【感想】科学史・科学哲学入門

村上陽一郎 / 講談社学術文庫
(5件のレビュー)

総合評価:

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ブクログレビュー

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  • echigonojizake

    echigonojizake

    高校生の頃、村上陽一郎氏の本を大学受験の小論文の問題で読んでいた。某私大の試験にも出てきた。科学と技術は別物という話だったと記憶している。

    久しぶりに村上陽一郎氏の本を読もうとKindleで購入した。近代科学は「暗黒の中世」の否定、その前のキリスト教的な価値観の否定から始まったといわれるが、彼によるとさにあらず。キリスト教だからこそ近代科学を育んだのだと。

    一方で、科学の暴力性や明と同時に暗を生んだ点も哲学者らの指摘を通じて言及されている。科学の暴走を止めるには哲学、さらには神学のアプローチも必要なのだろう。

    半世紀近くの前の本だが、まだ新鮮。傍において物事の考え方のヒントにしたい。
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    投稿日:2024.01.27

  • 鈴華書記

    鈴華書記

    純粋な科学哲学を語るまでには至っておらず,その前段階の「科学史」と「哲学」についての解説となっている。

    投稿日:2022.06.23

  • 1397195番目の読書家

    1397195番目の読書家

    2部構成です。

    第Ⅰ部は、科学とキリスト教の関係について。
    例えば、近代合理主義と自然科学はキリスト教を否定して始まったと考えられがちだけれど、カトリックに投獄までされたガリレオ=ガリレイの信仰は確固としたものだった。むしろ彼の科学は神のことばを自然の中に求めるというモチベーションに支えられていた、というような話です。

    第Ⅱ部は、哲学について。
    素粒子は目で見ることができません。素粒子の存在は、あくまで科学的知識・理論のネットワークによって認められたものです。
    他方、目の前にある物(例えばペン)は、人間が直接経験できます。しかし、ペンの存在は、人間の持っている概念や認識枠組みによって認められている面があります。
    最後に心ですが、自分の心の存在は自明なのに、他人の心の存在は証明しようがない。にもかかわらず、自分の心は、他人の心によって作り上げられてきたものでもあります。

    ここまでは、西洋史や哲学の入門書にある話のまとめにすぎず、目新しさはありませんでした。
    ただ、最後の約10ページで、科学と信仰という一般的には全く別の領域にあると思われている概念が、関連付けて論じられます。
    ここは自分の中では盲点ででした。
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    投稿日:2022.04.02

  • izumowol

    izumowol

    科学史・科学哲学入門とタイトルにはあるが、科学と宗教、
    あるいは科学と信仰の関係を主に考察の対象にしている。
    もちろんここで言う「科学」とは西欧の科学なので、その
    科学史・科学哲学史は宗教、すなわちキリスト教を抜きには
    考えることは出来ないのは自明である。そのため単純に科学
    の歴史や哲学を考えるためだけでも押さえておかなければ
    ならないポイントが多数含まれている。もともと1977年に
    刊行された本なので、あちらこちらに古さを感じたりもする
    のだが、現在でも読む価値のある書であることは間違いない
    と思う。
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    投稿日:2021.10.25

  • rururu

    rururu

    このレビューはネタバレを含みます

    宗教と科学の連続性を説いた本。2章に分かれており、
    一章ではキリスト教がどう科学の発展に寄与してきたのか、科学とキリスト教の密接さについて。
    2章では「ものを見る」という観点から、演繹的に哲学、科学の裏にある絶対存在の可能性を明らかにしていく。

    私たちは自然科学学教の信仰者なのかな。それが他の宗教に比べて論理性が高く、かつ功利的であるから信奉しやすいのかもしれない。

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    投稿日:2021.06.24

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