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村田沙耶香 / 河出文庫 (256件のレビュー)
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総合評価:
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ぞな
このレビューはネタバレを含みます
今、この男性と女性の境界が曖昧になりつつあるこの時代にこの本を読めてよかったと思う。 最初は世界観に置いていかれる感じがしたが、読み進めるうちに「そっちの世界も悪くないな」と思い始めた。 「不倫している夫婦の割合は○割」とかいう記事を読む度、夫婦で恋愛をすることには限界があるのかなとも感じている。家族愛と恋愛は別にした方が合理的にも感じる。 思えばこの世界には「好きだからこそ性行為に及ぶ」という価値観はあるものの、「ヤリモク」は毛嫌いする。それは完璧に仕分けられないし、自分の中でもどう違うのかを説明できない。その境界の薄気味悪さは常に感じていたが、この作品を通してその僅かな違いに気づけそうになった。 ただ、楽園の世界には順応できそうにはない。子孫繁栄のためだけに生きることは人間の本質であるのは間違いないが、考え方や個性まで統一化してしまっては人間である意味も失ってしまうと感じる。 主人公は最後狂ったのかと思ったが、狂った世界に一石を投じたと思う。あの子供ちゃんが行為をみんなに広め、楽園に性行為が広まれば、どうなるのだろうか。母親のことも気がかりだ。 性にあけすけな話が苦手で、これまでこういった話は避けてきたが、本当に考えさせられる話だった。作者の他の本も読みたいし、他の人の感想も読んでみたいと思う。
投稿日:2024.05.20
つるあつ
家族を合理的合理的にしようと考えると そうなるのか‥ 人それぞれですが 気持ち悪い 怖くないですが絶妙な気持ち悪さ 村田沙耶香さんの世界 私は好きです。
投稿日:2024.05.13
ぷぷた
千葉県自体が楽園になるような極端さはなくても、いつか核家族や少子高齢化対策として「各家庭ではなく社会全体で子供を育てる」「性行為をしなくても合理的に子供を産める」ような社会になっていくかもしれないなと思った。朔が妊娠をした時も、男性の出産がリアルに描かれていて遠くない未来に実現するかもしれないと思うと複雑な気持ちになった。 合理的に、機械的に変化していっている世の中だけど、家族の形は無くなってほしくないな。
投稿日:2024.05.12
minto
途中でちょっと気持ち悪くなった。 今ある「こっちの世界」を否定されているというか、今後ありえなくもない世界観の「あっちの世界」に引いてしまったのかもしれない。
ゆーご
人間の本能や価値観が変容する様が巧みに描かれ、世界観は極端だと思うものの、我々の生きる現代の価値観も不変ではなく、本作のような展開、進化を遂げてもおかしくないと思わされた。 「世界で一番恐ろしい発狂は『正常』である。」という本作でも重要な提起の一つについて、その意味を掴みきれなかった気がする。正常であるとは、異常の中で正常を保つことなのか、異常な世界に順応することなのか、他の人の感想を聞きたい部分でもある。 いかれた設定を成立させ、その設定の中で起こりうることを解像度高く描写している。普段から世界をどう見ているのか、クレイジー村田には恐れ入る。
投稿日:2024.05.11
☁️
この本を読んで感じたことは、「私たちの未来はどんな繁殖形態をとっているのだろうか」ということです。 「子供ちゃん」は幸せなのか? 私には「生身のアンドロイドを作っている」そんな気がした楽園という場所でした。
投稿日:2024.05.02
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