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塩田武士 / 講談社文庫 (33件のレビュー)
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おびのり
私だって「存在のすべてを」を読みたい 読んで待ちます塩田さん、5作目 第40回吉川英治文学新人賞受賞 元新聞記者である作者が、報道媒体として終わりが近いとも思われる新聞での誤報と虚報による歪んだ情報…の対応を描く連作短編集。 誤報により人生を狂わされる人というストーリーは、とても好みです。また、元新聞記者の社会派小説なの?と言われようとも、突き進んでいただきたいと思っているですよ。 どうもプロローグ的な部分が足りなくて、話の流れに乗りにくい。エピローグ的部分が多すぎてまとまりがなくなってしまう。きっと、今、ステップアップ直前の作品で存在のすべてをでガツンとくると期待する。 「黒い依頼」 ひき逃げ事件の誤報と虚報によって被害者側の妻を傷つけてしまう記者 「共犯者」 サラ金問題の誤報により失職流転の人生を歩む女性。その誤報を出した記者との歪んだ関係。そして誤報の情報提供した元記者がその後を追う 「ゼロの影」 報道されない事件の裏側。その真実を知るも保身のため沈黙する元記者でもある新聞記者の妻 「Dの微笑」 視聴率のため報道番組での捏造。気づいた記者が記事として深い部分をネットであげようとする 「歪んだ波紋」 虚報捏造を企てているグループの存在が明らかになる(のかな)古く巨大な情報機関をアンインストールしようとしているとか。 ジャーナリストさん達のこれからの方向性を問うているのでしょうか。 この各タイトルが松本清張作品を意識しているとのこと。おしゃれだけど、チャレンジャーだなと思いました。 続きを読む
投稿日:2024.05.04
はるはる
世の中に毎日無数に流れている情報の正確性や危うさ。悪気なくSNSで自分も広めてしまうかも…と考えると怖かった。 話は難しい箇所も多くなかなか入り込めないうちに終わってしまった。
投稿日:2024.03.27
tikuo
新聞社近畿新報の記者である沢村は、上司の桐野から渡された特ダネのため、ひき逃げ事件の被害者の元へ向かった。そこで悲劇の被害者と思われる女性にカマをかけたところ、予想と異なる反応に動揺する。社に戻ると桐…野やその上司の中島の動きがおかしい…。 5人の新聞記者、元新聞記者達が、誤報もしくはもみ消された事件の真相を負うミステリ。短いアンソロジーのようで、その裏にある組織の存在が見え隠れする。 元新聞記者である作者の面目躍如という作品で、テレビ局や組合をネタにした話に比べるとやはり活き活きした筆致で読んでいて爽快。嫌な気分になりそうな話もそんなに気にならない勢いがこの本の醍醐味。 一方で、その勢いが良すぎるのが災いして、近畿新報、大日新聞など、足場が変わっているがその関係が素人読者にはわかりにくいという欠点が有る。 それぞれの話自体は新聞社のシステムが分かっていなくても読める、わかりやすい事件物というところで、やはり書きたかったのは2本目の自殺した元同僚の話なのだろう。 ところで、表題作となる最後の作品で、忘れていたような話が蒸し返されるのだが、フェイクニュースグループは、必要だったんだろうか?まあそれがないと最後の作品は成り立たない…かなあ?個人の恨みなんかでも話はできていたように感じるので、無理にねじ込まなくても良かったかなとは思える。 それでも、塩田武士の作品の中でもおすすめ。最後の終わり方も良かった。良かっただけに、フェイクニュースグループ必要だったかね…。結局そこが引っかかる。続きを読む
投稿日:2024.01.22
kissarmy0814
2023.12.03 ネット社会で「書かれる」ことの怖さを感じる一冊。みな、自分は安全地帯にいてネットの情報を消費しているが、自分が消費される素材になる怖さを考えたことはない。考えたら何もできないとい…うことか。続きを読む
投稿日:2023.12.03
ふくたろうのメモ
マスメディアに対する考え? 情報自体を信用させないようにさせる団体達がいる!→自分で情報をよく選ぶ、考えることが大事 ということを伝えたかったのかな? メッセージ性が強くて私には少し難しかった、、 … 情報は必ず誰かのフィルター、思いが入ってしまうもの、受け取る方もまた同じ。 続きを読む
投稿日:2023.10.23
いちご
記者魂短編集、ちょい難しかった。 「誤報」にまつわる5つの物語。新聞、テレビ、週刊誌、ネットメディア―昭和が終わり、平成も終わる。気づけば私たちは、リアルもフェイクも混じった膨大な情報に囲まれていた…。その混沌につけ込み、真実を歪ませて「革命」を企む“わるいやつら”が、この国で蠢いている。松本清張は「戦争」を背負って昭和を描いた。塩田武士は「情報」を背負い、平成と未来を描く。全日本人必読。背筋も凍る世界が見えてくる。続きを読む
投稿日:2023.09.04
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