【感想】交換された花嫁

このレビューはネタバレを含みます

表紙と粗筋から想定していた話とは全く違って非常に驚いた。
確かに「予想外」ではあったけれども、粗筋にあるドキドキラブファンタジーを想像していたら痛い目に遭う。
完全にドロドロの愛憎系である。
表紙と粗筋だけでこの展開を予想できたなら、それはもう超能力レベルでは。

何しろ登場人物紹介にあるキャラの殆どが多かれ少なかれ病んでいる。
主人公のアルレットが辛うじてその程度が軽いには軽いが、そもそも彼女の気持ちが二人のヒーローの間で定まらないので（途中から定まってはいたようだが、読者側に開示されない）こちらもどちらに肩入れしていいのか分からないと言う。
そういう意味ではドキドキさせられた。

騒動の発端になったワガママ妹は、発端を作っただけで、彼女へのざまあ展開はなし。
そのざまあ展開は、ヒーローのうちの一方が被ることになる。
いや、本当に予想外。
まあ確かに彼がやらかしたことは色々と問題はあったけど。
鎖とか出てくるし。
そんな彼を病むまで愛したキャラもやばいけど。
かといって、勝ち組になったもう一方のヒーローも完全に病んでいるし。
ま、まともな人間をおくれ。
（騎士団の関係者がまともと言えばまとも）

確かに思い思われたカップルが結果的に結ばれて終了なのだが、果たしてこれがハッピーエンドかと問われると悩ましい。
ビターエンドというか、病みエンドというか。
それまでの展開のドロドロが非常にドロドロしすぎて、エンディングを迎えてもすっきりしないのだ。
相殺しきれない。
好きな人は好きな系統の話だと思うが、表紙と粗筋から勘違いして読んだ人がショック受けそうな気がする。
あらゆる意味で「予想外」な展開がお好きな人はどうぞお試しあれ。

レビューの続きを読む