【感想】ペイント

イ・ヒヨン, 小山内園子 / イースト・プレス
(15件のレビュー)

総合評価:

平均 3.2
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6
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ブクログレビュー

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  • 羊さん

    羊さん

    親に望まれない子どもを国家で引き取り育て、ある一定の年齢になったら、子どもを望む夫婦と子どもを引き合わせる、という国家プロジェクトの存在する時代。親とのマッチングがうまくいかなくても、20歳になったら施設をでなくてはならない。マッチングできなかった施設出身の子どもは、偏見の目で見られるという。そんな社会が舞台。

    親になるとはどういうことか、親子とは何なのかを考えさせる。とはいえ、良かったと思えないのはなぜか?
    カズオ・イシグロの「わたしを離さないで」のような感動を期待していたからか?ちょっと(はるかに?)およばないかな。
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    投稿日:2024.02.18

  • ネムネムプリン

    ネムネムプリン

    親を選べるこども
    いままで親を選べないことが当たり前だった
    でも施設出身であることを隠して、普通のこどものように振る舞う
    例えばもし友達に施設出身の子がいたら、一度も可哀想だと思わず同情せずにいられるのかな
    例えばいい子だけど施設出身の子が犯罪を犯したらどこかで受け入れる自分がいて
    でも親元で育った子が犯罪を犯したら、なんであんなにいい子が…と思うだろう
    人間は思ったよりも偏見にまみれている
    ひどい親元で育った人も描かれていて、みんなそんな当たりの親元で育てるわけないかあ、と当たり前のことを思った
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    投稿日:2023.09.01

  • kana000

    kana000

    人が子供を持たなくなった社会で国の管理下におかれる親のいない子供たち。
    13歳以上のこどもたちが養子となる権利を持つ。国の補助を受けつつ
    親になることを希望する夫婦はこどもを引き取ることができる。
    度も面接を重ね、彼らを親にするか、選ぶのはこどもたちだ。
    SFめいた話かと思いきや、想像できる近未来のよう。

    施設長をはじめ、こどもたちを管理する大人たちが
    いい人すぎる一方で、親になる面接を望む外の世界の大人たちが
    利己的にうつる。

    親も完璧ではないし、生きていくかぎり100%幸せでリスクゼロの状態なんて
    ない。人間同士だから、その日の気分で衝突することだってある。
    そこに血は関係ないように思う。日々の暮らしをともにし、
    顔をあわせて、空間を生きる。お互いを補いあって、支え合って
    家族になっていく。
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    投稿日:2023.06.17

  • 680104

    680104

    分かりやすかったが… なんか、創作教室の生徒の作品みたい。プロのレベルに達していないというか。深みもなく、個性もなく、ひねりもきいていない。なぜこの本が高く評価され中学校の推薦図書?になっているのか?疑問。続きを読む

    投稿日:2023.06.07

  • akikobb

    akikobb

     舞台は近未来の韓国。少子化問題の深刻化の行き着いた先、ここでは何らかの事情で生みの親に育てられなかった子どもたちを国家が育てる、NC(ナショナル・チルドレン)センターという施設が全国的に機能している。センターの子どもたちは、十三歳になると、父母面接を重ねて親を選ぶ権利を持つ。家族になることが決まれば施設を出ることができ、そのときNC出身であるという記録は抹消される。二十歳までに親が決まらない場合、保護者の無いNC出身者として社会に出ていくことになるが、NC出身者への差別は根深い。
     タイトルになっている「ペイント」とは、父母面接=ペアレンツ・インタビューを縮めた非公式の呼称。「ペイントする」とは父母面接をしにいくことを指すが、過去を塗り潰すことや、未来を希望の色で描くことをも表しているのかもしれない…。主人公は、ひとりそんな思索をすることもある、冷静で大人びた雰囲気の十七歳の少年。
     ちょっと粗削りと感じるところもあったが、問題提起はたくさんあった。実は、韓国の小説を読むのはこれが初めて。訳者の小山内園子さんによる、ラジオ番組での紹介がきっかけで読んだ。
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    投稿日:2023.05.02

  • ちひろーる

    ちひろーる

    ヤングアダルト向けの作品。
    何もわからず読んでいて、何となく中学生くらいの子向けに書かれている作品かな?って思っていたらあとがきに"韓国では中学校で必読書になっている"と書かれていました。
    教訓じみた事は書かれていなくて、「理想の親子関係」であったり「差別」のことについて考えさせられる1冊でした。

    この作品と同じように、もし少子化対策として日本でも実の親が我が子を育てたくないとなったときに政府が子供を引き取って養育するという対策をとったらいずれは国が、国の理想とする人を育てることができちゃうんじゃないか、と。なんか対策のようだけど、そうなってしまうと何かが違うなって思いました。
    続きを読む

    投稿日:2023.04.08

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