【感想】逃亡者の社会学――アメリカの都市に生きる黒人たち

アリス・ゴッフマン, 二文字屋脩, 岸下卓史 / 亜紀書房
(3件のレビュー)

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  • gakudaiprof

    gakudaiprof

    社会学者のゴッフマンとの理論的なつながりの説明はない。フィラデルフィアの黒人地区にフィールドワークに入って、抗争に巻き込まれて終わるまでの話である。しかし、付き合っていた男性が殺された男性の仇をうとうとしていたので、自分も撃たれる危険はある。フィールドワークがこれ程大変ということを自覚させるような話である。付録でフィールドワークの方法を示しているのかと思ったら全く違う。
     危険と隣合わせのフィールドワークであり、今までの研究ではそれを書かなかっただけなのかもしれない。
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    投稿日:2021.10.05

  • hisamo99

    hisamo99

    フィラデルフィアの黒人貧困層が居住する地区をフィールドとして、刑事司法システムが黒人若年層とその親族に与える影響を分析した本。

    犯罪や麻薬が蔓延する環境で、未決令状や保護観察中の遵守事項違反などで逮捕・勾留を回避するため、刑事司法システムを避けようとする若者。刑事司法システムが更正に向かわせるのではなく、状況を悪化させる悪循環。

    かなり異なる世界のように思えた。

    また若者は刑事司法システムを回避するだけではなく抗争から身の安全を守るために活用するという複雑さ。
    さらに親族、パートナー、友人などとの社会関係も複雑。逃亡に協力したり、警察に協力したり(警察からの脅しにより協力せざるをえなかったり)。

    同じ地区でも犯罪等に関与せず刑事司法システムに関わらない人もいて、本書の対象になっている若者との違いが気になった。同じ環境で生まれ育って、何が原因で違いが出るのか。

    この研究は筆者が長年黒人コミュニティ入り込んでおこなわれたもの。真似できない、すごいと思った。付録には、参与観察を行うなかで著者が抱えた苦悩等が書かれている。
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    投稿日:2021.08.12

  • モラリス

    モラリス

    朝日新聞2021515掲載 評者:生井英考(元立教大学社会学研究科教授,アメリカ研究)
    読売新聞202181掲載 評者:小川さやか(立命館大学大学院先端総合学術研究科教授,アフリカ地域研究,「チェンキンマンション~」著者)
    日経新聞2022108掲載 評者:小熊英二(慶応義塾大学総合政策学部歴史社会学教授,日本史,社会学)
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    投稿日:2021.08.07

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