【感想】日本語を、取り戻す。

小田嶋隆 / 亜紀書房
(21件のレビュー)

総合評価:

平均 4.1
8
9
3
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ブクログレビュー

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  • hamabooks4649

    hamabooks4649

    超面白かった!一家に一冊だな。小田嶋氏と飲んでみたかったな。小田嶋氏が今の統一教会や裏金にまみれた自民党をみたらどんなコメントするのだろうか。きっと全然驚かないんだろうな。
    表紙の絵も秀逸。

    投稿日:2023.12.28

  • 勇気の花

    勇気の花

    この、安倍さんやその政権の諸々の担当者が作った無意味な日本語を垂れ流す事態は、その後の首相やその政権の担当者たちが変革し、日本語を取り戻すことができたのだろうか?
    いやいや、そんなことは決して無いのだろう。
    願わくば、この著者の遺志を継いだ人が同じテーマでこの本の続編を出してもらえないものだろうか。に、しても惜しい人を亡くしたものだ。
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    投稿日:2023.06.22

  • satman

    satman

    システム思考という名前を最近知った。それができていることがこの先を生きていくために重要だと。
    この本の著者はそれができている。出てきた奇天烈な言動に反射的な批判を繰り出すのではなく、それが別の場所で生じさせる影響や時を経て生じる影響まで思いを致して、文章に綴っている。だから、エッセイストとして一流なのだと思う。
    題材となった色々はまだ解決しておらんので、まだ古びてはいない。今となっては貴重な一冊である。
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    投稿日:2023.02.16

  • Masahiro Sera

    Masahiro Sera

    一言、面白かった。

    小田嶋さんの書物は初めて。コラムニスト独特の出来事に対する切り口、感じかた、その変化球的な伝え方は、他のコラムニストでもありますが、ユニークさと自虐的なこと、相手をいじり、ここぞというときはこれでもかと言うくらい書きのめす。

    「日本を取り戻す」は、安倍元首相が使ったフレーズ。主語や目的語等何もない。とは言え、戦後進駐軍に押し付けられた憲法は、彼にとっては(お祖父さん)出来損ないと考えていたのでしょう。で、憲法改正を高らかに唱えることを、少し逸らして言ったフレーズなのでしょう。
    これに限らず、安倍元首相から発する言葉は、エモーションに訴えるものが多く、実はさっぱりわからない。そこで「日本語を取り戻す」となる。
    表紙を飾る小マスクのおじさまは、誰だか容易に推察できる通りで、中身もほぼ安倍元首相に対するコメント。
    既に自分の脳には新しいニュースが上書きされていたため呼び戻す必要があったが、思い返すと全く共感出来る所が多く、膝をたたくとはこう言うことね と感じ入った。

    権力側ではなく一般庶民の側に立った意見は必要。
    どちらも鬼籍に入ってしまったが、違った世界てもバトルを繰り広げているかも。

    少し気になったことば、
    行政文書の記録や保管、政治資金の正直な報告を蔑ろにした。みた政権中枢メンバーは、正確な日本語を使い、公の場でウソをつかないという、大人として守るべき規範をかなぐり捨てた。でもって、血統と人脈とおべっかと忖度ばかりがものを言う前近代がよみがえりつつある。文化と社会の破壊だ。
    データの一滴は血の一滴。政権幹部ならびに関係省庁の官僚たちが、野党の質問に対し殆ど全く誠実な回答をしようと言う意思を見せていない。「総理の強いご意向」を示唆する文書の存在が報道された時の菅官房長官の言葉は「怪文書」として、最後まで取り合わなかった。

    「アベノミクス」が、経済政策として機能する前に、むしろ経済政策を隠蔽する用語として見事にその役割を果たしている。これは総理の名前を冠しただけの「オレオレ経済政策用語」だ。いきなり持ち出された総称は、その内部に畳み込まれた未検討の内容をまんまと隠蔽してしまう。「シェフの気まぐれサラダ」みたいなもので、レシピの内容を類推することさえ出来ない。見出しだけで全て分かったけど気になる「思考停止ワード」の典型だ。内容が軽薄で且つ語呂が好い。しかも反知性主義をかかえた経済無関心層に、居心地の良い思考停止をもたらすための好適なスイッチとなっている。そしてネット上では安倍シンパとアンチ安倍を仕分けるためのリトマス試験紙として扱われる。

    理解という言葉を多用するのは基本的に「異論」を認めない人間だ。と言うのも「理解」と言う言葉の前後には、自分の側がものを教える立場で、相手側が教えを乞う立場だと暗黙の前提が横たわっているからだ。そして上から目線での立ち位置で、理解しない人間を予め軽蔑する準備を整えている。

    小池百合子都知事のメディア操作術を「あいうえお」で表現すれば、あざとさ、いかがわしさ、うさんくささ、えげつなさ、おしつけがましさに集約されるだろう。

    世界を動かしているのは真相ではない。我々の心を動かすのは印象であり憶測であり予断であり不安だ。

    忖度システムの中では、何らかの不都合が生じた場合、ボスの目配せを「忖度」して「指示」に翻訳した現場の人間が責任を負うことになっている。一方「揚げ足取り」が横行する報道の現場では、「真意」の凶悪さより、「言語運用の稚拙さ」の方がより大きな罪として断罪される。何と馬鹿馬鹿しい話だ。

    小泉新大臣の演説はある意味見事だった。あれほどまでに内容希薄な話を、あれほど自信満々な語り口で言い切ることの出来る政治家は、近年では珍しい。昔小泉純一郎と言う政治家がいたが、あの人以来ではないか。

    お笑い芸人をコメンテーター席に座らせて、政治経済外交防衛いじらせて進行させ、我々一般国民がテレビを見て笑っている限り、いずれこの国は世界の笑いものに成り下がっていくだろう。
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    投稿日:2022.10.29

  • きあもと

    きあもと

    はじめて著者のコラムを読んだのはバグニュースというパソコン雑誌だった。80年代半ばで高校生の頃だった。独特の語り口と考え方にすぐ夢中になったが、就職してからは疎遠のままであった。
    訃報を受け、久々に著者の作品を手に取った。題材は社会的なニュースになり、より広範な人たちに向け警鐘を鳴らすような内容に変わったが、切れ味のある論評と小粋なユーモアは変わらない。
    冥福を祈ります。
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    投稿日:2022.08.21

  • root3

    root3

    本屋で並んでいる表紙を見て,図書館にリクエストして届いた本を楽しみにして読み続けて,「ああ,日本語に関する本でなく,政治エッセイだったのかぁ」と思いつつ,「あ,この表紙のイラストを見て,安倍さんの『日本を取り戻す』をからかっている・『語』の背景になっているのが『アベノマスク』だぁ」,「経済の専門家でない」「政治の専門家でもない」と言っていて,「何の専門家?」と振り回され,随分,話題が古いなぁと思いつつ読み終え,奥付を見たら2年前の発行で吃驚!!~(エッセイですから・気になった言葉だけ並べると)「アカピ」「ダサヨク」「ジャーゴン」「マスゴミ」~調べたら,小田嶋さんは同い年で北区出身,小石川高校卒。おっ,友だちの友だち位の近さだ。早稲田大学,おっと同窓。教育学部社会科・・おぉ。2022年6月に亡くなっている,若いなぁ・・・。あ,なるほど! 書店員に小田嶋ファンが居て,出版社の働き掛けがあり,目立つ所に置いて売って得て印税を香典代わりにしようとしたんです・・・か?? リクエストして市に買わせたから,多少は協力したネ続きを読む

    投稿日:2022.08.18

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