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佐伯一麦 / 中公文庫 (2件のレビュー)
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キじばと。。
著者自身をモデルとする、東北に暮らす作家の早瀬と、その妻で染色作家の柚子の、震災から三年が経った日々の暮らしを綴った作品です。 植物や野鳥など生活に身近な自然の営みをていねいに観察し、近所に暮らす人…びとと交流するありさまを通して、静かな日常がえがかれていますが、これらの出来事が「震災以後」というエポックにおいて作品世界が構築されていることに読者は注意を向けざるをえません。こうした何気ない日常がいつ何時うしなわれてしまうかもしれないということを知ってしまった者の視線を通して見られた日常の風景であり、同時に、そのような危機に直面しても完全に壊れてしまうことのない、自然と人びととのつながりに対するたしかな信頼が、本作の全体を通じて見られる静謐な雰囲気をかたちづくっているのだと思わされます。続きを読む
投稿日:2019.10.11
中央公論新社
大震災三年後の東北。移りゆく自然とめぐり来る季節がさりげなく前を向かせてくれる−−。作家の早瀬と染色家の柚子、夫婦のある一年。〈解説〉小山田浩子
投稿日:2019.03.11
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