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柴崎友香 / ちくま文庫 (13件のレビュー)
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ゆづ
ひとはいつ「大人」になるのか。いつの間に「大人」と呼ばれる年齢になった今、ピッタリな作品だった。主人公の3人の女性が三者三様の生活を送っていく物語。平凡だけど、日常にある浮き沈みを進んでいく主人公たち…に共感しながら読み進めた。 いつかちゃんとしたらとか考えてたら、なんにもできないのかもしれない っていうかおりの台詞がその通りすぎて、印象に残った。続きを読む
投稿日:2024.01.01
もちこ
3人称多元視点、という技法で書かれている独特の文体は、高頻度で語り手が変わるので、慣れるまで違和感があった。でも、慣れるとよりリアルな人間模様が伝わってきて、一気に読み終えた。 大きな事件が起きるわけ…ではないけれど、30歳の女性たちの生き様が、読者に共感と勇気を与えてくれる。続きを読む
投稿日:2023.02.26
koochann
20歳前から付き合いが始まった30歳の3人の女性たち(かおり、珠子、夏美)。かおりと珠子は大学同級生。かおりと夏美は高校の同級生。そして夏美と珠子はかおりを通して出会った。既婚は雑貨店主の夏美のみ、学…校職員のかおりは若い男の子・準之助との同居生活、珠子はイラストレーターで以前にふられた男性との再会。3人の周りの家族(親・兄弟・夫・子ども)や職場の同僚、同棲中の若者などの人間模様が描かれている。大きな事件があるわけではなく、それぞれの世界が入れ替わりに短文で描かれて、3人が集合する場面は少ない。どこにでもいそうな人たちは正に現代の縮図を見る思いがする。続きを読む
投稿日:2022.01.20
物怪
三人称多元視点の小説であることの仕組みと効果は本文庫の解説に述べられていて、割合と正当な批評ができるていると思ったから、その事に関しては特に言うべき事がない。相変わらず本作も技巧は冴えているように読…めた。 日常を書いた小説、と誰もが雁首揃えて言うのだけど、日常の描き方にも種類がある。ただただ波風が立たなくて退屈しそうなくらいで、だけど平和で幸福な日々を淡々と書く作家に第三の新人にカテゴライズされる庄野潤三という大物がいるが、柴崎友香はそれと正反対だ。波風が立ちまくりである。 事件というほどでないが、比較的平穏な描写から急にシリアスな緊張感の支配するシーンになる、ということが本当によく起こる。そうした日々の暮らしの中で避けて通れない嫌な出来事を書かせたら、たぶん近代以降、柴崎友香より右に出る者はないのではなかろうか。普段の日常を無条件に賛美するではなく、厳しい側面が絶妙なスパイスとなっている。 あと、本作では自身が大人か否か、その自覚がテーマになっている、というのは指摘するまでもないけれど、その悩ましさもうまく書けていると思う。読んでいる最中は「あの頃の未来に 僕らは立っているのかな/すべてが思うほど うまくはいかないみたいだ」という歌詞がある昔のヒットソングがあって、その曲がわたしの頭の中でかかりっぱなしだった。彼女たちは30歳という老いてはいないが、もう若くもない年齢だけども、たぶん、彼女たちが十年前の二十歳の大学生だった時に想像した、あるいは夢想した将来にはきっと立ててはいないのだろう。けれども前を向いて歩く事をやめるわけにはいかない、夜空の向こうにはもう明日が待っているから。それは珠子もかおりも夏美にも等しく訪れる明日でもある。続きを読む
投稿日:2020.10.14
hkr
特に何か起こるわけでもなく、3人の女性のそれぞれの日常の物語だけど、ちょっとした出来事とか登場人物の気持ちの表現が絶妙で、ずっと読んでたいなと思った
投稿日:2020.08.08
nemurukurage
女の子3人。イラストレーターの子の描写が素直で良いなぁ。 自分がそこに入っててもおかしくないくらい、すぐそばのお話。
投稿日:2020.06.16
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