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宮田登 / 講談社学術文庫 (3件のレビュー)
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ASHITAKA
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そして山間部のどこかに現世とは異質の空間である幽界=隠り世があると想像していた。 1 民俗学の成立と発達 より ちょうど大正七年ごろに、各地の村の民間伝承のあり方に一つの傾向が出ていた。つまり旧い事はそのままいい伝えるという村人の姿勢が次第に失われつつあったことである。 祭りにともなう神輿もやはり「前から」なくなっている。 2 日本民俗学の先達たち より 土の生産を離れた都市民が、かならずしも農民と同様の世界観をもつとはいえないのである。 4 ハレとケそしてケガレ より たしかに柳田のように、カミ→妖怪とみてしまうと、妖怪は当初存在していなかったことになる。一方、超自然的存在に邪悪なものを認め、カミとともに人間に畏怖心を与えていると考えることは、西欧的な神と悪魔の対立に通じている。 13 妖怪と幽霊 より 民俗学というシンプルなタイトル。入門書的な広く浅くな章立て、けれども楽しく読むことができました。ゴジラが出てきましたが、てっきりあれは災害や原発のメタだと思っていました。識者によって様々な解釈があるのでしょうか。 今聞いたら笑ってしまうような生活様式や思想、暮らしとその時々の楽しみなど、興味深く異論反論も交えて語られています。科学や技術が発展し、山や谷が削られ、海を埋め立てられた現代の暮らしの中でも、ああ昔と比べて変わってないな、と不思議と感じることもあります。土着というか、染み付いてとれない習性のようなもの。自分が民俗学という学問に惹かれる所以。
投稿日:2021.09.14
エルモ
図書館でなく、初めてかった宮田登さんの本。 著者は元 日本民俗学会会長。 前書きには民俗学をもっと学びたい人向けに教科書的な本の紹介をしている。 平田篤胤の異人への関心。山伏を異人と見た。山間部のど…こかに現世とは異なる空間である幽界=隠り世があると想像。 しかし荒唐無稽な作り話というのではなくて日常生活の中にどう位置付けられるかを明らかにしようとしていた。幽界は人間の潜在意識に関わるものとして見ていた。 アジアの民俗学は、戦後は日本を含め比較民俗学での交流が開始されてきている。 柳田國男は、民俗学を科学として体系化を行なった。現代的課題に取り組むべき使命を持った学門。 郷土=ムラ=地域住民のまとまりを正確に観察しようという態度があった。 明治20年頃の文明開化に伴い家々の年中行事の改廃が激しかった。 また女学校を出ていると雑煮の汁加減も変わると言われ、村の外からの知的刺激が民俗のあり方を変えていく。 宗教観 仏教や神道の前に、民間信仰があって、それに寄り添う形になったのが、日本式の仏教、そして神道。 漁師の町では網などを持っている家とそれに従う村民という構図があるが、昭和の小説家で出てくる網元の語源はここだろうか。 同じ窯の飯を家族構成員でみんな一緒に食べるのが慣習、不文律だった。 行事の時に村のみんなで食べるというのが転じて、お中元などの像等習慣にかわった。素麺、冷麦を送るのはこの元となる行事からきている。続きを読む
投稿日:2021.05.25
かくりよ
民俗学の発祥と歴史、今さら聞けない「ハレ」と「ケ」の違い、柳田國男や折口信夫の思想と功績をはじめ、民俗学の基本的知識から現代での動きと展望が紹介されている。 もともと放送大学のテキストとして編まれ…たものというのもあってか、章ごとに何を具体的に学べるかがはっきりしている。また全15章構成と章の数は多く感じるが、1章につき45分程で読めると思う。とても読みやすい。 折に触れて読み返したいと思います。続きを読む
投稿日:2021.05.20
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