【感想】少女架刑 吉村昭自選初期短篇集I

吉村昭 / 中公文庫
(7件のレビュー)

総合評価:

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ブクログレビュー

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  • ふち

    ふち

    吉村昭の初期の作品。歴史小説やノンフィクションといったイメージが強い筆者だが、この短編集は文学作品と言える。全七話に共通するのは、濃い死の匂い。なまじのホラー小説より恐ろしいかもしれない。

    投稿日:2021.11.01

  • ofellabuta

    ofellabuta

    吉村昭の自薦初期短編集を2分冊にして文庫化したもの。
    ネットで久しぶりに「少女架刑」の名を目にして読み直したくなり購入。
    表題の「少女架刑」は1959年に発表された短編で、若くして死んだ少女が病院に検体され解剖され骨となっていく過程を死んだ少女の一人称のモノローグで淡々と語られていくというもの。
    他の短編もそうだが何れも死が題材だが、描かれるその死は非常に即物的で、一切の感情のない「死=死体」でしかないような死。まだ深沢七郎の方が死に対するセンチメンタリズムを感じるぐらい。
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    投稿日:2021.05.05

  • 橘

    淡々と、出来事と人々を観察するように描かれていました。
    表題作と「死体」「喪服の夏」が好きです。
    逃れられない貧しさや家の柵。逃げ出してる女性もいたけれど、我慢して虐げられているのが、時代といえば時代だったのかな。読んでいて辛かったです。
    「喪服の夏」のおばあちゃんの最期の決意、胸にくるものがありました。それまでやってきたことから、この人物は好きではないけれど。
    「少女架刑」で、献体の料金(?)が安かったからと母親が遺骨を引き取らないのも酷い話だけど、その後の納骨堂の描写で、ああこういう家庭多かったのかな…って感じるのも悲惨です。亡くなって死体になってる女の子の目線で物語が語られるの、乙一さんでもあったけどこっちも凄まじかったです。
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    投稿日:2021.04.04

  • はれ

    はれ

    すごい、の一言。ここまで詳細に解剖を表現できるのか。想像ではなく、細かい調査によるものだろうが、それを客観的に眺める魂の怖さが半端ない。

    投稿日:2021.03.28

  • 中央公論新社

    中央公論新社

    歴史小説で知られる著者の文学的原点を示す初期作品集(全二巻)。「鉄橋」「星と葬礼」等一九五二年から六〇年までの七編とエッセイ「遠い道程」を収録。

    投稿日:2019.03.11

  • shigenobu

    shigenobu

    吉村昭さんといえば、膨大な資料を基に綿密な背景と共にストーリーが進んでいくイメージが強かったけれど、初期短編集では死と隣り合わせた小品が七編。
    氏が肺の病で病床にいたことから、身体についての描写が細かい事に気付いた。この傾向は後々にも引き継がれていて、興味深い。続きを読む

    投稿日:2018.12.02

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