【感想】全体主義の誘惑 オーウェル評論選

ジョージ・オーウェル, 照屋佳男 / 中央公論新社
(4件のレビュー)

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  • cei1234

    cei1234

    冷戦時代の遺物であるオーウェルの評論
    訳者の照屋佳男さんは全体主義と中共とLGBTとポリコレを批判するというなんだかよくわからない捻れた人ですね。ポリコレの押し付けを全体主義と匂わすって…… アメリカ(社会)は全体主義ってことですか?? 沖縄出身みたいだし戦争反対とか反米とかでないのかな? いや、よく知りませんが。中共となら戦争してもいいとか思ってそうです。戦争で日本国民(沖縄の離島の人)が死んでもいいんですか?
    正直台湾とかどうでもよくない?? ぶっちゃけてはっきり言っちゃいますけど。(台湾が)抵抗しなければ誰も死なないでしょう。まあ、アメリカ(とその金魚のフンの日本)が余計なことしなければいいですが…… 台湾人は漢民族で同胞ですし「解放」するだけです。
    それに中国(人民解放軍)が西太平洋を自由に航行できるようになるからなんなのでしょう? アメリカの都合であって日本にとってはどうでもよくないですか? 中国とは貿易や大陸での事業ができればいいし、勝手に太平洋で航行しててください。資源のない老人だらけで人口が減る一方の国なんかわざわざ侵略して支配する価値なんてないでしょう。観光に行けて爆買いできればそれでいいんじゃないんですか。あるいは日本の不動産に投資できたり。侵略しなくてもできますよね?
    批判しているウイグルに対する同化政策って…… マレー『西洋の自死』を読んでないんですか? 現地の国の言語・習俗に従うのは当然でしょう。高尚な政治哲学とかどうでもいいです。移民と土着の国民の違いはあれど同じことです。移民も定着して国民になりますから。
    清朝の伝統と違うって…… いつの話をしてるんですか? そういうのを守株って言うんですよ。アナクロニズムでは? そもそもちゃんと自治区ですよ。少数民族の多いところはみんな自治州だの自治県だのです。諸外国と比べても多民族国家としてむしろうまくやってる方です。中国にいるのはチベット族やウイグル族だけではありません。他の民族を無視しすぎです。(たまーにモンゴル族が話題になるくらい)まあ、プロパガンダなんだから当然ですが。
    ナシ族とかシボ族とかの人権侵害問題なんて聞いたことないですよね? (そう言えばチベット問題はどうなったんだろう? チベットの前はウイグルとか話題になったっけ? 急に問題が出てきたのですか? 次はモンゴル族あたりかな)
    批判のための言説が多すぎです。明らかに中立じゃないですよね? 中立なのは一部の現地調査・現地取材系の新書などくらいでは? 知性のあるはずの学者さんすら西洋の精神的に隷属してます。あるいはいまだに日本が上だと思いたい屈折した感情から来るのか。日本人は謙虚で礼儀正しい民族とは……
    日本じゃ分離主義にピンとこないかも知れませんが、
    アイヌが北海道をアイヌ民族自決の国家を!
    とか沖縄が琉球王国の再興を!
    とか言って独立しようとするようなものです。
    (ちょっと無理があるのはわかってます)
    そんなの日本政府だって弾圧すると思いますよ。
    中西龍也『中華と対話するイスラーム』でも読んでください。ヨーロッパのムスリム移民は中国のムスリムのような自らのアイデンティティを如何に現地と衝突せず確立するかの(思想的)努力なんてしてますか?
    ウイグル問題も含め中国の民族問題を知りたいなら王柯『多民族国家 中国』を熟読してください。他の本は読まなくていいです。
    あとは香港はもともと中国に返還されたれっきとした中国領であり、今も特別行政区で一国二制度は維持されています。台湾と同じように見るのは間違っていますし、はっきり言ってしまえばどう統治しようが中国の勝手であり、諸外国が口出しするのは内政干渉でしかありません。
    教皇不謬性があるのでカトリックは全体主義なんでしょうか?
    「ナショナリズムについての覚書」の以下の記述はよくわかりません。訳が悪いのか原文からしてよくわからないのか……
    「しかし、例えば、次のように論じたとしたら、すなわち愛国心はナショナリズムに対する予防接種であり、君主制は独裁制に対する防護物であり、伝統ある組織の宗教はすべて、迷信に対する防壁であると論じたとしたら、それはほぼ間違いなく妥当性を帯びるということになる――いやそれはほぼ間違いなく、真実であるということになる」
    p.88
    つまり、君主制?を肯定している?? (まあ、「君臨すれども統治せず」のイギリスの立憲君主制が念頭にあるのでしょう)というか私にはナショナリズムと愛国心、君主制と独裁制、伝統宗教と迷信の区別自体がよくわかりません。ほとんど紙一重では? それともこの部分は前後と合わせて真実とは言えないということを言いたいのか?
    正直オーウェルの評論は過去の時代の遺物としか思えませんでした。
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    投稿日:2022.08.05

  • hiro1548

    hiro1548

    こっちの読解力が足りないのか、どうにも分かりにくかったなぁ。時代背景もあって民主主義が全体主義に変質していくことへの警鐘に満ちている。そしてこの一冊が2021年に上梓されたのは、もちろん中国を牽制するためなんだろう。出版社の矜持と言えなくもないかな。続きを読む

    投稿日:2022.01.27

  • yasu-san

    yasu-san

    目 次
    まえがき
    一 書評:ヒットラー著『我が闘争』 ※
    二 聖職者特権――サルバドール・ダリについての覚書
    三 ナショナリズムについての覚書
    四 文学を阻むもの
    五 政治と英語
    六 なぜ書くか ※
    七 作家とリヴァイアサン
    八 書評:ジャン=ポール・サルトル著『反ユダヤ主義者の肖像』
    九 ガンジーについて思うこと
    あとがき
    https://www.chuko.co.jp/tanko/2021/11/005480.html
    https://chikusashobunkan.jimdofree.com/%E9%80%B1%E5%88%8A%E3%83%99%E3%82%B9%E3%83%8810/

    Yet the world of Nineteen Eighty-Four ended in 1989. Orwellian regimes persisted in a few remote countries, such as North Korea, and Communism survived in an attenuated form in China. But the three dragons against which George Orwell fought his good fight – European and especially British Imperialism; Fascism, whether Italian, German or Spanish; and Communism, not to be confused with the democratic socialism in which Orwell himself believed – these three were all either dead or mortally weakened. Forty years after his own painful and early death, Orwell had won.
    『1984』の世界は1989年に終わった。北朝鮮など一部の国ではオーウェル体制が存続し、中国では共産主義が弱体化して存続している。しかし、ジョージ・オーウェルが善戦した3匹のドラゴン、ヨーロッパ、特にイギリスの帝国主義、イタリア、ドイツ、スペインのファシズム、そしてオーウェル自身が信じていた民主社会主義と混同されてはならない共産主義は、いずれも死んだか致命的に弱体化していたのである。オーウェルは、自らの痛ましい早世から40年後、勝利を収めたのである。
                    ティモシー・ガートンアッシュ (2000年12月)
    https://www.amazon.co.jp/Orwell-Politics-Penguin-Classics-George/dp/0241417988/

    https://www.amazon.co.uk/Orwell-Collection-Critical-Essays-Century/dp/0136477011/

    Today, our political order faces new threats, not unlike the totalitarianism of the twentieth century. We are no wiser than the Europeans who saw democracy yield to fascism, Nazism, or communism. Our one advantage is that we might learn from their experience.
    今日、私たちの政治秩序は、20世紀の全体主義とは似ても似つかない新たな脅威に直面している。民主主義がファシズム、ナチズム、共産主義に屈するのを見たヨーロッパの人たちより、私たちは賢い、などと決して言えないだろう。アドバンテージがあるとすれば、彼らの経験から学ぶことができるかもしれない、ということだ。
    https://www.timothysnyder.org/
    続きを読む

    投稿日:2021.12.03

  • 中央公論新社

    中央公論新社

    いま改めアクチュアリティが増しているオーウェルの思考。世界が陥っている政治的窮境に一条の光を投ずる論考を精選し、新訳で送る。

    投稿日:2021.11.18

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