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藤屋いずこ, 古波萩子, ダンミル / コロナ・コミックス (1件のレビュー)
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clamamus
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近未来世界で、片田舎に住む少年・征司がVRMMOゲームを通じて様々な出会いを得ていく物語の第一巻である。 住む山村の人口の半分はアンドロイドとロボットという環境もあり、人見知りに育った主人公が自分を変えたいと手に取ったのがネトゲの世界。 それも、インディーズの悪評の立った過疎ゲー「プラネット イントルーダー・ジ エンシェント」なんてゲームを購入したのだから、これは大変。 この一巻からして変態系迷惑キャラからマナー連呼厨など、様々なネトゲの洗礼を浴びる有様である。 その一方で、同じく人見知り気味な女の子キャラ・和泉との出会いもあり、正統派のボーイミーツガールの気配も漂う一巻である。 ネット小説を原作とした本作はほんわかしたネトゲプレイが魅力の作品だが、そのほんわか感やキャラの愛らしがよく出たコミカライズである。 特に主人公のツカサ(プレイヤー名)の可愛らしさは卓出している。 この作品はどちらかというと女性にこそ向いていると思うが(原作者さんも漫画家さんも女性だろうし)、そういった層にターゲティングできているかはちょっとよくわからない。 漫画として見たときに、上手いのが3話だろう。 ゲーム内のプレイヤーの一人であるルート視点で物語を展開し、掲示板パートの小ネタを見事に漫画へと昇華している。 処されたガーリックスが具体的に描写されているのも、ヘイトコントロールとして見て素晴らしかった。 これからも掲示板回のために他のプレイヤーにスポットが当たると思うと、期待したい回し方である。 今巻の評価は、シリーズとしての期待値も抜きにして文句なしに星五つである。 期待値と、あと描き下ろしマンガや原作者書き下ろしの小説「「明星杖曰く」と語りたい!」なども加味すると、星八つ程度で評価したいところだ。 書き下ろし小説ではガーリックスのロットミス詐欺事件が詳述されていて、ミントの因縁が明らかになっている。 この辺は原作読者も参照すべき内容だと思うので、併せてお勧めしておきたい。
投稿日:2021.12.20
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