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舞城王太郎 / 講談社文庫 (12件のレビュー)
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総合評価:
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namu
3つの話はどれも面白かった。 特にトロフィーワイフが面白かった。 「人はどんな状況でもある程度は幸せになる」っていうのは確かにそうだなって思った。その人がいないとダメだとか、その人がいるから特別幸せな…んだっていうわけではないということがわかった。 読み終わって、自分はその人とって特別じゃないんだって思う反面、相手の人に対しても、この人じゃないとダメだって思わなくてもいいんだっていう安心感?みたいなのがあった。 とりあえず、言語化できないと思ってた気持ちをこの小説で明らかにすることができたし、理解することができた。続きを読む
投稿日:2023.10.25
まかろに
家族に関して描かれた3篇の小説集。 簡単に関係を断ち切れない『家族』がテーマだからか、たくさん考えさせられたし文章が重く響いた。特に『ドナドナ不要論』は、自分の今の年齢や家族構成に近いキャラクターの話…だったので身近に感じたし共感しやすかったと思う。 親やきょうだいは選べないし、配偶者選びだって正解は誰にもわからない。家族を愛し自分が置かれた環境でもがくしかない。私はとても好きだったけど、読む人によってはとんでもなく苦しい小説ではないかと思った。続きを読む
投稿日:2023.08.27
きりしき
3作品とも舞城作品の中でもかなり上位の完成度。 どの物語の主人公たちも試行錯誤してたまに思い直したりを重ねながら"自分の本質"や"本意"にせまろうとしていく。そして、その果てに高度な言語化や行動化を行…う姿はまるでドストエフスキーの登場人物たちみたいだ。そういった"純粋性の探求"は舞城作品ではかなり頻発するテーマ、と言うよりも作家性と言うべきものかもしれないが、本作ではその結末に"この部分は考えたけどよくわからん"というのが見つかる。そして、それを"これ以上は解き明かせないもの"として受け入れることを選択するという意味で、さらに一段上の純粋性に到達していると言え、その誠実さに打ち震える。続きを読む
投稿日:2023.07.24
チェリコ
このレビューはネタバレを含みます
「愛」「哀しい・悲しい」という言葉の解釈を解釈にしては長い物語に載せて著している 舞城さんがこれらの言葉の意味をどのように噛み砕いて再構築しているのかがよくわかる作品。興味深かった。 『トロフィーワイフ』 愛情の捉え方の違い あたかも善いように振る舞っている人の言動が受け手にとっては苦しいことなのかもしれない。しかし、拒絶する理由が明確にないことからその人の善意ありきの行動に染まった生活に沈んでいってしまう。 『ドナドナ不要論』 「悲しい」「哀しい」という言葉は一体どのような状況のことを表すのか。「ドナドナ」というかなしいと感じる曲をあえて聴く(自らかなしい思いをする)のはなぜかということについて、過去のかなしさはどんなことをしても取り返しがつかない。しかし、その出来事は全てが「悪い」でまとめられることではない。「かなしい」とは要らないけど悪いものではない。だからこそ、主体的にかなしみを感じる行為をすることがあるのだ。
投稿日:2023.03.05
さとり
色々な家族の形を描いている作品。 一番印象的な作品だったトロフィーワイフは、棚ちゃんの狂気的な様子がすっごく怖かった。3話とも絶妙に重い話で普段の幸せな生活も色んな要素が重なり合って成り立ってるけど、…一歩踏み間違えたら違う方向に進みかねないってい危うさを孕んでると感じた作品でした。続きを読む
投稿日:2022.12.06
ASHITAKA
トロフィーワイフ p38 「そういう話のスジ。人は自分の選んだもの、取り替えのきかないものを肯定的に捉えるようになる」 「自分のものだから、じゃなくて、自分のものになった瞬間に、世界観と価値観を変えて、ってことです」」 されど私の可愛い檸檬 p213 四方田さんはただ俺の人生から出て行く。 甘くない酸っぱい檸檬。 相変わらずの舌戦で楽しく読了。
投稿日:2022.10.25
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