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リチャード・ガーベイ=ウィリアムズ / 日経ナショナル ジオグラフィック (2件のレビュー)
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エピソードで、まずは優れた写真に必要なものは? インパクトのある被写体。ダイナミックな構図。効果的な光。感情的な反応を引き起こす力。 一章の視覚認知のメカニズムはやや難解。 ゲシュタルト理論は、特に…理解しても、頭に残りにくく、いざ実践の場となった場合に、記憶の引き出しから出せるかどうか自信が無い。 脳がどのように視覚情報を処理するのかに関する理論。 具体的に言うと、どのように、メインの被写体に意識を集中させていくかなど。 【基本原理】プレグナンツの法則 人は共通点やまとまりのない断片的な情報を見たとき、そこに秩序や調和、対称性、単純さ、構造性を見いだそうとする。 例えば、プールサイドと脱がれたサンダルなど。 そして、目で見た者を実際の生活で経験する身体反応と結びつけようとする傾向がある。多分、つまり、二列の要素が小さく、その間の距離が縮まって行くのを見ると、実体験で遠距離になる程、そう見えることを経験的に知っていて、遠近感を感じる事ができるなど?と理解。 これにより、二次元のものに、重力(ビジュアルウェイト)を感じる。←ここの理解が、私には特に難解。 要素の重要性とは、少し違う意味に思われる。 白い部分が重いなどと表現されているため プレグナンツの法則に基づき、個々の要素の間に関係性(*この関係性も写真を使って何度も説明されるが、自分が観察者となった場合、写真をその様に鑑賞しているとは感じられなかった)や秩序を感じさせるには、以下の6つのきっかけが必要とのこと。 1.図と地(まとまった部分とその他) ルビンの壺のように、図と地が入れ替わる場合もアル。 2.類似 他と違う要素(アノマリー)を一つ入れると、印象的になる。パターンでも有効。 3.近接:単純に要素同士の距離 4.閉合 要素同士が類似している場合、その間に、見えない線を補ったりする能力のこと。 5.連続 これも、実体験から、何度か写真を使って説明された書籍を読んだことがあるが、個人的にだからどうしたと思ってしまう要素である。 水辺線とかわかりにくいものではなく、微妙に岩の列などが同じ点に緩く収束していく例のあれだ。 だから?といつも思ってしまい、特に印象深い写真だといつも感じられない。 6.対称性 安定性があるゆえに、逆に堅苦しさを感じさせたり、どこに問題があるかなど考えなくなってあまりよく写真を見てもらえないデメリットが時に発生する。 ゲシュタルト理論により生じること 1.連続性 例えば、一列に並んだ鳥が、それぞれ順番に羽根を広げていく写真を撮った場合、違う鳥なのに、あたかも一羽の鳥が羽を広げるまでの時間経過を捉えた連続写真の様に認識する。 2.恒常性 例えば、陰になった芝生を見ても、本当に緑だと知覚できる。 3.過去経験 これは、上で述べたプレグナンツの法則のとこを参照 4.多重安定性 ルビンの壺のように、2種類の見方ができる曖昧な作品を見たとき、その2つの見え方の間を行き来してしまうこと。 実践としては、組み写真、展示会。そして、写真の中では人の視線の導き方。 書く文字の方向に、人は物を見がち。なので、大抵は左から右。なので、右にある要素を長くみがち。近く戸認識する下から上へ見る傾向があるので、風景写真では、右上にインパクトを。 そして、写真の世界に入り込む、エントリーポイントを作るのもよい。手前に丘などを設置して、見る人がそこに立って、下の景色を見ているなど思える。 第二章 構図の原則と指針 知らなかったのは、黄金分割。 3分割ではなく、1:1.6で縦横それぞれから引いた4本線の交差点に、メインを持ってくる 対角線方式は、それぞれの角の45°分割線の交点に、メインを持ってくる。 ビジュアルウェイト 最も、個人的に、?なパート 中井精也も言っていた。バランスをとるに近いことまでは分かるけど、同じ写真の左右を入れ替えて、受ける印象が違うといわれても、感覚的な問題になってきていて、納得しかねる例も多々。右に向かっている写真は通常に見えるが、左に発していると、過去を思い起こさせる、逆走しているなど。明るい色が重いというのも、不明。 明るい色は、周囲に光を放ち、実際より大きく見えるので、白い要素を黒い要素より大きくする。 ピラミッド型が、安定感を呼び起こす。 点は、視線を寄せる強い力がある。そこに向けて、収束線のある写真を撮ってみるのもありとのこと。 時には、わざと不安をあおる。 カメラをわずかだけ傾けるなど。 第三章 デザインの要素 これが、私の納得しかねる項目、線についてだ。 上のゲシュタルト理論でいう「連続」に当たる、視線の導線となる線を意識せよ。 でも、無理矢理こじつけた線を作ってるものも多く、だから何だという思いしか出ない。 構図を練る力がないと言われればすいませんとしか言えないが、どうしても、その重要性が分からない。 対称性が目的の場合を除き、画面中央を貫く線は避ける。 垂直方向の線が、水平線の様に、途中で切れると、人は違和感を感じる。 写真に奥行きを出したい場合は、収束線を使う。 構図や、要素間のバランスをとるために、三角形(二等辺三角形でも可?)に配置せよ。←ちょっと、実感わかない。 質感を出したいときは、サイド光。きめが粗くでこぼこな時は、低い確度からのサイド光。花びらなど、柔らかい質感の際は、拡散光。大きさを感じさせたいときは、被写界深度を浅くする。 パターン:アノマリーや、構図を崩す小さい余白などを入れると魅力が増すことがある。逸脱がなければ、堅苦しさを招く場合もある。 空気遠近法:大気中の水蒸気の乱反射のため、遠方の物は青く見える。遠方へと連なる丘陵や山並みが青灰色にぼけていくような風景を撮影する時に有効。 遠近法は3種類。一点透視図法、二点透視図法、三点透視図法。 第四章 色調と色合いの役割 私が当時持っている機材(明るい望遠、キットズームレンズ、三脚なし)でどうやって撮影しても、手の出なかったイスタンブールの地下宮殿が左右対称にオレンジ(ライトアップ部)と陰(真っ黒)が広角で撮られていた。なるほど。あえて、そのまま、強いコントラストとオレンジの光だけで表現していた。プロっていうのは、こういうあがいても撮れませんでしたということがないってことだと思った。 補色関係を抑える:赤と緑、オレンジと青、黄色と紫。 補色同志を並べると、互いに強く引き立て合う。逆に赤燈黄緑青藍紫を円にしたとき、近い色同士は調和する。 第五章は実践、第六章は、結局見る人にとってどんな写真を撮りたいか。優しい人なのだろう。最後では、今まで緻密に説明してきたにも関わらず、撮ろうと思うものが好きか、情熱を感じて撮影しているか、そしてよく考えなさいなどと書いている。続きを読む
投稿日:2023.10.27
Takahiro Okumura
純粋に様々な構図を観れる作品集としても楽しめた。 この本に紹介されているような構図を操れるほどの技量がまだ備わっていないので、自分にはまだ早かったかもしれない。また写真が溜まってきたら、この本と見比…べながら自分に足りていないものを再発見していこうと思う。続きを読む
投稿日:2017.08.15
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