【感想】われわれはなぜ嘘つきで自信過剰でお人好しなのか 進化心理学で読み解く、人類の驚くべき戦略

ウィリアム・フォン・ヒッペル, 濱野大道 / ハーパーBOOKS
(13件のレビュー)

総合評価:

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ブクログレビュー

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  • shinshu

    shinshu

    【医学部図書館リクエスト購入図書】
    ☆信州大学附属図書館の所蔵はこちらです☆
    https://www-lib.shinshu-u.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BB29070767続きを読む

    投稿日:2024.05.01

  • rafmon

    rafmon

    ー コロモジラミのDNAの突然変異の数からは、我々の先祖が少なくとも7万年前には裸で走り回るのをやめていたと結論できる。

    ー ストロンチウムはカルシウムと同じように体内に取り込まれる金属で、主に骨や歯の中に蓄積する。古代人の歯のストロンチウム比が、その地域の岩盤の比率と一致すれば、歯の持ち主は、歯が見つかった地域で育ったことが断定できる。すると、大きめの歯はその場所の地質と一致したが、小さめの歯は一致しないことがわかった。一般的に男性の方が女性よりも大きな歯を持つため、近親交配を避けるため、集団が離れたのは女性である可能性が高いことがわかる。

    …という風に色んな証拠を辿りながら人類を解き明かしていく。サピエンス全史を含む、他の著書と重なる部分も多いが、こうした話は繰り返し読んでも楽しい。人類の「今」ある特性を分析し、その由来を探るのだから。その特性こそ、タイトルにあるような、自信過剰、嘘つき、お人好しという内容。勿論、お人好しじゃない人もいるが、平均的に、という話だ。

    一つ、本の中から引く。自信過剰の人々が成功しやすい理由は、競争の中でより威圧的であり、周りの人が直接対決を避けようとする傾向があるからだと。競争戦略上、自信過剰の方が得をするらしい。何だか実感に合わず、日本人には、でしゃばるような自信家は少ないように思う。感覚的には、自分より比較的劣る人と長期間共にした人は自信家になりやすい。そして、日本の偏差値教育システムにおいて、時々その典型例に遭遇する。イキり特性と共に。

    本書で語られる、人類の幸せについて。
    「共同体の一員になり、新しいことを学ぶこと」
    斯様に、共同体に寄りけりではありはするが。
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    投稿日:2024.02.03

  • 犬山犬男

    犬山犬男

    ちょっと分厚くて引くけど冒頭のシラミ3種から始まる実験・データ・解釈は人に話したくなるようなものばかり。文中紹介される本も読みたくなるものばかり。本筋自体はこの手の本(進化心理学)が好きな人にとって目新しくは無いかもだけど他の本との親和性もあって楽しくスラスラ読める本。10の提言も素直で終わり方もすっきり。テーマの難解さに関わらず読む側の敷居が低いのは本文のみならず翻訳の質も高いと感じた。続きを読む

    投稿日:2023.07.22

  • bosch

    bosch

    進化心理学の見地から、人類の進化を通して獲得としたヒトの知性、心理を検証していく。
    チンパンジーとの枝分かれ、森からサバンナへの移動から詳細に説明されていて、興味深く読める。すべての考察が様々な検証や心理実験から導かれているので、納得しながら読み進められる。
    やはり社会心理学より、進化心理学の方がどうしても納得できるかな。
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    投稿日:2022.12.25

  • みえ

    みえ

    ヒトの進化と生存戦略を社会心理学・進化心理学観点から述べている。
    暴論でまとめると、ヒトに永遠の幸せは訪れないらしい。
    本が厚揚げくらい分厚い。
    男女の違いにも触れており、特に好きなものが
    男性はひどいセックスをしたことよりも機会を逃したことを後悔するが女性は逆である という一文です。
    男性は繁殖に対するエネルギーは少ないが女性はすごく大きいから(出すだけと約一年お腹の中で育てる)

    人類は協力することで知能が発達し繁栄してきたと述べられている。(狩猟農耕など) 以前読んだ他の本でも人類が進化してきたのは、依存し合う(得意な人に任せる)ことで、脳にキャパができ、クリエイティブな発想が出来たからと書いてあった。つまり、何でも自分でやっちゃう人(できちゃう人)は進化が遅れている。
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    投稿日:2022.11.15

  • Sadahiro Kitagawa

    Sadahiro Kitagawa

    『サピエンス全史』や『銃・病原菌・鉄』のような人類学系の本。そういうジャンルの好きな人は面白く読めると思う。
    表紙や帯に書かれているような内容だが、今回面白いと思ったのは「赤道に近づくほど宗教、言語が増え、自民族中心主義になる」理由。熱帯地方ほど病原体の密度が高く、病原体への脅威こそが象徴的偏見の根本となるという。確かにそれはそうだと納得した。簡単にいうと、小さな集団を作り、他の部族との交流を最小化することで病気をもらわず生存確率を上げることができ、自然と言語や宗教も局所化する。
    日本は島国であった上に温帯だが湿気も多く病原菌が繁殖しやすいので村社会を形成しやすい民族を進化させたのだろう。
    他にもこんな話がたくさんあって楽しいですよ。しかし、『サピエンス全史』もまだ読んでない人はそっちも読んでくださいね!
    続きを読む

    投稿日:2022.11.05

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