【感想】空腹ねずみと満腹ねずみ 下

ティムール・ヴェルメシュ, 森内薫 / 河出書房新社
(3件のレビュー)

総合評価:

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ブクログレビュー

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  • はに

    はに

    このレビューはネタバレを含みます

    難民、政治家、ドイツのテレビクルー、ジャーナリストなど、様々な立場の人間の視点で描かれているところが面白かった。

    難民を被害者や弱者に仕立て上げ、遠く離れた所からドラマを見るように傍観する、全てのふつうの人たちに向けた痛烈なメッセージを感じた。

    ドラマを仕立て上げるのはメディアだとしても、それ望んでいるのは世間なのだから。

    難民もこの小説では単なる被害者として描かれてはいない。この小説に出てくるどの立場の人間も、究極的に最終的には自分のことしか考えていない。

    それがすなわち自分も含めて人間の本質なのだと思う。読んでる間中何度も「どうしょうもないじゃん」「そうするしかないよね」と脱力してしまった。

    傍観していた「他人事」が、ゆっくり時間をかけて自分の生活圏に近づいてくる恐怖。
    本国ドイツの読者とはまた感じ方は異なると思いますが、クライマックスがどうなってしまうのかというハラハラ感と共に、あらゆる立場の人々にシンクロしながら読み進めることによって、新たな視点を獲得したり、人間の普遍性を感じたりできる作品だと思った。

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    投稿日:2023.01.07

  • Jake

    Jake

    近未来、アフリカからドイツまでの難民の行進。盛り込み過ぎのおぞましい結末。シニカルさとコミカルさをないまぜにしたスラップスティック。

    投稿日:2020.07.26

  • なー

    なー

    このレビューはネタバレを含みます

    行進は続く。最後尾の前に広がるのは、15万人分の排泄物。マジか!そしてスエズが行く手を阻む。行進は迂回。エジプトから紅海をゴムボートで渡り、ヨルダンとイラクでは地元の難民を吸収して35万人に行進は膨れ上がり(イスラエル、レバノン、シリアを避ける辺りが妙に現実的)、そしてトルコと進む。トルコは迅速な国内通過用にバスを用意。そしてオーストリアへ。ドイツ国境は目前。しかしながら悲惨な結末。私、圧死だけは避けたいわ…。

    ヨルダン政府とイラク政府が自国の難民キャンプのそばを通ってほしい…と要請する辺りが、実際のところ充分に効果が期待できそうでイヤらしいが、現実にはありそうだわ。。。

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    投稿日:2020.06.19

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