【感想】産まなくても、産めなくても

甘糟りり子 / 講談社文庫
(20件のレビュー)

総合評価:

平均 3.8
4
9
5
2
0

ブクログレビュー

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  • ayakage

    ayakage

    妊娠、出産にまつわる短編集。卵子凍結や養子縁組などいろんな角度から描かれていた。最後だけ近未来の話で、将来こんな風にいろんな人が当事者になる場面があったら面白い。

    投稿日:2024.05.20

  • はな

    はな

    とても勉強になりました。妊娠や出産をテーマにしたお話が7つ入っています。「五つ目の季節」では涙があふれました。ラストの「マタニティ・コントロール」は珍しく近未来のお話です!

    投稿日:2024.05.02

  • まる

    まる

    このレビューはネタバレを含みます

    妊娠や出産などにまつわる7つの物語の短編集。

    女性なら一度は考えたことがあるような想いがつまっていたり、心が揺さぶられるような共感する物語もあったり。

    個人的には、「ターコイズ」と「五つめの季節」の物語が好みだった。

    最終話の「マタニティ・コントロール」は衝撃的だった。読む人によっては飛躍しすぎだとか、異色すぎると違和感を抱くかもしれない。
    だけど、作者が伝えたかった、いろんな選択といろんな正解という意味では読んで良かったと思えるし、そう遠くない未来もあるかもしれないと思えるような内容だった。

    「人生は、若くない女にどこまで意地悪なんだろう」

    あとがきにもあるように、産む人も、産まない人も、産めなかった人も、それぞれが解放されますように。

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    投稿日:2024.04.04

  • にしこ

    にしこ

    このレビューはネタバレを含みます

    妊娠中の私にとっては、とっても身近な話題。
    社会の仕組みや世間の意識が変わっても、産む生き物としての期限は変えられないー残酷だけれど、これが全てだなと。
    妊娠してから、嬉しかったことも多くあるはずなのに、我慢や制限、体の変化にモヤモヤ悩んで。
    どうして女性ばかりがこんなに負担を強いられないといけないのか、と旦那に当たる日もあった。
    でも、産む生き物(=女)としてこの世に誕生した以上、自分の努力ではどうにも出来ないことだよなと少しだけ納得。

    短編集になっていて、弁護士、ランナー、会社員等の女性が妊娠出産について悩み、決断する話。
    卵子凍結、不妊治療、流産、仕事か妊娠出産育児かの二択...女性としてはどれも共感できる内容でした。

    最後のマタニティコントロールはちょっと異質。
    男性も出産可能な世界なんて来るのでしょうか。
    未来の状況を少し考えさせられた。

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    投稿日:2023.11.01

  • nami

    nami

    妊娠、出産をめぐる七つの物語。医療の進歩で出産可能年齢は高くなっているとはいえやはり制限がある。女性の生き方が多様化してるから出産する、しないは自由だ。それでも母性本能というものがあり出産に囚われる時期もあるのではないか。子どもを欲しいと思う気持ちでなかなか授からないカップルの悩みは経験者にしか解らないのかもしれない。この話も共感できる人とそうでない人に分かれそう。続きを読む

    投稿日:2022.10.09

  • サマー

    サマー

    妊娠、不妊、出産に関する短編集。
    私と同じ職業の人が登場すると知り、興味がわいて読んでみた。

    読みながら「この本はきっと、取材をたくさんして書いたものなんだろうな」と思った。
    なぜそう思ったかというと、同じテーマ、似たテーマで、ここまで様々な切り口で短編を揃えるのは、個人の想像力だけでは無理なのではないかと思ったことと、登場する人たちの話の内容に、何か裏付けがあるような説得力を感じたからだ。
    実際、本編の後には取材先への感謝が記されていたけど、取材先は、医療関係(複数)、法律事務所、会社名団体名からは業務内容までわからないもの、とにかく様々でたくさんだった。

    私自身は子どもが一人いるけど、産後体調を大きく崩してしまい、仕事復帰してからは、とても苦しい日々を送った。体調を維持するために、今でも服薬を欠かせない。
    そんなこともあって、私自身の心と体のキャパシティの問題で、「私はもうこれ以上の妊娠出産は無理だ、この子は一人っ子だ」と決めた。
    そう決めても、心のどこかで「35歳を過ぎてしまったな、今からでは高齢出産だな」「もう一人産もうとしたら、私何歳になるかな」などと、もう一人の子どもがいる可能性が何度も頭をよぎってしまう。
    自分でその可能性を消しておいて、未練がましいと思う。
    でも、そういう私なので、この本に登場する人たちの「明確にならない気持ち」に、すごく共感した。

    妊娠と出産には、タイムリミットがある。
    卵子凍結ができれば、タイムリミットがなくなる(先延ばしされる)から良いのか?といわれると、そういうことでもない。
    だって、その後の育児の方がはるかに大変なのだから。
    だから、正解はない、多くの人が悩むことなのだ。
    作者の甘糟さんは、女性たちを産む、産まないのプレッシャーから解放したいと思っているらしい。そんなふうに思ってくれる人がいて、実際にたくさんの取材を経て本を書いてくれている。
    正解のない問題に悩んだ私からしたら、その事実だけで、十分に嬉しい。
    妊娠出産子育てに孤独はつきものだ。でも、会ったこともない誰かが、気持ちを寄せてくれてる、それだけで少しは孤独が和らいだりする。
    この本を読んでいて、この本に登場する女性達は、悩みを共有できる心の中の友達みたいな…そんな風に思えた。ありがとう。
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    投稿日:2022.09.24

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