【感想】私たちは失いながら生きている

いぬじゅん, 竹岡美穂 / メゾン文庫
(2件のレビュー)

総合評価:

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ブクログレビュー

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  • ちこ(´・ω・)

    ちこ(´・ω・)

    「恋を失くした人」
    次へと進んでもらうため。
    深い悲しみに陥ってしまった時に、全く何も知らない相手だったからこそ話せることもあるのだろうな。

    「君と出逢う日」
    契約寸前に気付いたこと。
    これほど他者に対して関心が薄いと、いくらコンタクトをとったとしても成功する確率は低いだろうな。

    「ベニクラゲになりたい」
    何度生まれ変わったとて。
    こんな風に本物を見せてしまうのであれば、最初から設定など作らずに思うがままに話せばよかったろ。

    「私たちは似ている」
    無理矢理動いた結果には。
    甘やかすだけが立ち直らせる方法ではないが、あまりにも荒治療は危険が伴うから判断が難しいだろう。

    「その蒼に消える」
    少し早くついてしまった。
    ずっと背負い続けていたものを過去として置いてくるのは難しいが、それをしなければ進めないもんな。

    「海よりも、もっと深い場所」
    二人の人材が辞めた理由。
    依頼を受けた時に悩んだ結果だったとしても、もしかしたら出逢う可能性を考えれなかったのだろうか。
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    投稿日:2024.05.04

  • kotatsurg

    kotatsurg

    このレビューはネタバレを含みます

    「人は一人で勝手に助かるだけ」(『化物語』忍野メメ)

    海底から水面に上昇する過程においては、確かに他人の救いが必要だと思う。
    溺れてる人間に空の飛び方を教えても仕方がない。
    まず息が出来るように(自分で考えられるように)助けてあげたい、そこは同意。
    そして、水面から空中に飛び出す時は自力で。そこも同意。

    しかし…しかしだ。
    ラストの羽音は、聖人に依存しているのではないのか?
    あれだけ羽音も依存に警戒してたのに…。

    最初の羽音と、ラストの羽音、一体何が変わったんだろうか?
    どう成長したんだろう?
    確かに、自身の弱さを自覚できたと思う。
    自覚した結果、新たな依存先を見付けたのか?
    同じことの繰り返しではないか?

    持論になってしまうけど、
    自身の心の傷が他人によって癒されることはないと考える。
    癒すには自分と向き合うしかない。
    何故傷付いたのか、何を感じているのか、どうしたいのか、答えは自分の中にしかない。
    傷付いた者同士、耳障りの良い言葉で舐め合えば確かに快感だろう。
    時には必要な行為。
    でもそこに溺れてはいけない。
    優しい言葉は、真綿のようにあなたを苦しめる。
    優しい言葉は、本当の問題から目を背けさせる。

    忍への罪はどう考えたんだ?
    確かに、暴露するのは羽音の甘えだと思う。
    とても苦しいが、離れるしかない…。
    でも、その辺の葛藤の深堀りがもっと欲しかった。
    あの描写の少なさだと「逃げ」にしか感じない。

    羽音に、もっと自分と向き合って欲しかった。
    もっと強くなって欲しかった。それほど自分と重ねていた。
    しかし、羽音は人間的に弱くなったようにしか見えなかった。

    でも、それは羽音の選択なので、自分とは無関係です。
    他人の行動に善し悪しなんて付けられないので…。
    ただ、自分はそんな行動はしません。
    私の心を揺さぶってくれたこの本に、感謝です。

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    投稿日:2020.09.03

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