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円居挽 / 講談社タイガ (17件のレビュー)
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総合評価:
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かとのひも
ミステリー・アンダーグラウンドゲーム。 運営が用意したラウンドで、都度マッチングされる5人のプレイヤーが謎に挑む。 「フーダニット」「ハウダニット」「ワイダニット」「ウェアダニット」「ウェンダニット」…「ワットダニット」 1ラウンドで5w1hのいずれかの謎を解くたびに、バングルに1つずつ光が点く。6つ、集めるとゲームクリアだ。 その様子は配信される。 ただ、このゲームに一般社会のルールは無い。ゲーム内で事件が起こったとき、プレイヤーの解く謎は、運営の用意したストーリーではなく事件に移る。 事情を持つ中学生の少女と斜に構えた男性の師弟コンビが謎に挑む。 ☆背景がわからないまま突然物語が始まる。世界観の描写はほぼ無く、乾ききったミステリーゲームへの没入。背景に文章を割くのがもったいないというくらいの潔さ。 ☆読者もミステリーの構成の勉強になる。 ☆バーチャル空間と思いきや、現実。続きを読む
投稿日:2021.06.14
mktr
5W1Hそれぞれの謎に対し、講義を挟みながら解決していく連作短編集。舞台設定も特殊で少しマニアックな作品。大技こそないもののそれなりに楽しめた。
投稿日:2021.06.02
講談社タイガ
「君に謎の解き方を教えよう」少女ノゾムが、難病の治療法を見つけるために参加したデスゲーム。条件はひとつ、謎を解いて生き残ること。奇妙な青年カタリは、彼女に“Who”“Where”“How”などにまつわ…る、事件を推理するためのレクチャーを始める……! 広大な半球密室、水に満たされた直方体、ひしめく監視カメラ、燃え上がる死体。生き残るには、ここで考えるしかない――。続きを読む
投稿日:2020.09.03
やまだん
このレビューはネタバレを含みます
○ 総合評価 ★★★☆☆ 〇 サプライズ ★★★☆☆ 〇 熱中度 ★★★☆☆ 〇 インパクト ★★★☆☆ 〇 キャラクター★★★☆☆ 〇 読後感 ★★★☆☆ いわゆるデスゲームを描いた小説。設定についての説明がなく,いきなりゲーム真っ最中というところから始まるので,何かのシリーズの1作かと思わせるところから始まる。第1話「フーダニット・クインテット」の中で,少しずつゲームの詳細が明かされる。 プレイヤーは5W1Hの全ての謎を解けば望みがかなえられる。また,ゲーム終了後に精算されるメネアドルを集めることで財産を築くことができる。メネアドルは視聴者からの人気を得たり,ゲームを盛り上げれば獲得できる。すなわち,このデスゲームは放送されており,視聴者が存在する。 ヒロインはノゾムというプレイヤーネームの少女。友人がガラテア症候群という重い病気を患っている友人の病気の治療法を解明するために,デスゲームに挑んでいる。ノゾムがカタリという人物に出会うところから,この物語は始まる。 フーダニット,ハウダニット,ワイダニット,ウェアダニット,ウェンダニット,ワットダニットの6つの短編が存在する。物語が進む中で,ヒロインのノゾムもガラテア症候群であることが分かる。カタリと出会うことで成長をするノゾムの物語でもある。最後のホワットダニットでノゾムは,復活した(復活させられた?)カタリとの推理ゲームに挑むというところで物語が終わる。 設定はそこまで練られているというわけではなく,デスゲームとしてはありがちな設定だといえる。個々の短編の謎は及第点ではある。ノゾムとカタリや,それぞれのゲームでのプレイヤーとして出会う人物も,そこまでしっかりと描かれているとは言えない。それでもそこそこの面白さと感じた。そこまで練られていない設定でも,それなりに面白く描けるところに,円居挽の物語づくりと語り方の上手さが感じられる。お約束といった展開であり,傑作とまではいえないが,デスゲーム小説として十分楽しめる作品ではある。★3で。 〇 フーダニット・クインテット 犯人が,物語の語り手=カメラマンだったというオチの小説。犯人であるサイトは本物のカメラマンを殺害し,カメラマンになりすましていた。そして,カメラマンに成りすましてカタリを殺害し,バングルを奪おうとしていた。神の視点で描かれていると見せ掛けて,カメラマン=サイトの視点で描かれているという叙述トリックが仕掛けられている。カタリからノゾムに対し,フーダニットについての講義も書かれている。説明不足の部分があり,いきなり物語が始まるので入り込むまで時間が掛かるのが難点。★3で。 〇 ハウダニット・プリンシプル イスカと名乗っている人物がカタリだったという叙述トリックが仕掛けられている。 カクライの推理。広大な半球の密室で起こった殺人。タンプクは多量の水を入れてファリスを殺害する。しかし,ファリスが多量の塩を水に溶かしたために,タンプクは沈むことができず,酸素ボンベの酸素が無くなり死亡したというもの。 イスカ=カタリの推理は片栗粉を使ったウーブレック。ウーブレックに沈んでファリスは死に,ウーブレックの上を走ったタンプクは槍を踏んで死んだというモノ。 視聴者の人気がカタリの推理を勝たせたというオチ。イスカ=カタリの叙述トリックなどは面白いが,実はカクライの推理が正しかったのかもというオチは分かりにくい。★3で。 〇 ワイダニット・カルテット 焼死体が見つかる。その焼死体を殺害したのはオウンを殺害したマルイだった。マルイはバングルをすり替えるためにオウンを殺害し,オウンと入れ替わった。カタリがかつてオウンだったことから,オウンとマルイの入れ替わりを暴く。 カタリがなぜ,5つクリアしたバングルをオウンに渡したのかといった謎も出てくる。物語としては既にイスカとカタリの入れ替わりがあったのでそこまで驚けない。入れ替わりのトリックが続くのは難点。それでも及第点ではある。★3で。 〇 ウェアダニット・マリオネット 自分達がどこにいるのかを解くという設定。真相は天井に張り付いていたというもの。ビデオは逆回転。水中花と思えば空中。そして逆さになっていたという全てが逆さまのラウンドだった。面白くないわけではないが,ウェアダニット=どこにいる?という謎がそこまで魅力的でないのが難点。★3で。 〇 ウェンダニット・レクイエム カタリが殺害され,ノゾムが容疑者になる。探偵役はカクライ。カタリがいつ死んだのかが謎を解くポイントになる。真犯人はカタリ。死んだように生きていたカタリが自分の命の使い道を考えていたというのがノゾムの推理。ノゾムが推理で,手紙がダストボックスに捨てられていたことを見抜いたので,カクライが自分の犯行を認めた。面白くないわけではないが,明らかにネタ不足なっている。そもそもウェンダニット=いつ死んだのかという謎は面白い話にするのが難しいだろう。★3で。 〇 ワットダニット・デットエンド ノゾムが,このゲームが愚か者による愚か者のためのショー。それこそがこのゲームの正体であり,隠されていたワットダニットです。とこのゲームに隠されたワットダニットを暴いてゲームをクリアする。ノゾムは稼いだメネアドルを使ってガラテア症候群の治療プロジェクトを発足させ,5W1Hのクリア報酬としては,最初からゲームに参加させてほしいという。そして,ノゾムがゲーム続行を望む理由を,ノゾムから運営と視聴者に対して贈る謎とする。その謎の答えは忘れられないようにするため。誰かが謎を解こうとノゾムのことを思い浮かべる限り,ノゾムは死なないと考えた。そして,ノゾムと復活したカタリの再会と対戦を予期させるような終わり方をする(続編があるのか?)。 面白くないとは言えないが,オチとしては想像の範疇。よくできた話ではあるが,よくできた話どまりのオチ。★3で。
投稿日:2019.12.10
花嵐
レクチャーミステリという触れ込みだったのでちょっと退屈な内容かもしれないと思っていたんだが想像より面白かった。それに「フーダニット」「ハウダニット」「ワイダニット」だけでなく「ウェアダニット」「ウェン…ダニット」「ワットダニット」を作中で謎と共にそれを解決させる方法を語ったところはミステリ初心者以外でもなかなか面白く読めると思う。続きを読む
投稿日:2019.10.05
shifu0523
【収録作品】フーダニット・クインテット/ハウダニット・プリンシプル/ワイダニット・カルテット/ウェアダニット・マリオネット/ウェンダニット・レクイエム/ワットダニット・デッドエンド
投稿日:2019.07.21
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