【感想】Gマン 宿命の銃弾(上)

スティーヴン・ハンター, 公手成幸 / 扶桑社BOOKSミステリー
(1件のレビュー)

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  • うみかもめ

    うみかもめ

     コルトガバメントM1911という拳銃。モデルナンバーが示す通り、1911年から軍隊や警察等の政府組織の男たち、government-man(Gマン)が愛用してきた銃だ。使用する弾丸は45ACP(45口径Auto Colt Pistol)で、半インチの大口径は携行する弾丸の量は制限されるが被弾時のストッピングパワーが大きく、一発で敵を無力化させることができる。
     トンプソンサブマシンガン(トミーガン)も45ACP弾を使用しており、アルカポネが葉巻を咥えてドラム型弾倉のトミーガンを抱えているイメージも印象的だ。現代では9mm口径に主流を譲ったが、今も根強いファンを獲得している。

     そのM1911やトミーガン、45ACPに対するオマージュも含め、大恐慌後にポスト・アルカポネとして、銀行強盗たちが跳梁した1938年のアメリカで、ボブ・リー・スワガーの祖父であるチャールズ・スワガーの生きざまを描いた作品だ。高倉健を彷彿させるキャラクターは洋の東西を問わず、理想の男性像の典型として確立されたものだ。

     現在と1938年のチャールズ・スワガーの時代が交互に語られていき、現在の語りが終わり1938年の章が始まると、現在の物語が気がかりで、1938年の語りが終わり、現在の章が始まると1938年の物語がどうなっていくのかと気になって仕方ない。ミステリーとして十分の展開で、前半は少し展開がゆっくりしているが、下巻に入ればスピード感は十分で、ぐいぐいとラストシーンまで引っ張っていく。
     ミステリーファンにも、スワガー・サーガのファンの期待にも十分応えてくれている。シリーズの大半を読んでいるが、記憶があやふやな私にも配慮された訳注がついており、ありがたく大いに楽しめた。
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    投稿日:2017.08.20

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