【感想】現代怪談考

吉田悠軌 / 晶文社
(3件のレビュー)

総合評価:

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ブクログレビュー

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  • アイ

    アイ

    内容はおおむね怪談に登場する「赤い女」を「子殺しの母」のイメージから読み解くもので、かなり個人的な読み解きに思えるパターンもあるが著者が自覚的なのでそれはそういうものとして読んだ。

    怪談に怪異として出てくる女はだいたい白か赤の服(特にワンピース)を着ているなあ(生きている女性はめったに着ないのに)、というのは薄々感じており、前者は死装束のイメージであろうが後者は何だろうと思っていたが、本書では姑獲鳥のイメージ、つまり出産時の出血という説明がなされていた。
    「子殺しの母」の恐怖的イメージについて語るにあたり、母性神話の女性に対する圧力等についても言及されており、現代的な姿勢で良いと思った。

    ちょっと面白かったのは、著者が黒髪に白服の幽霊を「空白」であると論じていた部分である。貞子の影響も指摘しつつ、黒ツブレと白トビになぞらえた新説は興味深かった。
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    投稿日:2024.01.25

  • book1574

    book1574

    「現代怪談」と「子殺し」の関係性を主軸に様々な関連を述べる本。ネットの怪談や実際に起きたポルターガイスト騒ぎ、人面犬や口裂け女など話題は多岐に渡りますが一つひとつを丁寧に取り扱い、実際に現地へ行き丹念に源流を辿る姿勢が伺えます。続きを読む

    投稿日:2022.03.29

  • knk6

    knk6

    常に主役は怪談で、怪談が映す現代の心の闇...とかではなく、怪談を考えるために「現代で一番怖いとされているものは、その理由は」と考えていく話なので安心して読めた。

    母性を極端に重んじている傾向から、現代では子供を殺したり死なせてしまうのが女性だった場合、特にそれが恐ろしいものとして語られるし、そういう話を語りたがってもいる、
    というのは結論ではなくて早々に示される出発点で、落ち着いた内容ながら作者の個人的な視線だと明記されているからか、「赤い服(あるいはこれから赤くなることを予感させる白い服)を着た大きな女」のまわりをぐるぐるまわっているような、独特の近さの感覚もあって良かった。最後は意外なくらい感動した。
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    投稿日:2022.02.15

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