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小沢章友, kaworu / 講談社青い鳥文庫 (2件のレビュー)
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mimimom
このレビューはネタバレを含みます
数年前の大河ドラマ「麒麟がくる」がきっかけで、明智光秀の人柄に興味はあった。最近、本能寺の変をめぐる歴史小説を読んいて、人名などいろいろとこんがらがってしまったので、こちらを読んだ。 戦乱の世の、「なんでもあり」の風潮で、己の力だけであすこまで出世した光秀はとてもバランスのとれた才能の持ち主であるとわかった。光秀は自分の生きていく信条を「器」にたとえ、周囲の武将を観察しながら「自分はどんな器になりたいのだろう」と模索しながら生きていく。結果、ずるいことを好まず、人への慈悲を大切にする「美しい器」の持った人間になりたいと思う様になる。 信長の理不尽な命令にも「背いたら殺す」の一言でやむを得ず従い、持って生まれた才能と、コツコツ積み上げてきた教養のおかげで、確固たる地位を築いた光秀であったが、「美しい器」になりたいという信条がアダとなり?信長を「悪」と思う様になってしまう。 信長亡き後、与力たちが、次々に光秀から離れて行ってしまったのは、人の心はうつろいやすいものだと感じた。 最愛の妻を亡くしたあとの光秀は、信長の暗殺というとてつもない「やばいこと」をしてしまっても、もはや失うものはなかったと思う。 光秀が天下をとることなく、この世をあっけなく去ってしまったのは残念であるが、信長を殺してしまったことは、これからも永遠に語り継がれる大事件だったと思う。とても大きなことをしでかした人だと思う。 本書では、光秀は秀吉を最大のライバルだと思っていて、自分にはない「器」を秀吉に感じていた。秀吉の伝記も読んでみたい。
投稿日:2024.01.11
赤木かん子【公式】
青い鳥文庫新刊情報 その4 11月のその他の文庫新刊情報を頂きました。 2019/12/11 更新
投稿日:2019.12.09
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