【感想】きずなの兄弟と鎌倉殿 曽我物語

時海結以, 久織ちまき / 講談社青い鳥文庫
(5件のレビュー)

総合評価:

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ブクログレビュー

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  • あみゅん

    あみゅん

    源頼朝と同じ時代にこんなにもお互いを強く思い合った兄弟の存在があったのかと強く胸を打たれる思いがした。
    幼い頃から父の仇を思って成長してきた2人。
    兄の十郎と弟の五郎。この2人の人生を思うと心が痛くなってたまらなくなった。
    2人とも殺された父のためを思って工藤祐経(すけつね)を殺すために17年。
    今の時代では考えられないけれど、昔はこういった人生があちこちに転がっていたのだろうと思うと、とても悲しくなる。

    著者の言葉にあるように、曽我兄弟の命日である日に近い梅雨の降る強い雨を曽我の雨。または虎が雨とも呼ぶらしい。
    梅雨の時期にはこの曽我兄弟のことを思い出しては、この世では幸せになれなかった彼らの供養と思って祈ることを忘れないようにしたいと思った。
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    投稿日:2023.09.16

  • 淳水堂

    淳水堂

    2021年の大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の時代でもちょっと出てきた「曽我兄弟の仇討」の児童書。
    これが出版されていることはおびのりさんのレビューで知りました。ありがとうございます!

    江戸時代までは仇討ちはしないといけなかったことも関係するのか、歌舞伎や講談で庶民人気が高く「日本三大仇討」と呼ばれるものがある。
    時代順に、まずは本書で書かれる「曽我兄弟の仇討」。父を殺された曽我兄弟が富士の巻狩りで果たした父の仇討ち。
    次は「赤穂浪士」。浅野内匠頭の遺臣である赤穂浪士の吉良邸討入り。
    そして「伊賀上野の仇討ち」。渡辺数馬が、剣客荒木又右衛門の助太刀により弟の仇を討った。

    本書は、おそらく歌舞伎(見たことないので推測)をもとにしているのだろうか、曽我兄弟の生い立ちや思い、蘇我兄弟の風貌(兄は色白で思慮深い、弟はガッシリとして力強い)、恋愛話などが書かれている。

    始まりは伊豆の領地争いで伊東祐親(曽我兄弟の祖父)が娘婿の工藤祐経を追放したことから。工藤祐経は部下に伊東祐経と息子の河津三郎を襲わせ、河津三郎が死ぬ。河津三郎の妻は、幼い十郎と五郎を連れて蘇我太郎のもとに再嫁する。曽我兄弟は仇討ちを誓い合いながら鍛錬を進める。やがて十郎が22歳、五郎が20歳の時に仇討ちを遂げる。だが十郎は討たれて死に、五郎も斬首となる、というもの。

    歴史上では純粋な仇討にしては謎が多いらしく、1979年の大河ドラマ「草燃える」(頼朝:石坂浩二、政子:岩下志麻、北条義時:松平健)では「頼朝に対するクーデターでありもともとターゲットは頼朝だったが、そのクーデターに乗っかった鎌倉武士たちが口封じのため曽我兄弟を『仇討ちあっぱれ!』といって殺した」ということになっていた。「鎌倉殿の13人」でも頼朝に不満を持つ鎌倉武士たちの反乱という描き方でしたね。

    こちらの本は児童向けなので、父を殺された純粋無垢な幼い兄弟の真っ直ぐな思いや、死ぬと分かっていてもやらなければいけない運命や、愛する母や女性との別れをメインに書いています。大河ドラマを見ていた人たちには出てくる鎌倉武士達も俳優たちで思い浮かべやすそうですね。
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    投稿日:2023.02.06

  • 凹山

    凹山

    何百年間も日本人に親しまれてきたという曽我物語も、古文として取り組むのでないとしたら、今はこの本ぐらいしかないのでは。そう考えると貴重。古典芸能に親しむ人にもおすすめしたい。

    投稿日:2023.01.05

  • おびのり

    おびのり

    鎌倉駅から江ノ島あたり、曽我物語ゆかりの地を散策したので。
    伊豆の領地争いから、父親河津三郎を親戚縁者にあたる工藤祐経に暗殺された曽我兄弟。兄5歳、弟3歳。彼らは、幾たびかの苦難を乗り越えて、富士のすそ野の巻狩で、遂に仇を討つ。兄十郎22歳、弟五郎20歳。人生のほぼ全てを父親の仇討にかけて生きてきた。日本三大仇討。
    戦国時代の果てない怨讐の連鎖。工藤祐経は源頼朝の忠実な家臣であり、源頼朝は曽我兄弟の叔母との結婚を認められず、3歳だった息子千鶴丸を曽我兄弟の祖父に殺されている。戦国さんすくみ。

    脚色は、多いと思うけれど、兄は色白知的美少年、弟は色黒高身長熱血ワイルド、と対照的人物像に描かれている。今の小説でも使われそうな設定。
    仇討の時、箱根神社で刀を借りているのだけれど、それが今でも残されているらしい。
    5月28日が仇討の日で、ひどい雨の夜だった事から、“曽我の雨”が季語としてあるようです。

    ○実相寺 工藤祐経の屋敷跡
    ○由比ヶ浜 頼朝の命で幼い兄弟が斬首されそうになった浜。家臣達の懇願で免れる。


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    投稿日:2022.10.13

  • はる

    はる

    三大あだ討ちですが、全く内容、知りませんでした。伊東祐親にすべての原因があるのでは?なので知名度がないのかなあ

    投稿日:2022.02.28

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