【感想】ファーウェイ 強さの秘密 任正非の経営哲学36の言葉

ドンビン, 光吉さくら, 楠木建 / 日本実業出版社
(4件のレビュー)

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  • aoi-book

    aoi-book

    経営論として大変興味深い。第一線がリソースを要求して戦力を投下していくスタイルらしい。「本社」という言い方をせず「事務所」という呼称を使うところにも哲学が感じられる。エリクソンなどの通信業界の巨神をいまや追い越したファーウェイがこれから何を生み出していくのか楽しみだ。各国の文化を意識して様々な研究所を作っているらしい。フランスでは美学、日本では応用材料、アメリカではソフトウェアアーキテクチャなど。これからも何かと凄い企業になりそう。続きを読む

    投稿日:2021.12.04

  • Shota

    Shota

    【印象に残った話】
    ・ファーウェイの成長の原動力は顧客第一主義、現場主義だ
    ・顧客第一主義を浸透させるため、下記の事例のような恥を動機付けの材料として人を動かしている
     ・トップが新年のメッセージに顧客企業のクレームを展開
     ・研究者を体育館に集め不良品の基盤を展示
    ・現場主義を浸透させるため、下記の事例のような権限を現場に与え、動機付けしている
     ・本社マネージャーより現場マネージャーの報酬を高く設定
     ・現場の若手でも、顧客の要望に起因する内容であれば幹部にいつでも電話一本で交渉することができる
    【考えたこと】
    ・恥やプライドを刺激するやり方は、優秀でプライドの高い社員の多い企業では有効
    ・自己批判が多すぎると、それはそれで逆にモチベーションが下がるのではないか
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    投稿日:2021.05.12

  • だまし売りNo

    だまし売りNo

    ファーウェイ(華為技術有限公司、Huawei Technologies Co., Ltd.)の強さに迫った書籍である。ファーウェイは世界最大の通信機器メーカーである。その強みは公務員組織の真逆にある。
    任正非が創業者でCEOである。その経営哲学は「以客戸為中心、以奮闘者為本」(顧客第一主義、奮闘者が基礎)である。この建前は昭和の日本企業のモットーにもありそうである。ファーウェイの場合は制度的な内実を伴っている。
    ファーウェイの本社は深センになるが、そこを本社と呼ぶことを禁止し、事務所と呼ぶ。本社の人間が偉い訳ではない。内部スタッフのマネジャーより、現場のマネジャーの役職を上にしている。社内政治に現を抜かす公務員的存在は不要である。
    また、ファーウェイでは顧客起点で社内のワークフローを変更できる。人材や予算の配分も、上が分配するのではなく、顧客第一主義を実現するために現場が必要量を要請する。これを「第一線が武器を要請する」と表現する。顧客と接する現場の第一線が最適な必要量を把握していると判断するためである。
    公務員的発想では上から全部門を俯瞰しなければ最適な資源配分にならないと考えてしまいがちである。しかし、それは公務員的な妄想である。公務員的存在はそれほど立派なものではない。社内政治に長けた人々に資源が多く配分され、真面目な人が損をする結果になる。
    勿論、現場の要請が常に最適な資源配分結果になる訳ではない。それでも公務員的な本社スタッフよりも、顧客に近い人の意見の方がより適切な判断ができると考えている。結果として最低な資源配分でなかったとしても、「事が終わってから検証し、弾薬を浪費していたと判断したら、後で貸しを清算すればよい」とする(35頁)。
    上からのガチガチの公務員的計画に比べると、分権的な資源配分は比較的柔軟に是正できることがメリットである。市場原理が一時は物不足や高騰をもたらしても時間の経過により、需要に応えられるようになることと同じである。公務員的な計画を押し付けると逆に市場の流通が損なわれてソ連のように商品が市場に出回らなくなる。
    任正非は人民解放軍出身である。本書で紹介された任正非の言葉にも武器や弾薬など軍隊出身者らしさがある。日本で言及される際には人民解放軍出身であることが強調される傾向にある。そこからステレオタイプな先入観を持ってしまいがちである。政治や安全保障の観点から語られてしまいがちである。しかし、その思想は市場主義を自家薬籠中の物にしている。
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    投稿日:2021.05.05

  • バジ

    バジ

    ファーウェイ創業者の経営哲学。

    これを読むとファーウェイが単に中国の経済成長や外部環境だけに支えられてグローバル企業に成長したわけではないことがわかる。

    自己批判による進化、官僚型にならないための組織造り、歴史科学からの学びなど。

    任会長の元部下が本書を書いてるので、若干ファーウェイ、任氏、マンセーな喧伝書籍の面もあるが、

    米国でも日本でもない、中国という国で本気で経営に取り組んだ任氏の独自の哲学を学ぶ事は、日本型経営と比較すると本質が見えたり、新たな発見がある。

    翻訳も素晴らしいなと思ったら三体の訳者だった。流石です。
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    投稿日:2021.03.25

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