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文野さと, 上原た壱 / レジーナブックス (2件のレビュー)
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総合評価:
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大吉堂
その結婚はかりそめのものだった。祖父の親友から請われてマリエは彼の孫の元に嫁ぐこととなった。 ネット発の小説で表紙は華麗なイラストに飾られ、主人公マリエには親しい人以外が色のない灰色に見える目がある…。そのため読み始めるまではラノベや少女小説の雰囲気が強いのだと思っていました。 確かにその要素は強く読みやすく登場人物も個性が際立っているのですが、それよりも強く思ったのは「赤毛のアン」や「風と共に去りぬ」のような大河小説の雰囲気でした。それは舞台設定によるものも大きいのかも知れません。その作品世界の雰囲気に身を委ねて読むのは、実に楽しかったのです。 辺境の町に育った働き者のマリエと、鼻持ちならない冷淡な性格のエヴァラード。ふたりはエヴァラードの祖父の望みを叶えるため、祖父の死まで夫婦であるように見せ掛けようとする。そんなかりそめの夫婦だけれども、マリエは一緒に暮らすのだからと誠心誠意エヴァラードに仕える。 やられたら倍返し!みたいなヒロインの小説をよく読むせいか、マリエの言われるままに仕える姿にはじめは戸惑いを感じました。しかしマリエはただ耐え忍んでいるのでなく、何事もさらりと受け流す術とやるからには完璧にやりたいという前向きさを感じたのです。そこで感じた好印象はそのままエヴァラードの胸中にも忍び込んでいくものとなっているのでしょう。 読み進めていく内に実はマリエもエヴァラードもある意味鈍感で、その鈍感さが物語に起伏を与えているのではないかと思えてきました。 全2巻の物語。さてどう帰着するのか楽しみです。続きを読む
投稿日:2019.10.07
ユエ
自分の抱く感情によって目に映る色が鮮やかに見えたり、灰色に見えたりするマリエンティーナ。けれど祖父の昔からの親友だという老紳士の姿はマリエには最初から色鮮やかに見えていた。そんな淡い想いと憧れを抱く老…紳士ヴィリアンに頼まれ、彼の孫と結婚することを決めたマリエ。けれどエヴァラードに初めて会った時に彼の姿は灰色にしか見えなかった。その上、エヴァラードはこの結婚は祖父が亡くなるまでの仮初めのものだと断言し、マリエに辛く当たる。けれど敬愛するヴィリアンのため、エヴァラードが結婚生活を快適に過ごせるよう様々な気遣いを見せる。そのうち、エヴァラードもそんなマリエを無視できない存在として認識するように…。 旦那は胃袋を掴め!というがまさにそんな感じの話(笑)健気に旦那様のために尽くすマリエに対するエヴァラードのあの仕打ち。序盤は腹立たしさを感じましたが、中盤から後半にかけてマリエのことを好きになっていくエヴァラードが苦労し始めるので、それで勘弁してやろう(笑)続きも出ているようなので読むのが楽しみ。続きを読む
投稿日:2015.07.30
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