【感想】凜

蛭田亜紗子 / 講談社文庫
(4件のレビュー)

総合評価:

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ブクログレビュー

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  • askyfield

    askyfield

    ■土工夫と女郎、2人の目を通した苦難の北海道開拓歴史小説。
    ■エロとグロの表現がどぎつい。だが、それくらい著者は資料を読み込んで自分のものにしたのだろう。
    ■平成時代と大正時代、土工夫と女郎、その対比と時代・人物の交錯は面白い。
    ■電車の中で一気に読んだ。読後感...さわやかでない。
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    投稿日:2021.12.11

  • パラボス

    パラボス

    2020年、6冊目は、中一冊で蛭田亜紗子。

    就活中の上原沙矢は、束の間の二人旅のために、恋人、宮澤拓真の住む北海道へ旅立つ。しかし、仕事に忙殺される拓真。結局沙矢は、石北本線で単身網走を目指す。途中、廃止が決まった金華駅で下車する沙矢。そこで常紋トンネルの歴史と、かつて網走にあった遊郭に興味を持つ。

    コレまで読んできた蛭田亜紗子作品とは、テーマも、文体も、重みが違う。

    メインパートは、大正期の娼妓、胡蝶(八重子)と、帝大生でありながら、タコ部屋で土工夫として働くことになってしまった、鱗太郎の話。

    個人的に、胡蝶はじめ、網走の遊郭、「宝春桜」のパートが特に好き。流され生きてきたが、息子の死をきっかけに変わる胡蝶。宝春桜のお職(今で言う、お店№①)の百代。胡蝶の後輩娼妓、薄雲。古株の松風。等、それぞれのキャラ立ち、エピソードはかなりグッと来た。

    逆に、鱗太郎のタコ部屋パートは、個人的にあまりのめり込めずだったし、現代の沙矢のパートがどうしても弱い印象は拭えない。

    これまで読んだ、蛭田亜紗子作品『エンディングドレス』が一番好きだったが、わずか2ヶ月で首位交代。「宝春桜」のパートだけでも、★★★★☆評価決まり。
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    投稿日:2021.03.18

  • onion

    onion

    日々の発言に信頼のおけるフォロワーさんが絶賛していたのと、舞台が北海道だったこともあり、手に取ってみました。

    遊郭、タコ部屋…タコ部屋はなんとなくあったんだろうなぁと想像ついてたけど、遊郭は最近まで北海道にもあったことを、歴史としても知らずにいて、これを機に調べてみたら、実は実家の通りにもあったことがわかって激しく驚き。

    半分都市伝説みたいに、地元にもある「人柱」の件も、これを読むと現実味が増し。

    激動の時代を生きた男たち女たちと、今を生きる男たち女たちが交差することで、いつの時代も生きるのは大変で、だからこそ生きなければ…みたいな、落としどころとしてはきれいにまとまっていて、かつ、描写はとても激しく、作者の作品は初めて読んだけど、同じ北海道出身の方で、もっと読んでみたいと思った。
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    投稿日:2020.10.14

  • 文学女子

    文学女子

    とても深いストーリー。
    故人の方々の努力もだけど、報われなかった感情や法律等々に縛られた経緯からの脱却?
    GHQのお陰で?
    今の日本は、割と平和に秩序を守って生活が成り立っている。
    映画にも出来そうだけど、とてつもなくお金が掛かるでしょう…ね。
    文庫本での購入だけど、金額以上の中身だった。
    久々の満足感。
    ‘20.06.05読書完了
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    投稿日:2020.06.05

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