【感想】テクニウム――テクノロジーはどこへ向かうのか?

ケヴィン・ケリー, 服部桂 / みすず書房
(27件のレビュー)

総合評価:

平均 4.0
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ブクログレビュー

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  • かわい

    かわい

    テクノロジーの話は後半の方で議論されている。
    前半は、そもそもの文明の起こりについての記載が多かった。
    後半を読むと、今後のテクノロジーの展望など、著者の意見が多数反映されているように思う。
    テクノロジーの行く末はどうなるのか、ということに関して一つの視座を与えてくれると思うが、個人的には、話が難しく、あんまりよく分からなかった。
    哲学書の読解が苦手なので、今後も定期的に読んでいきたい。
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    投稿日:2024.01.06

  • Mkengar

    Mkengar

    2014年に日本語版の初版が発売されていますので、それからだいぶたちますがやっと読む機会があり、読了しました(2022年に読了)。読み終わった直後の感想ですが、もり沢山の料理を堪能したような気分です。本書でケリー氏が主張したいことを一言でいうなら、テクノロジーにも生命的な進化の流れがあること、それを「テクニウム」と表現し、具体的なキーワードとして、複雑性、多様性、専門性、偏在性、自由度、相互性、美しさ、感受性、構造性、進化性などが高まることが述べられています。このあたりのキーワードは、ケリー氏の次の本である「インターネットの次に来るもの」に引き継がれているのだと思います。

    テクノロジーは生命的であり、かつこのトレンドは今後より明確になっていく、という主張はかなり突飛とも言えますが、私は個人的には共感できました。厳密な意味での生命があるかどうか、という意味ではなく、「生命的」なふるまいをするであろうこと、それはAIの登場で明らかだということです。本書を読んで思い出したのが新スタートレックに登場するデータというアンドロイドです。このデータは少佐という階級なのですが、あるエピソードで、データが人なのかモノなのかについてピカード艦長と司令部の間で大きな議論に発展します(タイトルは覚えていませんがすごく感銘を受けたのを記憶しています)。その意味ではケリー氏の問いかけは数百年後も結論の出ていない論点なのかもしれません。

    また本書を読んで思い出したのが岩井克人氏による法人論です。こちらは全くテクノロジーとは関係ありませんが、岩井氏は日本人が「法人」をヒトとしてみていること、対する欧米人は法人を「モノ」とみていることを指摘しています。もし日本人が「法人」をヒトとして見ているのなら、テクノロジー(あるいはテクニウム)を生き物とみることもあながちずれていないのではないか。近代社会はすべてのものをイチかゼロで弁別したがりますが、それこそ量子コンピュータが日常生活に浸透してくるころには、「A or B」ではなく「A and B」という世界観こそが正しくなるでしょう。そしてそうなればなるほどケリー氏のテクニウム観は説得力を増しているのではないかと思いました。
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    投稿日:2023.05.08

  • marcopolo

    marcopolo

    いろいろ考えさせられる内容である!
    アーミッシュが、脱炭素原理主義者のように技術を全否定するのではなく、使ってみて評価して使い続けるのかを決めると言うのは興味深かった。

    投稿日:2022.12.07

  • echigonojizake

    echigonojizake

    面白いのだけど、概念の理解が難しい。それの過程自体を楽しみながら読みました。

    ちゃんと理解できていないであろう前提で。テクニウムという視点で世の中を見ると、GAFAなどのプラットフォームが権勢を誇る現代の理解が進むかもしれない。続きを読む

    投稿日:2022.01.30

  • mamo

    mamo

    雑誌"Wired"の創刊編集長のケヴィン・ケリーによるテクノロジーの「進化論」。

    テクノロジーの総体、システムを「テクニウム」と名付けて、それが生物の進化同様の動きをしていることを説明するにとどまらず、物質や宇宙の進化、生命の進化、そしてテクニウムの進化を一つの進化の大きな流れとしてとらえる。

    ダーウィンの進化論にもとづきつつも、それ自体がある種の目的性というか、方向性をもっており、かならずしもランダムな変異と淘汰だけのものでないと論じている。

    ここは、議論が分かれるところであろうが、著者は、神秘的なものではなくて、複雑系的な秩序が自己組織化し、一定の方向感をもって、進化することを主張していて、結構な説得力がある。

    もっとも、技術自体については、日頃、あまり考えていないので、議論として実感をもって理解できないところもあるので、主張がどのくらい説得力があるのかは、わたしにはよくわからない。

    そして、そうしたテクノロジーと人間はどう付きあうのかが、もう一つの大きなテーマ。著者は、過度な悲観論にも、楽観論にもよらず、一定の距離をおきつつ、テクノロジーとつきあおうという感じかな?

    というと当たり前の結論ぽいけど、途中で、アーミッシュのコミュニティのテクノロジーとの関わり方の話しが、結構、丁寧に記述されていて、彼らがなんでもかんでもテクノロジーを拒否しているわけではなく、一つ一つをじっくりと検証しながら、どうそれと向き合うか時間をかけて考えているというところが、とても印象的だった。
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    投稿日:2021.11.16

  • xxin5

    xxin5

    すでに面白い。テクノロジーやクリエイティブに対する捉え方が柔軟で新鮮。社会の動向を描いた本の中でも何歩も先を行く内容だと思う。

    投稿日:2021.03.17

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