【感想】なぜヒトは学ぶのか 教育を生物学的に考える

安藤寿康 / 講談社現代新書
(15件のレビュー)

総合評価:

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ブクログレビュー

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  • ざき

    ざき

    教育と遺伝の関係はタブーという風潮もある中、明確に影響すると示しており、学ぶところが多かった。特に一般知能説と多重知能説の違いを学べたことは大きな実りだった。

    投稿日:2023.09.25

  • shinshu

    shinshu

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    投稿日:2023.04.28

  • sho012b

    sho012b

    このレビューはネタバレを含みます

    【感想・メモ】
    ・つまるところ、人それぞれ。
    ・遺伝はまだまだ未知の領域が広そう。

    【内容】
    なぜヒトは学ぶのか?
    → 人間は進化の過程で遺伝子を残しつなげる(生きる・生き延びる・命を繋ぐ)ために「教育」というものを獲得したから。
    ・教育とは、知識や技能を持つ個体の利他的な行動によって、知識・技能を持たない他の個体に学習が生じることを言う。
    ・学習とは、得た知識・技能によって行動を変化させられるようになること。
    ・全ての能力は遺伝的である。が、それが全てではない。
    ・自分に合うテーマを、自分(の遺伝子)に合う仕方で学ぶことが大切。
    ・その人が、その人の人生にとって、本当に使うことのできる知識を身につけることが大事(→闇雲に学んでも無駄)

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    投稿日:2022.02.07

  • rafmon

    rafmon

    この本は、分かったつもりになっている事、あるいは、肌感覚として理解している事を、しっかりとした言説で言語化し、スッキリさせてくれた。

    先ず目を引いたのは、人間の3大欲求についての考察。性欲、食欲とあと一つ。睡眠、排泄はそうだが、別に何か獲得が必要な外部に向けた欲の類ではない。この本では、それを学習欲としようと。生きるための知識、経験を得ること。そして、それを同じ種である人間に伝え、共有する。ここに、教育の本質があるようだ。幼児ですら、利他的に振る舞ったり、見つけたものを〝教える“行動を取る。

    これが人間の形質ならば、自粛警察や論破の理屈なども分かってくる。人間のもつ社会性にはルール、つまり、知識や規範の共通化が必要であり、その適用について、人は本能的な側面を持つことから、教育が効力をもつ。学校教育に限らず、世の中のルール全てについてだ。先の自粛警察は、この本能に従い、他者への想像が欠如した形で、押し付けを行う。論破は、ルールの解釈を巡る勝ち負けの決着だ。それは、あなたの感想ですよねでは済まさず、必死に反論する事がしばしば。

    こういう考え方を知ると、人間をまた違う角度で見てしまう。承認欲求、支配欲、ルールへの固執、宗教、哲学。社会性を生むための学習欲が、形を変え、もしかすると、人間社会における対立の根源の一部になっているかも知れない。
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    投稿日:2021.12.30

  • だーち

    だーち

    このレビューはネタバレを含みます

    教育を生物学的観点(遺伝や脳)から解き明かした本。
    答えのなかったこの問いに一定の答えを論理と事実から与えてくれたことはとても大きい。
    ある程度の生物学、心理学、教育学的知識が必要なため、読み応えはそれなりにあるが、関心のある人なら読んで損はない。

    教育成績の多くは遺伝で決まる、というのは過激な一文に聞こえるが、逆に多様性を無視して学業成績を全て努力に帰す方が差別的であり、多様性に合わせた教育の重要性を考えさせられた。

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    投稿日:2020.02.16

  • reso100

    reso100

    行動遺伝学(Behavior Genetics)から言えることは、学業成績に影響するのは、遺伝が50%、家庭環境の違いが30%、先生の教え方や本人の中で変えられる要因の違いはわずか20% である(p135).さらに行動遺伝学の三原則(p159)を示しており、1 すべての行動は遺伝的である(遺伝の普遍性)2 家族が類似するのは環境が類似するからではない(共有環境の希少性)3 個人差の多くは一人ひとりに固有の環境による(非共有環境の優越性).まとめると、"いかなる行動の個人差も、遺伝だけからでも環境だけからでもなく、遺伝と環境の両方の影響によって作られている." 遺伝の影響があることはよく耳にするが、ここまで具体的に研究されていることは驚きだ.続きを読む

    投稿日:2019.06.23

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