【感想】中世イタリアの都市と商人

清水廣一郎, 池上俊一 / 講談社学術文庫
(3件のレビュー)

総合評価:

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ブクログレビュー

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  • めろんぱんだ

    めろんぱんだ

    このレビューはネタバレを含みます

    地中海貿易は、各地の商人が頻繁に商売先の地へ赴き売買をしていると思っていたが、そこには使用する船の形や力関係が存在することを知った。
    船に乗る商人たちは物資が奪われぬよう、また力関係によって相手との格差が生まれる話の箇所がとても興味深かった。
    海賊にもまた略奪のイメージを持っていたが、実際は商人が海賊の一面を持っているというところは意外であった。

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    投稿日:2023.05.31

  • えぃあぃ

    えぃあぃ

    このレビューはネタバレを含みます

    貿易船についての解説のくだりが、一番面白かった。蒸気船がない時代の船舶による貿易の大変さと、それがあるにもかかわらず新たな物品や知識を求めて海へと進み出た人々の思いを想像することができて楽しい。
    北ヨーロッパの毛織物産業については世界史の教科書にでてきたけれど、それとイタリア港湾都市での貿易の関係が語られているのも興味深かった。明礬が毛織物産業に不可欠だというのは初めて知った。

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    投稿日:2022.05.02

  • 重度積読症

    重度積読症

     本書は、著者晩年の研究成果のエッセンスを取りまとめた論考が収められている。「遺稿」と記された学会報告を書き起こした途中稿が最後に収録されており、もう少し著者の文章を読みたかったとの思いを強くする。

     中世イタリアの海上商人と海賊が結び付いたものであったこと、ガレー船の形態と大型化の歴史、イタリア中世都市の有り様と市民・非市民の関係、職人や労働者の移動状況、文書から見える公証人の活動や役割等が論じられる。
     最後に、都市にまつわる研究史、研究状況の現在が語られる。北ヨーロッパ都市に対する南ヨーロッパ都市、都市と農村の関係、こうした点について著者ならではの整理、分析がなされている。

     小著ではあるが、興味深い視点、論点がたくさん含まれている好著だと思う。
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    投稿日:2021.11.01

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