【感想】矢野くんの普通の日々(3)

田村結衣 / コミックDAYS
(2件のレビュー)

総合評価:

平均 4.5
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ブクログレビュー

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  • 『黒犬』の優樹(2)

    『黒犬』の優樹(2)

    このレビューはネタバレを含みます

    尊い、これで体、心、魂を震わせたい時が、漫画読みにはあるだろう・・・ある、という前提で話を進めさせていただく。
    今、尊い、を体感できる漫画を、あまり漫画を読まない者に、三つ推せ、と求められたのならば、集英社系では『久保さんは僕を許さない』、小学館系では『古見さんはコミュ症です。』、そして、講談社からは、この『矢野くんの普通の日々』を自信を持って、なおかつ、漫画読みとしての矜持を示し、お勧めする。
    ぶっちゃけた話、この3つが絶対的に優れている訳じゃない。他にも、これらに匹敵する作品はある。ただ、漫画をあまり読まない人が入りやすく、なおかつ、買い求めやすい、それを考えると、大きい出版社から出ている作品の方がいいかもしれない、と私は考えた、それだけの話だ。
    この(3)は前巻よりも、尊い、が強烈で、ラブコメ漫画として、また一つ強くなってやがる、と戦慄を抱いた漫画読みは私だけじゃあるまい。恐らく、戦慄しない者は、そもそも、(1)を書店で手に取らないだろう。ファンとしちゃ、残念だ、とは思うが、バカにはしない。こういう好みは、どうしたってあるのだから、仕方ない、と割り切っている。
    やっと、矢野くんは、自分の中に吉田さんへの「好き」がある事を理解した訳なんだが、ここで、すんなりと、交際がスタートしないあたり、『矢野くんの普通の日々』らしいな、と妙な感心を覚えてしまった、私は。
    今度は、吉田さんが、真剣に、「付き合うとは何ぞ」と思考し、年下の恋愛マスターに助言を貰う事で、答えを得た。年下の少女の言葉で感銘を受ける辺り、吉田さんの恋愛レベルも、さほど高くない訳だが、ある意味、成長性を感じられる。
    紆余曲折を経て、初心者マーク全開のカップルになった矢野くんと吉田さん。
    それが意味するのは、羽柴くんの失恋が確定しかけてるって事。さすがに、完全にダメになった、なんて残酷な事を私には言えない。何故って、羽柴くんが良い奴だからだ。吉田さんへの恋愛感情と、矢野くんへの友情、この板挟みになっている状況は不憫で不遇だ。
    これから、羽柴くんは、矢野くんと吉田さんがカップルとして仲睦まじくなっていくのを、矢野くんの友達として、近くで見ていく事になるのか、それを考えると、胸が痛んで仕方ない。しかし、失恋は、色鮮やかな青春を形作るために必要だ、と三十路になってから強く思う。
    すぐにゃ、吉田さんへの「好き」は思い出に出来ないだろうし、矢野くんにも冷たい態度で接する事が出来ないだろう、羽柴くんの性格的に。だからこそ、無責任なのを承知で、こう励まそう、生きろ、と。
    とは言え、この作品のメインは、あくまで、矢野くん。果たして、天然女タラシが入っている矢野くんは、これから、どんな言動で、恋人である吉田さんと、観測者である私らをキュンキュンさせてくれるのか、楽しみにしている。

    この台詞を引用に選んだのは、吉田さんへの好感度がグンッと上がったものだったので。
    極端な言い方をすれば、恋愛感情ってのは、欲望だ。
    結局のとこ、欲望に、綺麗も汚いも無い。
    〇〇したい、××が欲しい、と望むのは、人間として当然だ。
    もちろん、人間であるならば、その欲望を自分でコントロールできなきゃいけない訳で、自分の欲望で他人を傷つけたり、他人から大事なモノを奪った時点で、もはや、人間ではない。
    まぁ、その辺りはさておき、やっと、吉田さんが、我儘を言ったなってトコが感慨深いって話である。
    矢野くんを好きになった事で、矢野くんとしたい事、矢野くんにしてほしい事が、次から次に溢れてきて、彼女自身もパニックになっている節はあるにしろ、その欲望と向き合ってこそ、恋愛だ。
    ルールや節度を守るのは当然、大事な事なんだけど、「好き」にブレーキをかけてしまっていては、アオハルがあっという間に過ぎ去ってしまう。
    使い古された表現だが、命短し恋せよ乙女、吉田さん、もっと、自分の欲望を解放して、矢野くんの生活を彩り豊かにしてあげて。
    それにしても、この吉田さんの全力告白に対する、矢野くんの笑顔が最高に可愛いんだが、え、マヂに、田村先生、私らの命を殺りに来てんのかな?
    「・・・・・・私、なんで、矢野くんと付き合いたいのかを、ずっと考えていたんだけど、やっとわかった。私、矢野くんと教室で隣に座れるだけで幸せだ、と思ってたけど、本当は学校以外の場所でも一緒にいたいし、休日も会いたくなったら、会いたい!ラインも・・・せっかく、交換してもらったのに、迷惑がられたら、どうしよう・・・とか考えてたら、結局、何も送れなくて、会話が『今後もよろしくお願いします。』で終わっちゃってるし・・・でも、これからは、そういう遠慮とかする必要ないくらい、矢野くんと怪我の手当て以外でも関わっていきたい!以上の理由から、ぜひお付き合いさせていただきたいです!」(by吉田清子)

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    投稿日:2022.12.18

  • ぽな

    ぽな

    矢野くんが斜め上いくこだから付き合う云々てのが難しい。主人公以外の恋模様もしっかり描かれてて学園ものとして楽しめる。

    投稿日:2022.09.18

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