【感想】戦百景 長篠の戦い

矢野隆 / 講談社文庫
(2件のレビュー)

総合評価:

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ブクログレビュー

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  • Ryohei

    Ryohei

     大河ドラマでも取り上げられていた著名な長篠合戦。武田側、徳川側の両側面から細かく描かれており、特に武田軍の内部紛争に近い様相が非常に面白かった。ただ、過去の矢野氏の作品と比べると、彼らしい戦いの疾走感や苛烈さが薄かった。鳥居強右衛門のエピソードなどは虚実をうまく混ぜながら物語性が高く描かれるかと思ったが、驚きは少なく凡庸という印象。
     武田勝頼が長篠合戦後もしぶとく織田・徳川に食らいつき、最大版図を拡大していくという点に勝頼の武将としての優秀さが窺える。ただ能力が高いからこそ、信長や信玄の奇抜性に憧れ、勝負をかけてしまったのではないかと思う。一方で四天王の3将が欠けたことが武田滅亡の要因と語られがちだが、生きていたらもっと早く滅亡していたのではないかと本作を読んで感じた。武田のような分権の支配体制より織田のようなワンマン軍の方がこの時代にはあっていて、勝頼が才能を発揮できたからこそ滅亡までの数年を生き続けられたのではないか。
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    投稿日:2023.09.30

  • まいつき

    まいつき

    碌章・馬場信春に感涙。

    「長篠の戦い」決戦前夜。武田家宿老の馬場、内藤、山県が酒を酌み交わし、今後について各々誓う場面なのですが、これがいい。
    彼らの決意が報われることがない、というのを知っているだけに胸をうつものがあります。

    やはり、決意と覚悟はいいものです。
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    投稿日:2021.12.14

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