【感想】ムーミン全集[新版]7 ムーミンパパ海へいく

トーベ・ヤンソン, 小野寺百合子 / 講談社
(7件のレビュー)

総合評価:

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ブクログレビュー

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  • フラニー

    フラニー

    これは8月末から10月3日までのお話し。

    夏の終わりのある日、パパは、手もちぶさたに庭を歩いていた。しなけらばならないことは、すっかりやってしまったか、他の誰かがやってしまったように思い、悲しげに…
    ってつまり、自分が家族から頼りにされないことが気に入らない男なんですよ、このパパは。(新版訳者の畑中さんいわく、このパパはトーべの父そのものだろうと。)

    ママがパパの地図を見て、私たちはここに住みつくのだとムーミントロールに語ります。
    そしてその通り、一家は灯台のあるパパの島へと引っ越すことになるのです。(この時の一家とは、パパ、ママ、ムーミン、ちびのミイの4人!)

    島には小さな漁師が住んでいる他にはだれもいない、何もない。
    パパは灯台に明かりを灯したいのに、明かりの付け方が分からない。
    ママは、お庭が恋しくて壁に絵を書き始める。
    ムーミンは、うみうまに夢中。
    ミイ…この子だけは、どんなときもいつも通り。

    前半はとくに、ママがパパをやたらとたてることに胸が締め付けられて(頭にきて)しまう。
    もうパパの勝手さには終始辟易…
    ムーミンも自立心を顕にします。そして恋を知る?
    スノークのお嬢さんを差し置いた、本物の恋?

    ムーミン谷から明かりを求めてついてきたモランもいます。
    このモランが…モランと4人の関係に注目の巻でした。

    ママからも目が離せません。
    この島では大切なママのカバンを持ち歩かなくなってしまったり…
    家族のお世話もおろそかに、壁に絵を描き始めたりするのです 。
    それはまるでトーべの仕事のようだと私には思えました。トーべが本当にしたい仕事を、そこに描いたかのようです。

    今回も私がたまらなく好きだったのはなんといってもちびのミイ。名言あるいは迷言にあふれています。
    最高なのはこちら
    続きを読む

    投稿日:2022.09.19

  • しろ

    しろ

    このレビューはネタバレを含みます

    ムーミンのお話は、ファンタジーの皮を被ったトーベの哲学や道徳の主張だと思っていて、この巻は家族の在り方について書いてるのかなと思った。

    ムーミン谷の家にはいろいろな住人がいるから、「家族」について言及するためにこうして最少人数で島へ行くストーリーにしたのかな、とも。

    ムーミンパパは父親らしいことは何一つせず、家のことはママまかせ。それなのに父としての威厳は大切(昭和的価値観)、でも自称冒険家としてのプライドや自由さも捨てたくない。ただの大きな子どもだし、本当の子どもよりタチが悪い。

    自由奔放なパパ、島に来てたくましくなりママ離れしたムーミン。そんななかでママがひとりノイローゼ気味で可哀想だった。ミィが一番まとも。

    ムーミンの世界を解説している他の本で「ムーミンパパとママはトーベの両親そのもの」という記述を見た。本当にそうだったのかも。

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    投稿日:2022.08.26

  • 猫町倶楽部

    猫町倶楽部

    【オンライン読書会開催!】
    読書会コミュニティ「猫町倶楽部」の課題作品です

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    投稿日:2022.08.13

  • まさき

    まさき

    このレビューはネタバレを含みます

    独善的で厚顔無恥なムーミンパパがとても苦手
    この話はムーミンパパ炸裂しっぱなしで苦しかった
    早く谷にお帰りよ

    リトルミイが1番まともに見える状況

    嵐がやってくるまでの島を取り巻く環境の変化や、モランから逃げる木々や砂など、自然の描写は迫真
    人間らしい嫌な自意識も誤魔化さず書かれていて、感情の機微の描写も繊細で読み応えがある
    けど、それを上回るムーミン一家の延々と続く場違い感とムーミンパパの独壇場による嫌悪感

    灯台守登場での居た堪れなさよ…

    苦手だけれど、ムーミンパパに感情移入してしまっているからこそ居た堪れないのかもしれない
    辛い

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    投稿日:2022.05.19

  • なつく

    なつく

    ムーミンパパ海に行く…っていうか灯台守になるっていったほうがいいお話。まあ灯台の明かりはつかなかったんだけど。失ったと思ってたものが再び元に戻ってくる話…と思っていいのか? ママがとても可哀想になるのと同時に、私もムーミン谷が恋しくなってしまったw ミィがいつの間にか養女になっていたり、ムーミントロールがミィには結構辛辣だったり驚いた。続きを読む

    投稿日:2021.01.10

  • AUsako

    AUsako

    ムーミンパパが中年の危機?を起こして家族を連れてムーミン谷から孤独な島に移住するお話。
    島は岩でゴツゴツしてパパ憧れの灯台も灯がつかずボロボロ…リーダーシップを見せつけようとするパパの行動もイマイチよく分からない。自分だったら「クソジジイ!こんなことに付き合ってられるか!!」とキレてなんとか島脱出を図ろうとすると思いますが、ママもムーミントロールも健気です。
    半分くらいそういったうまく行かない島での生活のお話なので、読み進めるのに少し気力がいりました。
    ミイは『ムーミン谷の冬』同様なんでも楽しめる気質なんですね。このお話ではミイのセリフ・行動のキレがすごいです。そういった力強いセリフと、うみうま、モラン、漁師などの不思議な登場人物とムーミン一家の交流、最後の急展開でなんだかんだ読んでよかったなと思えます。
    挿絵の線がシャープでなんだか不穏な印象を受けるとともに、単純化されたムーミントロールの形になにか完成に向かっていっているような気迫も感じます。
    続きを読む

    投稿日:2020.11.15

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