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澤地久枝 / 講談社文庫 (2件のレビュー)
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総合評価:
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nakaizawa
(2013.09.27読了)(2000.02.21購入) 副題「愛の永遠を信じたく候」 啄木の作品は一通り目を通したので、ついでに啄木について書かれたものも読んでみました。啄木の妻の節子さんの評伝です…が、啄木を語らずしてその妻を語ることはできないので、啄木のことも多く語られています。 貧困・怠惰・病、なんともやりきれない気分です。 お寺の坊さんだった父。啄木が学校を中退して、東京に出たけど、病を得て寝込み、その啄木をつれ戻すために檀家の木を伐採して資金を作り、東京へ向かう父。 その結果、父はお寺から追い出されてしまい生活の基盤を失った。 啄木は節子と結婚し、生活を支えるために、教員となったが、給与が安いので、単身で、北海道に渡った。 生活が安定しそうになるたびに、外部からのやむを得ない事情や啄木の怠惰で、また他へ移るという生活が続く。 少しずつ病が進行するが、貧困のため、十分な栄養が取れず、また、医者にも十分にかかれず、若くして亡くなってしまう。 お金は、友人・知人にずいぶん借りざるを得なかったようだ。家財道具・衣類・等も質屋に消えていった。お金が入ると、花を買ったり、遊興したり、気前よく若い知人にあげたり、と計画性がない。 芸術家と言うことなのでしょうか。20歳代で一家の生活を支えるということ、文学方面をやりたいけど、詩や短歌では、収入にならず、小説は売れるほどのものが書けない。 ジレンマのなかで、貧困と病のなかで、行き詰まった。 【目次】 雪の跫音 処女詩集『あこがれ』 つかの間の平安 北海漂泊 〝半独身者〟 女教師節子 「喜之床」二階 跳梁をはじめるもの 義絶 節子の節操 あいつぐ死 残された命 単行本あとがき 1981年5月 文庫版あとがき 1984年早春 石川節子・啄木略年譜 ☆澤地久枝さんの本(既読) 「滄海よ眠れ(1)―ミッドウェー海戦の生と死」澤地久枝著、文春文庫、1987.06.10 「滄海よ眠れ(2)―ミッドウェー海戦の生と死」澤地久枝著、文春文庫、1987.07.10 「滄海よ眠れ(3)ミッドウェー海戦の生と死」澤地久枝著、文春文庫、1987.08.10 「家族の樹―ミッドウェー海戦終章」澤地久枝著、文春文庫、1997.05.10 ☆石川啄木さんの本(既読) 「あこがれ 石川啄木詩集」石川啄木著、角川文庫、1999.01.25 「石川啄木集(上)」石川啄木著・古谷綱武編、新潮文庫、1950.05.10 「石川啄木集(下)」石川啄木著・古谷綱武編、新潮文庫、1950.07.15 「一握の砂・悲しき玩具」石川啄木著、新潮文庫、1952.05.15 「ROMAZI NIKKI」石川啄木著、岩波文庫、1977.09.16 「新訂版 石川啄木」金田一京助著、角川文庫、1970.11.20 「拝啓 啄木さま」山本玲子著、熊谷印刷出版部、2007.11.13 (「BOOK」データベースより)amazon 初恋の人・石川啄木と結ばれた節子は、誰よりも早く彼の天才を信じた人だった。二十歳で結婚して二十七歳で亡くなった短い生涯は病気と貧困と家庭不和に脅かされ続けた。命がけの献身によって啄木の芸術を支えながら、生活に追われて心は次第にすれ違っていく。妻を描いて等身大の啄木を鮮やかに浮かばせる、伝記文学の傑作。続きを読む
投稿日:2012.11.27
zoologic
啄木の妻としての一生。病苦と貧苦にまみれた結婚生活。啄木と同じく27年に満たないその短い生涯を、わたしは不幸とも幸福とも判断することができない。
投稿日:2012.11.25
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