【感想】宝島(下)

真藤順丈 / 講談社文庫
(26件のレビュー)

総合評価:

平均 3.7
6
7
9
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ブクログレビュー

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  • さち

    さち

    面白かった。本当に、胸が熱くなる。
    沖縄という土地で生まれ、暮らす人々の、アメリカと本土に制圧されているからこその悔しさとか辛さとか、自分たちの島を守りたい気持ちとか、一体感とか、とにかくすごい熱量が伝わってきてとても良かった。語りが良い。(ハイサーイ!)
    最後の最後に明かされる、オンちゃんが嘉手納基地で手に入れた「戦果」に驚かされたし、点と点が繋がりすぎて震えた。グスク、レイ、ヤマコ、それぞれは警察、テロリスト、教員となり、それぞれの人生を歩む。
    最後にタイトルの意味もしっかり感じることができる。戦果アギヤーの戦果は、戻ってきている命だし、この大地と海と自然すべてと、目の前の友人とかつての恋人と、同じ目標に向かって進む同士と、沖縄を駆ける風と、空と。沖縄という土地をより好きになれる。日本の宝だと思える、だからこそ米兵が起こす事件や、日本本土にないがしろにされているような描写が悔しい。当時沖縄で住んでいた人たちはもっと悔しかったろう。それでも誇りを捨てずに、共闘して立ちあがろうとした民間人たちの熱さにやっぱり泣ける。
    立ち上がれ!!みたいな気持ちがどんどん伝わってきて、グッと力を入れてしまう場面がたくさんあった。
    感想を全然言語化できなくて悔しい。アツい、しか言えない。でもとにかくアツい。誇りを。
    うちなんちゅー大好き、あきさみよう!!!!
    ウタが沖縄の地で、いろんな幸せに触れられてよかった。世界は愛すべきもので溢れている。あきさみよう!!!!!
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    投稿日:2024.04.09

  • bs_yasagure

    bs_yasagure

    失われたものは取り戻すー。そんな叫びが聞こえるようなクライマックスの暴動の場面には、これまで世界各地で見てきた市民と権力との衝突と、人権を踏みにじられてきた無名の人々の痛みが重なるようであった。題名の「宝島」の宝とは、有名な沖縄のあの言葉にその答えがあり、それがあってこそ、美しさと人々の幸せを願われるものであると感じた。続きを読む

    投稿日:2024.04.07

  • ラーメンやきにくすし

    ラーメンやきにくすし

    沖縄の戦後から本土復帰までを題材にした小説。
    戦果アギヤーや沖縄の人たちが米軍、日本本土に対して抱いていた感情などこれまで知らなかったことをたくさん学ぶことができた。先が読めない展開が続き悲しい出来事も多々起きたが、オンちゃんが残したものが何だったのか、なぜ「宝島」というタイトルなのかを最後まで読むことで理解することができた。この小説を通して個人的に大好きな沖縄の過去を部分的にでも学んだことで、今私達が沖縄を楽しめることに感謝しなければならないと感じた。続きを読む

    投稿日:2024.02.11

  • Kazz

    Kazz

    このレビューはネタバレを含みます

    戦後混乱期の沖縄の若者の物語。
    戦後の沖縄で、あまりにも物資、食料が不足したため、米軍基地に侵入してこれらを持ち出す集団が多数存在したようだ。その中ではその後警官になったもの、ゴロツキになったもの、教員兼沖縄開放活動家になったものを中心に描かれている。

    沖縄語を多用して当時の沖縄の雰囲気を出そうとしているようだが、かなり読みづらいと感じる。また米軍と県民の間でかなり過激な殺し合いをしたことが描かれているが、本当にこのようなことがあったのだろうか?この点は現実味が感じられなかったが。

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    投稿日:2024.01.08

  • knkt09222

    knkt09222

    このレビューはネタバレを含みます

    「宝島 HERO’s ISLAND」。
    文庫で上下巻。
    コザが舞台の中心になる小説を読むのは、池澤夏樹「カデナ」に続いて2冊目。
    時代的にも近いので、互いの理解が進んだ。
    20年のスパンの物語なので、人も変われば時代も変わる。
    Bob Dylan「Blowin' in the Wind」……。
    本格ミステリとは違うが、いわゆる謎の引っ張りと、その真実が明かされる構成も、いい。
    が、もっともいいと思ったのは、地の文の語り手が、土地の語り部、というところ。
    口調はのんきだが、厳しい現実を見聞きしてきたことがわかる、ゆんたく。
    語り部が、いわばカメラを当てるように視点人物(主に3人)に憑依して、語るのだ。
    うがひゃあ! あきさみよう! たっぴらかすよ! かしまさんど! とか、言葉がいちいち上等ですね。

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    投稿日:2023.11.14

  • factory2009

    factory2009

    後半の疾走感はよかったが、最後は少し悲しい話になった。
    ウタは三才で一人で洞窟(ガマ)で生きたのか···
    上巻同様、この本読んで軽い気持ちで沖縄へ行けない。

    投稿日:2023.10.27

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