【感想】汚名(上)

マイクル・コナリー, 古沢嘉通 / 講談社文庫
(7件のレビュー)

総合評価:

平均 4.3
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ブクログレビュー

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  • sana

    sana

    ハリー・ボッシュ・シリーズ、20作目。
    元ロス市警の凄腕の刑事で、退職後は郊外のサンフェルナンド市警の予備刑事になっています。

    未解決事件捜査に活躍しているボッシュのもとに、昔のパートナーだったロス市警のルシア・ソトがやってくる。
    検事補と今のパートナーの刑事と一緒で、ボッシュが30年前に逮捕した連続殺人犯プレストン・ボーダーズに関して、あらたな証拠が出たという。
    DNA捜査が未熟で証拠として認められなかった時代のことだが、今回の発見で、当時ボッシュが違法行為を行ったという疑いがかかったのだ。

    DNAという動かしがたい証拠。
    ボーダーズの弁護士ランス・クローニンはボッシュが証拠を捏造したと主張。
    ロス市警もボッシュが退職した時にいざこざがあったため、罪を押し付けようという態度が見える。

    刑事として働く最後の時期に差し掛かっているボッシュに降りかかった、思いがけない汚名。
    リンカーン弁護士と異名を取るミッキー・ハラーに、ボッシュは協力を求めます。

    サンフェルナンド市では、薬局の経営者が銃殺される事件が起き、ボッシュも駆り出された。
    犯罪者集団のアジトを突き止めるために、ボッシュは潜入捜査に挑む。
    どうなる‥?
    続きを読む

    投稿日:2023.02.01

  • hossy33

    hossy33

    これは凄い小説だ。
    ありきたりの誤認逮捕の流れかと思いきやとんでもない悪党に行き当たる。
    やはりコナリーは面白いな。

    投稿日:2022.07.05

  • kattebooks

    kattebooks

    既に本書が原作となったAmazonプライム作品を見ていた為か、意外にあっさりと事件が解決してしまった印象を持ってしまいました。本当は違うんでしょうけどね。

    ただ、素直に事件が解決したわけでは無い様です。ラストから、すぐ次の事件にボッシュの気持ちは向かっています。続きを読む

    投稿日:2020.11.07

  • あさみちゃん

    あさみちゃん

    シリーズなんですね。初読です。リンカーン弁護士の作者とは知りませんでした。実に読みやすいし、ボッシュが魅力的です。かなり重めの事件が同時進行で負担が凄そう。しかも○○捜査!下巻に期待が高まります。しっかし、いろんな事件があるもんだなあ。続きを読む

    投稿日:2020.10.25

  • fattycatlover

    fattycatlover

    このレビューはネタバレを含みます

    ハリー・ボッシュのシリーズ。

    ロスアンゼルス警察を離れ、
    小さな警察署で未解決事件を捜査しているボッシュ。
    そこへかつての相棒が
    ボッシュが昔の事件で不正をしたのではないか、
    という疑いとともにやってくる。

    その直後に地元の薬局で二人が射殺された事件が発生。
    犯人を追ううちに、潜入捜査をすることになる一方、
    不正の嫌疑をはらすために異母弟ハラ―に弁護を依頼する。

    (下巻へ続く)

    レビューの続きを読む

    投稿日:2020.09.24

  • シュン

    シュン

     この一作でボッシュは、三つ、いや四つの事件に絡む。そうボッシュ大多忙の巻である。邦題の『汚名』は、ボッシュが巻き込まれる過去の事件での捜査ミス及びこれに関するマスコミ・スキャンダルから取られたものと思われるが、作中では次のように語られている。

     <この世には、二種類の真実がある、とボッシュは知っていた(上巻 P202)>絶対の真実と、ペテン師たちによって創作される偽の真実が。

     一方で、薬局の父と子が無慈悲に殺害された事件を機に、薬物密売組織に囮として潜入するボッシュの活劇ぶりが描かれる。この部分はAMAZON PRIMEで既にドラマ化されたため、ぼくは視聴しており、設定その他に異なる部分はあるものの、主筋はドラマと原作は同じ展開を見せるので、実のところ小説を後にすることで興が削がれた。原作を映像化したものなら抵抗はあまりないが、映像→原作は、さすがに残念な順番だった。

     しかし、本書には、ボッシュへの思い入れをこの一冊で総括してやるんだ、くらいの原作者の熱気が感じられる。それが、定年を過ぎゆくボッシュに対しての、入魂のペン捌きとなって結実しているので、シリーズ屈指の熱い作品となっていることが素晴らしい。

     ボッシュは昔牢屋として使われていた黴臭い資料庫から古い事件の調書を引っ張り出しては、自分の天性の仕事勘を働かせ、潜入捜査中に気にかけた薬中の女性を徹底して再生させようと主筋とは別のところでも力を尽くす。

     腹違いの従弟ミッキー・ハラーは、今回の大団円を取り持つ法廷シーンで期待に違わぬ活躍ぶりを見せ、その調査員であるシスコはボッシュとの臨時協力体制を請け合う本書のサービスぶりである。

     もう一つ、サービス・シーンをご紹介。
     <「あんたはカウンターにいるタイプだ。ホッパーのあの絵でひとりですわっているやつみたいに」>とハラーがボッシュに言うシーン。<ボッシュは自分をホッパーの『夜更かしする人々(ナイトホークス)』のなかに描かれたカウンターにいる男のようだといつも思っていた(上巻 P297)>
     
     無論、ボッシュ・シリーズの一作目『ナイトホークス』を想起させるシーンである。作者はボッシュというキャラクターを創り出した当時と、ボッシュともども実績と経験を重ねてきた今とを重ね合わせて、充実した二人のそれぞれの人生を重たく振り返ってみせたのではないだろうか。
    続きを読む

    投稿日:2020.09.08

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