったクレア。
    搭乗前に、クレアとチケットを交換するエヴァ。
    失踪を試みる二人が交わった空港での出来事を起点に、
    エヴァのそれまでと、
    クレアのその後について、
    目が離せなくなる。

    登場人物があまり多くなくて、
    シーンが変わっても置いていかれずに読めた。

    人に助けてもらうこと、
    形跡を残すこと。
    信じること。

    生きると決めたなら避けられないのかも。
    どれだけ人間不信に陥っても。
    誰か信じられる人がいる世界であってほしい。
    弱っている時に漬け込む人。
    立場を濫用する人。
    心から手を差し伸べようとする人。
    分からないけど、自分は手を差し伸べる人でありたい。
    利害を超えた友情を大事にしたい。
    全ては流転する、けれど。
    あとたぶん、
    直感を高める。

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    投稿日:2024.05.11

  • kemukemu

    kemukemu

    逃げる二人は空港で行き先を交換した。
    そして片方の飛行機は墜落した……。

    物語は生き延びた一人が逃げ続ける様子と、もう一人の墜落事故の出来事が、交互にそれぞれの目線で描かれていく。

    近寄ってくる人を疑い、自分を諦める、どうしょうもない苦しさ。
    我慢するも逃げるも先が見えない苦しさと、「#MeToo」と声をあげるための覚悟が、自分のことのように伝わる。

    始まりからラストまで、ずっと緊張して読んでいた。
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    投稿日:2024.03.12

  • まく

    まく

    プエルトリコに行くクレアは夫の暴力と支配から逃れたかった。クレアに空港で声をかけたエヴァという女性は夫の安楽死を手伝ったのでオークランドに戻れば逮捕される可能性があるという。
    今の生活から逃れたいと思う2人は空港で航空券と身分を交換することに。
    クレアはオークランドへ。
    エヴァはプエルトリコへ。

    2人の女性のことが交互に綴られていく。

    クレアはオークランドに着いてから当初乗る予定だったプエルトリコ行き477便が墜落したことを知り、今後のことを模索する。
    エヴァは何者なのか、実は何から逃れたかったのかが段々と明らかになる。

    序盤から終始ハラハラするサスペンス。
    とても面白かった‼︎
    不安だらけの辛い状況のなかで出来た友情が救いとなり友の言葉が沁みる。
    自分らしく生きようと力強く勇気ある行動に大変励まされた。

    いい作品に出会えた。
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    投稿日:2024.02.05

  • ねもし

    ねもし

    このレビューはネタバレを含みます

    有名人の夫の暴力に悩み失踪計画を練ったクレアだったが直前で予定が変更になってしまった。混乱のなか、空港でエヴァと身分を交換した直後、交換した飛行機が墜落する。彼女は死んだこととなって生きていく、、

    クレア(1人称)と女性(3人称)の2視点から描かれる。精神的に追い詰められていくサスペンス要素と徐々に分かる真実、変わっていく展開が面白かった。

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    投稿日:2024.01.20

  • 真夏日和

    真夏日和

    読み終わって、そう、後書きまですべて読み終わっても、どきどきする本にたまに出合うことがあります。
    わたしにとって『プエルトリコ行き477便』はそういう本でした。

    登場人物はふたり。
    ひとりは上流階級に嫁ぎもうすぐ上院議員に立候補しようとしている夫に虐待されているクレア。
    もうひとりは薬の売人をしてひとりでひっそりと生きているエヴァ。
    ふたりの視点で交互にものがたりは進んでいきます。
    クレアの視点は現在進行形でクレアの語り。
    エヴァの視点は三人称でプエルトリコ行き477便に搭乗することになるまでの状況がえがかれている。
    過去と現在が語られることで相乗効果ってめちゃくちゃ上がることもあるんだな。
    過去回想は書き方としてよくないし損しているって前に言われたことがあるのです。
    過去回想でも回想でなく、進行形で書けばそんなことはちっとも気にならないんだと分かったのは良かった。

    クレア視点で語られるとクレアに肩入れしたくなるけど、私が好感を持ったのはエヴァと隣に引っ越してきたリズの関係でした。
    読み終わった今も、ふたりのことを考えると胸が熱くなるし、涙が出そうになります。
    単なる友情ってたぶんどこにでもあると思う。
    エヴァは薬物依存症の母親と、その面倒を見るために孫のことを見れないと祖父母に捨てられた過去があり、複雑な環境で生きてきたから誰にも頼らず誰にも心を開くことができずにいた。
    そんなエヴァのことを友だちだと言ってくれた年上のリズのことをわたしも好きにならずにいられない。
    本当の友だちはたぶん全然年齢とか境遇とか関係ないんです。
    もちろん、友だちが必要かどうかは自分で決めていいし、ひとりで強く生きていけるのはとってもいいことだとは思うけれど、クレアみたいに誰かが助けてくれる場合もあるかもしれない。
    エヴァがリズに会わなかったらきっとあんな風にしなかったとは思ったけど、エヴァは最後の最後で自分の判断をしたけれどそれでもひとりぼっちではなかったって思えたんだとわたしは思いたい。
    エヴァは間違ってなかったって言ってあげたい。
    クレアはエヴァのことをきっと忘れないし、リズもずっと友だちだから。
    泣きそうです、本当に。

    あと、著者インタビューもとてもいいのです。
    たくさんの人に読んでほしい本です。
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    投稿日:2023.08.16

  • pipi

    pipi

    このレビューはネタバレを含みます

    1/3読んで今のところ全然面白くない。
    だるい。こいつら何やってる?って感じ。
    ペトラとニコはどうした?死んだ?

    半分読んだ
    惰性
    全然面白くない刺さらないなんだこれ

    p.309
    まさか翻訳小説で"宴もたけなわ"のフレーズ聞くことになるとは

    最後はガーーーっとハマったけど結局エヴァは477便に乗って墜落死したの?
    クレアが見たクレアの服を着たエヴァっぽい人は結局エヴァじゃなかったって事?

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    投稿日:2023.07.17

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