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ジェイムズ・ヒルトン, 池央耿 / 河出文庫 (5件のレビュー)
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りりーちゃん
謎の人に飛行機がハイジャックされて、中国ともチベットとも区切りがつかないヒマラヤ山脈に不時着する。さらにわけの分からない修行僧に案内され、僧院シャングリ・ラ(豪華)に招かれる。コンウェイ他2人は帰らな…くて良さそうな雰囲気を出すが、コンウェイの同僚マリンソンは反抗的な態度をとりつつ帰ろうと主張する。そんな中、コンウェイは僧院の中でも一番偉い僧と面会することになる。 不老不死に近く、ゆっくりなペースで老いていく環境のシャングリ・ラ。暮らしは寝て食べて遊んでに近い。山奥にいるのにピアノもハープシコードも図書室もある。某外資系ホテルを思い出した。1回泊まってみたいとすら思う。 あと話の根幹ではないが、シャングリ・ラでショパンの弟子を名乗る男がコンウェイに出版されてない曲を教え、コンウェイがシャングリ・ラから帰還後に弾いた話。夢があるなぁと思った。作曲家が生きていたら当然お蔵入りになった曲だってある。どんな曲だろう。想像が膨らんで、なんとも夢を見てるかのようだった。続きを読む
投稿日:2023.04.12
izumowol
言わずと知れた「理想郷シャングリラ」の出典元。ドキュメント風の作風と伝聞を上手く活かした構造で効果を上げている。もはやこのジャンルの古典的名著なのだが、今読むとボリューム不足を感じるし、書かれていない…部分も大いに気になるところ。いつの時代でも「恋」というのはやっかいなものなのだな。 本田美奈子の歌を思い出しつつ。続きを読む
投稿日:2023.01.31
kozokanto
フランクキャプラ監督の映画をみてすぐに原作を読んでみた。登場人物のコンウェイとチャンは同じ名前ながら、若い領事館マリンソン・当方伝道会のミスプリンクロウ・指名手配の詐欺師アメリカ人バーナードと…なっている。映画が原作を丁寧になぞってつくり、シャングリラの描写も誠に綺麗にできていることを感じた。原作では大ラマ僧との対話そしてマリンソンとの口論をメインに挿げられているが、逆に原作ではなぜコンウェイがマリンソンと一緒に青の谷を脱出することを決意したのか明瞭な理由がない、プロローグとエピローグも映画のほうが丁寧に描写されていた。原作でようやく理解できたのが、シャングリラを認めずなにがなんでも脱出しようとするマリンソンの文明国ならではの価値観。ビートルズがあれだけ賞賛していたインドをあっさり離れたのと似ている気がする。続きを読む
投稿日:2021.11.26
なごみまくり
正体不明の男に乗っ取られた飛行機は、ヒマラヤ山脈のさらに奥地に不時着した。偶然通りかかった謎の集団が導く先には、西洋の技術文明と東洋古来の精神文化が組み合わさった不老不死の楽園があった。世界中で読み継…がれ、2度も映画化された冒険小説の名作が、美しい訳文で待望の復刊! 『金星特急』でシャングリラが出てきたので原典を読みたいなと思っていたらちょうどよいタイミングで新訳が出版されたのでそちらを読むことにしました。んーー正直あんまりピンとこなかった。コンウェイの気持ちの変化が1mmも分からなかったんだが・・・え、普通に楽しそうだったのにどうして心変わりして脱出することになっちゃうの??シャングリラ=楽園という世界観も私には分からず、出たらあっという間に老いて死ぬってそれは逆に地獄なのではと思ってしまった。選択権がないのが何とも、なあ。1900年代のイギリス人が書いているから仕方ないのでしょうが、東洋を下に見てる感じもして、日本人としては微妙。続きを読む
投稿日:2021.07.18
toca
このレビューはネタバレを含みます
名作が復刊。旧版も持っているが……。 冒険小説でもあり、ミステリでもあり、時間を忘れる面白さ。しかしこんなに薄い文庫本だったかなぁ……もっと長かったような気がするが、それだけ濃厚なストーリーだった、ということか。
投稿日:2020.01.16
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