【感想】ロング・アフタヌーン

葉真中顕 / 中央公論新社
(66件のレビュー)

総合評価:

平均 3.9
15
26
18
2
0

ブクログレビュー

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  • 本がないと生きられないです

    本がないと生きられないです

    題材、設定、構成がとても好き

    一気読み。個人的ヒット

    出版社勤務
    本を愛してやまない
    生き悩む女性たちが主人公
    男性性への疑問、人間の課題の根源
    彼らに都合良く作られた社会構造

    親友への思慕
    生の選択、自分で選び取ってきたこと自体の大切さ
    『それぞれの選択は思い描いた通りの結果を招かなかったかもしれない、でも、その場その場では切実に選んできたじゃないか。』

    自分の記憶を整理しているはずの夢、支離滅裂だったり悲しかったり幸せだったりアンコントローラブルなもう一つの世界

    親友自体がつくりあげられた物語だったとは…。
    『私たちの物語の始まりだけを切り取った夢。
    私たちは何度でも出会い、何度でも親友になれる』
    号泣

    フィクションの中に、これは自分のことだ、と
    心の底から思える言葉がある 文章がある
    『これは私の物語だ
    フィクションに触れた時時折訪れる、奇跡のような感覚』

    物語の力が魂を掴み、この世界に押しとどめる
    それくらいの力が、本には、確かにある。
    たくさんの世界に出会いたい
    本を読まない人生なんて、考えられない。
    そう改めて思わせてくれる本だった。
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    投稿日:2024.04.24

  • 南青山

    南青山

    冒頭短編エグく注意。物語全体のフェミニズム色がかなり強く男性読者は注意。様々なネタや手法が散りばめられているがこの物語の主題はラストシーンで語られている事だと感じた。

    投稿日:2024.01.04

  • トッチ

    トッチ

    出版社の小説部門で働いていた主人公。その時に小説を投稿してきた女性が、7年の月日を得て、再び主人公に小説を送るところから物語は始まります。

    その物語もとても興味深いというか、特殊というか。(なんでデビューさせなかったの?と言うぐらい、印象に残ります)

    テーマは、愛に負けるな!じゃないかなと思います。

    愛とは、いいものばかりではなく、押し付けがましい愛もあり。そんな愛に負けるな!ということなのかな?と思います。(この作家さん、テーマも分かりやすくて好きです)
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    投稿日:2023.12.29

  • ao-neko

    ao-neko

    編集者の梨帆に届いたのは、七年前に新人賞の最終候補に残ったものの、落選した志村多恵による新たな小説だった。「長い午後」というタイトルのその小説に、梨帆は引き込まれていく。そしてこの小説は事実を描いたものではないのか、という疑念が強まるなか、小説の主人公は大きな決断をすることになる。本好きは特に必読かもしれないミステリです。
    「長い午後」の主人公も、そして梨帆も自らの人生の選択に悩んでいます。いや、そもそも一度も悩まない人なんてないし、そのあとで「あの選択は正しかったのか」と後悔してしまうこともありがちなのでしょう。現状に満足できなくても、これで良かったのだと、自分は幸せなのだと自分自身に言い聞かせる……多少なりともそうして生きている人がほとんどなのじゃないのかなあ。そしてそのことに気づかず、自覚していない人の方が実は幸せなのかもしれません。だけど気づいてしまったら……そりゃもう戻れませんよね。自分に当てはめてみると、少しぞくっとしました。深く考えないようにしよう(苦笑)。
    出版を巡る状況も本好きにとっては興味深く、そして少し切ないところがあります。良い本と売れる本は違うとか、良い本でなくても売れる本がなくては出版が立ち行かないとか。それでも熱意のある書き手と編集者がいてくれることは、本好きにはとても心強いことです。
    ミステリ部分に関しては、終盤に至ってからの展開なのであまり触れないことにしますが。ぞくりとさせられると同時に、どこかしら清々しくも思えてしまいました。そう思えた時点で、読者ももう「共犯者」になってしまっているのかも。
    続きを読む

    投稿日:2023.12.17

  • ミステイク承知の助

    ミステイク承知の助

    作中作「犬を飼う」からの始まりにして、すでに不穏な雰囲気プンプンです。
    小説家志望の女と編集者の女2人の物語ですが、作中作「長い午後」がリアリティにあふれ、どんどん2人の人生にリンクし絡まっていく様は圧巻です。

    NANAのいちばん好きなシーンが出てきました。
    続きを読む

    投稿日:2023.12.06

  • ハルめめ

    ハルめめ

    以前新人賞で落選した志村多恵から編集者あて小説が送られてきた。作中作と編集者の過去が微妙にリンクしていく。スリルとかはあまり感じなかったけれど、多恵の中にある陰鬱とした男性に嫌悪にじわじわと侵食されそうな気がした。続きを読む

    投稿日:2023.11.07

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